私がサンジの事を好きだとナミとロビンに話してから
ナミは特に面白がってか
やたらと私とサンジを2人っきりにしようとした。
「あんたはとにかくサンジくんに慣れなさい」
ナミに言われて、それは本当にその通りだと思ったので
大人しく言うことを聞いていた。
サンジは相変わらず優しかった。
デレデレして変な顔になってる時のサンジも可愛いけど
たまに真面目な顔をして普通のトーンで話をしてくる時の
ギャップが、たまらなく好きだった。
でもナミやロビンの計らいのおかげか
サンジを見た後のときめきを
口に出さずとも処理できるまでにはなった。
見るたびに、かっこいいと思うことに変わりはないけど。
私達の航海では、
大きな戦いが終わった後に大きな宴をするけど
誰かの誕生日や、何か少しの出来事でも
事あるごとに小さい宴をよくする。
みんな呑んで食べて騒ぐのが大好きなのだ。
まぁ基本、食事のたびに大騒ぎだけど。
そして今日も、その日だった。
「かんぱ〜〜〜い!!!!!」
サンジは相変わらず大量の豪華な料理を次々と準備している。
今日も肉に魚にご飯に麺、これでもかと言う程に豪勢で
不思議なほどに箸が進む。
私もその最高に美味しい料理に舌鼓を打ちながら
お酒をちびちびと呑んでいた。
私はあんまりお酒が強くない。
どちらかといえば弱い方だ。
ナミは酔っ払うと、やたら人にお酒を勧めてくるので
私はいつもナミのスイッチが入ると
少し離れた場所に逃げる。
そして今日は珍しく、サンジがそのターゲットになっていた。
料理を一通り作り終えたというところで
まだターゲットを見つけてない状態の
ナミの隣に座ったからだ。
「ちょっとサンジくん〜!!!
飲んでる!?!お酒足りてないんじゃないの!?!」
「ナ、ナミさん♡いやおれは、あんまり酒は…」
「ハァ!?私の勧めるお酒が飲めないって言うの!?!」
ぐいっと顔を近づけるナミに
鼻の下がぐでぐでに伸びて目からハートを飛び出させた
サンジが、断れるはずもなく
ナミに勧められるままグラスを開けていた。
サンジも、人並みにお酒は飲めるみたいだけど
とにかくウチはゾロとナミの酒豪っぷりが異常だ。
サンジも、ほどほどで断るか誤魔化すか出来ればいいけど…
それは無理そうだった。
サンジが、ナミのお願いを断れるわけがない。
「ほら〜〜!もっと飲みなさいよ!
なっさけないわね〜!!!」
「ナミさん…もう…」
サンジはいよいよやばそうだった。
ウソップはナミを怒らせると怖いのと
ターゲットになりたくないので遠巻きに見ていて
ルフィとチョッパーとブルックは謎の踊りで
盛り上がっていて全く気にしていなかった。
フランキーとゾロは2人でなにやらしっぽりと飲んでいて
ロビンは楽しそうにみんなを見ていた。
みんな、自由だ。
「あら?ちょっと!これもう空になるわよ!次〜持って来て!」
ナミがもうすぐ空になりそうな酒瓶を見て、大声を出した。
楽しそうに爆笑してるナミの姿を見て
気持ち悪そうにしながらも「ナミさんは可愛いなあ」
なんて言ってるサンジも相変わらずだ。
「私、持ってくるから待ってて!」
「あっNAME〜!!さんきゅ〜!!」
私はダイニングへと走った。
サンジ、そろそろ顔色悪くなって来てたけど、
大丈夫かなあ…
急いで飲み物を数杯準備して
宴会会場である芝生甲板へ走る。
「はい、ナミはビール。
サンジはNAMEちゃん特製高度数カクテルね!
もうこれで最後にしてあげなよ」
ナミとサンジにそれぞれ大きいジョッキを差し出す。
「きゃははは!NAMEさいこ〜!!」
ナミは嬉しそうに大笑いして、ビールを受け取る。
「NAMEちゃん…」
サンジは苦しそうな顔をしながらも
女には笑顔を絶やさないようにしているのか
苦笑いをして、私の手からカクテルを受け取り
意を決して一気に飲んだ。
そして、サンジの動きが固まった。
「やるじゃな〜い!サンジくん!!」
ナミは上機嫌で、サンジの肩をばしばしっと叩き
もうサンジには満足したのか、まだまだ飲むわよ!
と言って次はゾロの方に行った。
ほんっと…すごいな…
私は、固まっているサンジの隣に座った。
「サンジ、大丈夫?」
「NAMEちゃん、今の…」
「私特製カクテル、効いたでしょ?」
そう言って笑うと
サンジは芝生にばたっと寝転んだ。
「NAMEちゃん…あれは、ずりィよ…」
サンジが目線だけ私に寄越して言った。
「…何が?」
「さっきの。ノンアルコールだったろ?」
「…そうだっけ?瓶間違えたかな」
そう言って、笑って見上げた空は、
高くて澄んでいた。
サンジの、ありがとうという小さい声を
私は当然聞き逃すはずもなく
ずっと心の中で復唱しながら、空を見ていた。
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