2015平子真子短編 仮面の軍勢の生活費は、かなりカツカツです。 一応余裕のあるメンバーはバイトとかしてるけど、それも長くは続けられない。 そのカツカツ生活費のなか、真子への誕生日プレゼント貯金を始めました。 なにかしら、身に着ける小物を送るのがベストかなーと思っていたのだけど、真子の持ってるものは質がいいだけあって、その、お高い。 だから、お菓子やらコスメやら服やらの購入を可能な限り我慢し、とにかく貯蓄。 ただいま三ヶ月目、金額は結構なものになった…けど。 正直に言おう、つらい。 最近流行りのパンケーキが、すれ違う人の香水の香りが、雑誌でほほえむモデルの初夏の服が、私の決意を砕きにやってくるよ!! 「だ、誰か冷水を……頭を冷やさなきゃ」 「なまえちゃーん、大丈夫ぅ?」 「ま、白キック食らったら落ち着くかな……」 後ろの拳西に、こりゃ重傷だみたいな顔されたけど、知らない!! 見てない!! 「あ、真子帰ってきたよー」 そういえば今日の買出し担当だったね。 いつもより遠出してきたのか、なんだか荷物が多い? 「なまえ−、こっち来ィ」 これは、手伝えということか。 軽く返事をして、大量の袋を抱える真子に駆け寄る。 ……と。 「真子、その袋」 私が気になっていた服のお店のじゃないですか。 リサちゃんとかが頼んだのかな? だとしたら、なんだかお気の毒。あの店に男性一人で入るとは…… 「ちょ、なんやその目」 「いや、お疲れ様」 「言うほど疲れてへんで? 可愛い彼女のためならな」 ん? 彼女? それはつまり私だけど? 「この服、前めっちゃ見とったやろ?」 紙袋の隙間から、鮮やかな色彩が見える。たしかに、あの雑誌に載ってた服だ。 さすがに全部はムリやったけどなァ、と真子が笑う。 「なまえ、オマエ最近、ろくに自分のモン買うてへんやろ? 何のためかは知らんけどなァ」 嘘だ、絶対知ってる。ニヤニヤしてるもん。 「欲しいモンくらい、俺におねだりしたらエエねん。せっかく、この世界一優しい平子真子様が彼氏やねんから」 「……自称ね」 「あーそーですかー、じゃあこの服要らんな?」 白ーリサーひよ里ー、と紙袋を掲げて呼ぶから、あわてて腕にしがみついて下げさせる。 浦原さんレベルのニヤニヤで見下ろしてくる真子は、やっぱり優しくなんかないんじゃないだろうか。 「ごめんなさい、は?」 「ご、ごめん」 「よしよし」 ぼすん、頭に載せられた紙袋を受け取ると同時に、真子が言う。 「俺の誕生日、期待しとるからなァ? 貯金の成果」 ほら、やっぱり知ってた。 優しくなんかない、でも私を見ててくれる優しい彼氏を、とりあえず全力でもてなそう。 お祝いの日には、この服を着てあげるんだ。 Happy birthday Shinji !! |