過去を許して


あれから数日。名前と連絡先を交換してからたまにメールアドレスでやり取りをしている。
それに伴って、名前に会いたいという気持ちも大きくなった。

「名前は、あの日の俺を許してくれるだろうか」

眺めていた鏡を置いて、スマホを眺める。
誘うべきか…いや、でも…
俺はただの怖がりだ。許されないのが怖くて、自ら縮めた距離をまた離そうとしている。これじゃあ、いつまでもあの日のままなのではないか。
臆病で、突き放したあの日と。

「カラ松兄さんは大丈夫だよ」

「じ、十四松…なんのことだ?」

「え?なんのことだろう!でも、カラ松兄さんは、大丈夫だよ! だから、もっと好きにならなきゃ、自分を!」

「ふっ…何を言っている?俺は俺の事をリスペクトしている…なんたって俺は孤高に生き「え?」……いや、何でもない」

俺はそんなに自分を大事にしていないだろうか?いやそんなことはない。孤高に生きるギルド・ガイだぞ。しかし、弟に指摘されるなんて…

「俺もまだまだ、だな…」

「ねぇ十四松兄さん…カラ松兄さん何言ってるの…怖いよ!!」

「さーねー」

もう一度スマホに目を向ける。
…よし。

「よければ、名前の予定が空いている日にご飯でも行かないか?、と」

躊躇する意識を振り払って、送信ボタンを押した。
……メールって、こんなに疲れるのか。
トド松はよくやるな。



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