ピオジェ/現パロ









「ゲームやろうぜ!ほらこれコントローラー、ここ押すと撃てるから」
「私まで巻き込まれる意味がわかりませんが」
「いいからやれって、もう始まるから」
画面に映し出されるのはたくさんの人間。意味もわからないままに何故か襲われ、押さえつけられる。
「え、ちょっとなんですかこれ」
「待ってろ、今助ける」
周りにいた人々が派手に吹き飛び、左下に表示されていたHELPの文字が消えた。
つまり、周りにいるのが敵で今助けてくれたのがピオニーの操作するキャラらしい。
「ジェイド奥にマシンガンあるから今のうちに取ってこいよ」
「どこですか?」
「あー…そこを右。あ、それそれ」
「これどうやって装備するんですか?」
「これをこうやって、こう」
こう、と自分の握っているコントローラーを置いて教えてくれるピオニー。
教えてくれるのはありがたいが画面の中では主人公が後ろから頭を殴られ片膝をついている。
さっとコントローラーを握りなおし、あっという間に体勢を立て直すピオニー。本当に余計な技術だけは有り余っている。
画面上に麻袋のようなものをかぶった大男が現れ斧を振り回しだした。ボタンを連打して撃ち続けるが大男はどんどんこちらへ向かってくる。
「ジェイド、逃げろって!」
「ちょっと待ってくださいよ、今逃げ…あ、」
「あー、そっち行くから逃げてろ」
画面が淡く滲みだし、操作しているキャラクターが辛そうに腹を押さえ、すり足で歩いている。
左下にある体力ゲージはほとんど底をつき、赤く点滅している。主人公にポンと肩をたたかれ、画面の滲みがすっと引いた。
回復アイテムを使い、回復したもののまだオレンジ色の体力ゲージにひっそりとオレンジが点滅する。
斧を好き勝手に振り回していた大男が地面に倒れ、そのあとにぼんやりと光が立ち上る。
「倒したからアイテム取ってこいよ」
言いながらも敵を撃つ手は止まらないのは流石というべきか少し悩んで、現実なら兎も角ゲームの中でこんな技を披露されても特に感慨もない。
アイテムを拾い、敵から逃げようと背を向けた。上手く逃げられるはずだったのだ、障害物に引っ掛かったりしなければ。その隙を敵が見逃す訳も無く、後ろから掴まれる。スティックをガタガタと動かし逃げようとするが上手くいかない。またもや画面上で敵が派手に吹き飛び、気付けば主人公が側にいた。
「もうすぐ終わるからそれまで逃げてろ」
その言葉になんだか苛立ち嫌です、と小さく呟き、マシンガンを乱射する。
いつの間に後ろにいたのかは分からないが知らぬ間に後ろに回られていたようでいきなり後ろから掴まれる。ガタガタとスティックを動かしていれば途中で画面が切り替わり、ムービーが流れだした。安堵してコントローラーを手放し、やっと終わったと呟けば隣りでピオニーがニヤリと笑った。
「お前ほんとにアクションゲーム苦手だよな」
「貴方はパズルゲーム苦手ですけどね」
「いいんだよ、俺は。なぁ格ゲーやろうぜ!」
「絶対嫌です」



















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