なんと残酷な、

おぼえていますか、わたしはおぼえています。あの日、あの時、わたしはあなたに裏切られたのです。小学4年生のあの日、私は河原でいじめられていました。理由は沖田総悟と仲が良いからという理由それだけ。私はただ幼馴染だったあなたを信じていたのです。あなただけは私をいじめない、なにがあっても側にいてくれる。でも、あの時、あなたは河原に居た。そして私にこういった、「もう俺に話しかけるなメス豚」わたしは息の仕方も忘れたように、口をパクパクしながらただ、彼を見つめるだけだった。私は沖田総悟に、少なからず恋をしていたのだ。いや、恋と言えるのか分からないが、確かに他の子とは違った想いがあった。私は次の日から学校に行かず、ちょうど親の転勤が決まり、3月に転校してしまった。離れられることに喜びながら、私は小学5年から中学3年までを違う地域で暮らした。そして高校1年になる年、私はまた元いた地元へと帰ってきた。大丈夫、高校になれば人も多いし目立つことをしなければバレないだろうし、まずこの高校に彼がいるかもわからないのだ。だから、大丈夫、安心しなさいなまえ。クラス分けをみると、私は1-Bだ。その中に彼の名は無い。クラスが近いAとC、Dも念のためにみるが、彼の名はない。よかった、大丈夫、私の高校生活は安泰だ。ルンルンとしながら教室へ向かう。するとどこからか手が伸びてきて、思いっきり引っ張られたと思えば、私は派手に床に転んだ。身体を起こすと、そこは誰も使っていない教室だと分かる。ほこりが凄いのだ。ふと視界に入った蜂蜜色のなにか。切なく懐かしい色だと思うと同時に見たくない色だった。待て、蜂蜜色?「わりーな」そう言ったその蜂蜜色の人物は私の上に乗っかってきた。ああ、この学校に居たのか。それにしてもついてないな、わたし。

「おきた、そうご」

「なんでィおぼえてたのか」

「忘れられるわけないでしょ?」

あなたにどれほど悲しませられたと思っているの?

「はなしてどいて」

「…嫌か?」

「あたりまえでしょ、あんたの顔なんてみたくもない!!」

なんで、傷付いた顔してるの?傷付いたのは私なの。あなたじゃない。

「なまえ」

名前を呼ばないで

「なまえ…」

また彼は私の名前を呼ぶと、彼は私を抱きしめた。訳がわからない、あの時突き放したのはあなたでしょ、いまさら、なんで

「あの時は悪かった、ほんとはあんな事言うつもりなかった。おまえが俺のせいでいじめられてたの知ってた。助けたかったんでさァ、」

「それでも!わたしは総悟さえ居てくれれば良かった、のに」

「ごめん、おれは、ずっと昔からおまえのことが」

「言わないで!!」

どんっと沖田を押すと彼は簡単に退いてくれた。途中人にぶつかりながらも私は走った。とにかく離れたかったのだ。考えたくなかった。あの後に続く言葉はきっと、




なんと、残酷なのだろうか