ピオジェ/学パロ/モブ主人公









さあ今日も頑張ろう、と生徒会室のドアを開けた。私は読んで字の如く固まった。薄々感づいていたとはいえ、この年にしてまさか男同士のキスの現場を目撃するとは思っていなかったからだ。一歩も動けないまま突っ立っていれば、ピオニーが何食わぬ顔で「早く中に入れよ、今日も仕事は山積みだぞ」と告げた。流石に私が動けなかったのは貴方様のお陰です、とは言えずはぁ、と生返事を返せば追い討ちをかけるようにジェイドさんに「さっき見た事を他言すればお仕置ですよー」と釘をさされた。
所謂男色や衆道と呼ばれるその行為は世間一般ではあまり好かれてはいないのだが二人は特に関心がない、といったふうだった。私としては特に差別視したりはしないが少なくとも私は同性を将来の伴侶に選ばない程度には同性を好きになれそうにはない。ただ話したり、買物にでかけるくらいなら話は別だが。
先程二人の親密な関係を見せつけられたせいもあって何となく居心地が悪い。軽快な二人に反して重く、沈んだ空気に耐えきれず、適当な理由をつけてこの場を抜け出そうかとそっとドアを覗けば人影があり、続いてぞろぞろとルーク、ティアさん、ナタリアさん、ガイさん、アニスちゃんが入ってきた(アニスちゃんによるとイオンさんは体調が優れないので先に帰ったらしい)
これだけ人が増えれば安心だ、と控え目にさっきの出来事を話題に出してみる。
「会長とジェイドさんって仲良いんですね」
「おう、恋人だからな」
「会長、それはどこのジェイドですか?」
「そうなんですぅ、アニスちゃんショック!玉の輿がぁ〜」
「ジェイドって肌白いよな、」
「まぁ、何か美肌の秘訣はありまして?」
「副会長の肌…綺麗」
仲が良い、と言っただけで皆の言う事はバラバラだった。堂々と恋人だと言ってのけたのはピオニーでそれを半ば否定したのがジェイドさん、玉の輿を逃して憂いているのはアニスちゃんでジェイドさんの肌についての素朴な疑問を吐露しているのはルーク、ティアさん、ナタリアさんの三名だった。
それからも皆自由に話題を広げたり閉ざされたりしながらもだらだらと話し合いは続いていた。生徒会に来て一週間とたっていない私はいまいち話題に入っていけず、一人であたふたとするばかりだ。誰の声だったかはもう覚えていないが、いくつか面白そうな話を小耳に挟んだ。
それは例えばピオニーさんが自宅でブウサギを飼っている事だったり、ピオニーとジェイドさんにはもう一人幼馴染みがいる事だったりと他の役員には当たり前の事らしいが私からすれば初めて聞く事ばかりだった。
しかし話す口はそのままにてきぱきと仕事を片付けていく皆に感嘆していればジェイドさんに手が止まっていますよ、と促される。すいません、と声をかけてからやはり私では足を引っ張るだけだ、と思う。




















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