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「な〜んか全然年末年始感がないんですけど、これって良いことなのか悪いことなのかわからないですね」
「世間的には悪いことなんじゃねぇの。風潮として」
「尾形さん風潮とかそういうの嫌いですよね?」
「嫌いだが都合が良いことに違いはないから」
「そうですけども……」
「結局どっちでもないぜ、多分」
「どっちでもないっていうより、尾形さんの場合『どうでもいい』でしょうよ」
「お、大正解」
「情緒ゼロだなぁほんと……。……なんというか、悪いことだって、一概に言えないと思うんですよね」
「ふぅん。で、その理由は?」
「んー……だって、こうして好きな人と…尾形さんと新しい年を歩めるのが日常なのって、すごく嬉しいことですから」
「はあ、なるほど」
「でも良いことかというと決してそうではなくて……それはですね、」
「『日常を日常と思いたくないから』」
「…!」
「『恒久も永遠も存在しないから』、『あした非日常が訪れるかもしれないから』、……えーと?あぁそうだ、『ありふれた日常が一番特別だから』……とでも言いたいんだろ」
「尾形さん…………エスパーかなにかですか」
「は?」
「こわいこわい、すみませんって。……でも、尾形さんがそんなこと思うわけないですよね」
「それはそうだがね。お前がよく譫言みたいに言ってるから覚えた。『この毎日は当たり前じゃない』『いつか終わる時が絶対にくる』って、な」
「私が言うから説得力ないだけで、結構事実じゃないですか?不幸とは幸せだと気づけないこと、なんて謳うひともいるくらいですし」
「はー…………そんなもん全部、」
「『綺麗事』。……って言いたいんでしょう」
「大当たり。今日は絶好調だな」
「うれしくな〜……」
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「そもそも幸せってなんなんですかね」
「おいおい、綺麗事と哲学は嫌いだぜ尾形さんは」
「ちょっっとくらいはいいでしょ、ね」
「はァ……だいたい、『幸せ』だとか『神さま』だとか『愛情』だとか、全部あやふやなのよ。それを見たり感じたりしたなんて奴もいるが……どうだか。知ったこっちゃない」
「えー、少なくとも愛情に関しては私がいつも見せてるじゃないですか」
「あんなもんは見せてるって言わねぇよ。ぶん投げてるっつうんだ」
「ゔ……まあ、まあまあ、私にとっての幸せは尾形さんが幸せでいることですから」
「幸せってもんを存じ上げない俺にそれを言うか」
「……たしかに…」
「やっぱりアホ」
「……あ、じゃあ私が!幸せも愛情も分かってもらえるようにがんばるので!伝えるので!」
「そりゃ頼りねぇなぁ」
「信じてくださいよ!ぜったい、尾形さんに『幸せだ』って思わせます!」
「やる気だけは充分、ってやつだな」
「やる気も想いも実力も充分!なはず!なので!」
「はいはい、よろしく〜菜摘チャン」
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