ギロクル
「んっ……ふぅ……ッ」
口から勝手に漏れ出そうになる声を押し殺して、目の前のシーツにしがみつく。声なんて上げずに冷静な顔をしていられれば一番いいのだが、ギロロの動きに身体が勝手に反応してしまう。
上に乗っているギロロに全体重をかけられれば重いだけだが、気を使ってくれてはいるらしく想像よりも軽いギロロの重さが心地いい。これは何でもない事だと言い聞かせてはシーツの海に視線を向けるがそんなことでは到底気は紛れないし、ギロロに指を押し込まれてまた声を上げてしまう。
「ん、んんっ……、ひあっ」
「痛いか?」
「痛、くネェ……けど、も……やだ。お、かしくなりそ……」
「心配するな、終わる頃には気持ちよくなってる」
「クッ……あ、んっ……」
気にかけてはくれているが、やめてくれる気はないようで、止まる気配のないギロロの動きに翻弄されてあげたくもない声をあげるだけで精一杯だ。
「ちょっとチミ達こんな真っ昼間から何やってんの!……ってアレ?」
勢いよくドアをあけて怒鳴り込んできたケロロが部屋の中に入るなり、まんなるな目をさらに丸くして戸惑ったような表情を見せるが、何をやっているのかと聞きたいのはこっちの方だ。
うつ伏せになったままの状態で、背中の上に乗ったギロロの背中を足で軽く蹴れば、退けという意思は通じたようで馬乗りになっていたギロロの重みが一瞬にして消える。
「見ての通りマッサージしてもらってたんスけど」
「……クルルにはいつも一番働いてもらってるからな」
布団の上に座り込んで、顔を上げればケロロと目が合う。訝しむような瞳を向けるケロロの意図が分からずに首を傾げれば、がっくりと肩を落としたケロロの口から、当てつけなのかと疑いたくもないような大きい溜息が聞こえてくる。
「全く紛らわしい事してんじゃないでありますよ!」
また慌ただしくドアを閉めて立ち去ったケロロは、まるで嵐だ。一体何の用事でわざわざこんな基地の隅までやってきたのかを聞くよりも先に立ち去ってしまったケロロを追いかける為に立ち上がろうとすれば、ギロロに腕を掴まれてまた布団の上に座らされる。息をつく暇もなく仰向けに押し倒されて、当たり前のように下着を脱がされてしまう。
抵抗を試みたところでギロロに力でかなうとは思っていないが、ギロロがこんなにいきなり性行為に及ぼうとするのは珍しい。
「先輩?」
「こっちも気持ちよくしてやる」
服の隙間から入り込んできたギロロの手のひらが肌の上を滑るように優しくなぞるくせに、時折形を確かめるように強く掴まれる。くすぐったさに身を捩れば、後を追うようにギロロの手が追いかけてきて、次第に触れられるこそばゆさよりも快楽の方が上回っていく。
胸からへそを辿り、次第に下へと降りていくギロロの熱い手のひらに抗う程の理由もなく、じっとしていればギロロの瞳が妖しい色を帯びる。
既に期待だけで勃ち上がり始めているのを誤魔化すように、ギロロの下半身にそっと足を伸ばしてみれば、予想に反してそこはもう熱を持って形を変え始めていた。面白いネタを見つけたと口角をあげて笑えば、気がついたギロロが少しだけ眉を顰めた。
このギロロの弱みを見つけられた時の顔が好きで堪らない。しまった、と実際に口に出すこともあれば黙って少しだけ眉間に皺を寄せて、怖い顔をしているだけの時もあるが、普段は自分以外の誰にも向けられることのない顔だから、特別なような気がして気分がいいし、今からその見つけた弱みで散々ギロロにちょっかいをかけられるのかと思うと楽しみで仕方がない。
「ギロロ先輩もうガチガチじゃないスか」
「貴様があんな声を出すからだ」
「あんな声?」
「……自覚がないなら他の奴にマッサージだけはしてもらうな」
イマイチ話が見えてこない。マッサージの最中に声を上げてしまった事は事実だし、確かにギロロを煽ってやろうとわざと色っぽい声を出そうとしていたが、それも一番最初だけで、ギロロがうるさいと怒るものだから早々にやめてしまった。
戯れにギロロの下半身に手を伸ばして、勃っていないなんて面白くないと言えばギロロに軽く頭を叩かれたのでよく覚えている。あれ以降はわざと声をあげたりはしていないので、ギロロに責められる謂れはない。
足をギロロの下半身から洋服越しでも分かる腹筋へと移し、厚い胸板に押し付けてみても、腹が立つ事にびくともしない。逆に足首を捕らえられ、足を上にあげられれば、秘部をギロロの眼前に晒すことになるから余計に面白くない。
後孔に触れたギロロの指先が中へと押し入って奥へと突き立てられる。性感帯を全てギロロに知られてしまっているのでこうなっては逆らいようがないし、もうこちらの方が欲しくて我慢が出来ない。
ギロロの手を捕らえられていない方の足で軽く蹴れば意図を察して中から指が抜かれ、上げられていた足も解放される。今日は随分素直に言うことを聞くものだと感心しながらさっきまでとは反対にギロロの上に馬乗りになり、ギロロの唇に何度も口づけて言葉を奪ってしまう。
手探りで探し出したギロロの屹立は下着越しでも間違えようのない程に熱を持っていて、また期待で身体が震える。まだ十分に慣らされているとは言えないが、やってみればなんとかなるだろうとギロロの屹立の上に腰を下ろせば、やはり硬いギロロのものはすんなりとは中に入ってくれず、入口で止まってしまう。
「クルル、無茶をするな」
「う、る……さい……」
息を吐き出すタイミングで体重をかけて無理やりギロロの屹立を飲み込めば、内蔵をダイレクトに押し上げられている感覚に、息が詰まる。ギロロの服を握り締めながら圧倒的な物量に呻いていれば、不意に頬にギロロの手のひらが寄せられる。
「せ、んぱい?」
「無理させたいわけじゃない。一回抜くぞ」
「し、んぱい……すんな……って、……終わる、頃に、は……気持ちよくなってんだろ?」
何とか表情だけは取り繕って不敵に笑って見せるが、途切れとぎれの声でバレてしまっているのだろう。分かっていても何も言わないのはギロロの優しさなのか欲望なのかはわからないが、身体の下で耐え切れないと言わんばかりに動き始めたギロロに笑みを零して、もう一度だけ唇を奪った。
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