ピオジェ/喫煙








空の青さに大方不釣り合いなあたしを
何処か連れ去って!
帰る場所ならとっくの昔に
亡くして来たから



【影踏み街の】



ふわりと流れる紫煙。
流れ、流され。消えゆく紫煙の煙たさ。
「やめてくれませんか?それ、」
と指差すは褐色の指先に弄ばれた煙草。
「なんだ、お前煙草駄目だったのか?」
一時期はさんざん吸ってただろう?・と続いた言之葉を無理に遮る。
「壁が変色するのが嫌なんですよ。」
「嘘吐け、」
「バレましたか。」
「本当の理由は?」
「さぁ?」
褐色の肌が近付く。
触れると思った寸前、動きが止まる。
また動きだしたかと思えば顔を通り過ぎ耳朶を小さく噛まれる。
「言えよ。」
耳元で囁かれる甘い響きに意識が奪われる。
「言いません。」
だってまさか貴方の唇に私以外が触れるなんて赦せない・なんて言えない。
「ジェイド、」
また舞い戻りもう鼻先がつく距離。
そっと啄むように交わされるそれ。
(どんなに焦がれたとてささめきあう小鳥達などにはなれはしないというのに)
口の中の理由は食い荒らされた獲物。
あとは腐って朽ちるだけ。



















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