相模国審神者譚
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特に秀でたところはなく、毎日あくせく働いて愛する妻と子供の三人で慎ましいながらも温かい家庭を築いていた、はずだった。 いつもなら明かりの付いた部屋で、母娘仲良く喋りながら夕飯の支度をしているのに、その日は明かりも話し声も夕食のいい香りもなかった。 外から見上げた部屋には珍しく明かりが付いておらず、