ナミは腕を組んでクッションにもたれかかる。


「それが…なにか明確な決め手みたいなものが
あったわけではないんだけど…」


ナミは理解できない、といったような怪訝そうな顔、
ロビンは面白いものを見るような顔をして
話を聞いている。


「サンジってさ…優しいし強いじゃない?」

「…まあ、確かにそこはね」

「ええ、そう思うわ。」


そこにはナミとロビンも同意してくれた。
そうでしょ?と何故か私が自慢げだった。


「でも、…女にめちゃくちゃ弱くてさ、
ほら、エニエスロビーでは死にかけたし」

「そうよ!あの時大変だったんだから…!」


ナミは思い出してうんざりした顔をする。
あの時ナミがいなかったら、サンジ死んでたよね。


「うん。
こういうのはこれからもずっと続くと思うんだけど、
そういうの見てると…
私が守ってあげられるように
もっと強くならなきゃって、なんかきゅんとしちゃって」

「ハァ?」

「面白いこと言うのね」


案の定というか、
これに関してはナミとロビンから共感は得られなかった。


「もしかして好きなのかもって意識したら
もう行動のすべてにドキドキするようになっちゃった」

「まァ…その気持ちは永遠に共感してあげられないけど…
気持ちばっかりはどうしようもないもんね。
でも、アイツ…苦労するわよ?」

「サンジはみんなに優しいものね」


そう、それが1番の問題。
サンジは(女性であれば)誰にでも優しい。
それはもうめちゃくちゃ優しい。
世の女性全てを愛していると常に公言している。
だからこそ、たった1人に対して
特別な想いを抱くようには思えない。
好きになった時点で失恋が決まってるようなものだ。


「女とくればナンパしまくって
次々目移りしまくる男なんて…
好きになればなるほどキツいんじゃないの?」

「うん。でも…多分そんなやつだから
好きになったんだろうなとも思うんだよね」


そう言うとナミが感極まった様子で
両肩を掴んで私を揺さぶってきた


「NAME…あんた…!!可哀そうに…!」

「なんだか不憫ね…」


可哀そうがられてしまった。
でも確かに、私もそこが1番の不安な点だった。
今すぐどうにかなりたいと言うわけじゃないけれど
この先想いが募れば、絶対にもどかしい思いを
してしまうのは、火を見るよりも明らかだ。
でも、女に目移りしないサンジは
果たしてサンジと言えるのだろうか…
というくらいに、サンジは"そういう人"なのだ。


「でもさ、同じ一味内で、恋愛問題って
やっぱめんどくさい事になるかもしれないし
あんまり良くないかなって思うんだけど…」

「えー?別にいいんじゃない?面白いし。
航海に支障でないならいいわよ。」

「えぇそうね…ふふ、面白くなりそう」


思ってたよりも好反応で安心した。
面白がられてる事に関しては気にはなるけど
逆の立場なら私もきっと面白がってる。


「んレディたちィ〜〜♡♡!!!
お茶のおかわりはいかがですか♡」


見計らっていたのかと言うほど
絶妙なタイミングでサンジがお茶のおかわりを持ってくる。


「あらサンジくん、ありがと」

「ええ、いただくわ」

「あっ私も〜」

「ハッ!!この青空の下戯れる姿が
美しすぎて天使たちが天国から舞い降りてきているのかと思った…!!
こんな麗しいレディ達と一緒の船に乗っているなんて
俺ァなんて幸せ者なんだァ〜〜ッッッッ!!!♡♡♡」


「おいサンジー!!!!!!早く来いってー!!!!」

「ッッセェなクソ鼻!!邪魔すんなオロすぞテメェ!!」


ハートを飛ばしまくっていたかと思ったら
ウソップに呼ばれて悪態をつきながら去っていくサンジが
声が聞こえないであろう場所に行ってから
私ははまた呼吸を再開して
ときめきに咽び泣く


「ううっ…かっこいい…!!」

「だからァ!!ツッコミどころ多すぎんのよ!!!」

「前途多難ね」







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