01

あれ、私携帯どっかに置き忘れてる。そう思ってどこで忘れたのか、職場か、はたまた先程寄ったコンビニのレジに置いたまま忘れたか。
携帯持ちながらレジ行って、台に一旦置いちゃう癖、あれ治らないんだよな。それで忘れてしまうのをもう何回もやった。

「ついてねー」

ま、こういう時にコレが役に立つ。
カバンの内側にあるポケットからもう一つの携帯を取り出す。俗に言う二台持ち。
別に携帯なんて一つでいいんだけど、以前機種変更をした時に、変える前の携帯をそのまま使えるようにしておけるという、使った分だけお金がかかり、持っているだけならタダって、誰得みたいなサービスをやっていて、まあ、タダならやっとこうかな?的なノリでそこから二台持ち。ぜんっぜん使うタイミングは無い。こうやってメインの携帯が無くなってしまった時などにちょっと使うくらい。

そして私は例の如く、サブからメインへ電話を掛けてみる。誰か出てくれたらいい。出なけりゃアプリで探せる。

「……誰か出るかな、」

(…、もしもし)

おっしゃラッキー!若そうな女の子の声が電話の向こうから聞こえとりあえず貴方は誰ですかと聞いてみる。私その携帯の持ち主なんですけど、と事情を話せば電話の向こうの人物は先程寄ったばかりのコンビニのお姉さんという事が判明。
やっぱ置き忘れてんじゃん私。これで何回目だよ。

「よくぞ出てくれました〜!助かりました!」

(いえ…、着信画面に"持ち主"と出たらそりゃ出たくもなります)


ですよね〜〜。
若干呆れ気味のお姉さんに今から取りに行きますと伝え電話を切る。
メイン携帯にサブ携帯の番号を登録した際名前を"持ち主"と登録しておくとこういう時やっぱ助かると天才的な発想をした自分を褒めた。

さて、さっさと携帯取りに戻って、早く家に帰って、先程買ったビールを飲もうではないか。明日は土曜日。次の日が仕事の時はお酒は控えているので金曜の晩は眠くなるまでビールを飲みながら撮り溜めているドラマやアニメをみて過ごすのがルーティーン。
そして昼まで寝るのだ。休みって最高だ。

そう考えながらコンビニへ戻り無事携帯を受け取って、ああそういえばナルトも見なきゃな、なんて家路へと急いだ。


マンション下のオートロックを開け、私が帰ってくる時間いつも一階にいないエレベーターを呼びその待ち時間で既にコンビニの袋からビールを取り出し、口を開け飲み始める。おっさんかと言われればそうかもしれない。別に良いのだ。一人暮らしだし、見られても特に困らない。

降りてきたエレベーターに乗り込み自分の階層へのボタンを押しそこでもまた一口飲む。
ぷは、景気の良い息を漏らし到着したであろう扉が開いたエレベーターから降り自分の部屋へ向かい鍵をあける。

「ただいま〜」

返事が無いのは当たり前であり承知もしているが何故か言ってしまうこの挨拶。
寂しいとは特に思わない。
玄関を開けるとDKの部分。つまりはダイニングキッチン。トイレとお風呂もこの空間。もちろん別々だ。そして奥に一枚扉を隔ててから一部屋あるという1DK仕様のこの部屋はなかなか良い。

玄関で靴を脱ぎ、先程口を開けた飲みかけのビールをキッチン台へ、もう二本コンビニの袋に入ったビールを冷蔵庫へ入れる。
その際に冷蔵庫内を吟味し今夜の晩御飯のメニューを決める。
今日は簡単にオムライスでいいな。米は冷凍してあったやつを使おう。

そう思いながら冷蔵庫の扉を閉め、部屋着に着替えるべく奥の部屋へ進もうと扉のノブに手を掛けた。



「…誰かいるのか」


あれ、ここ私の家ですよね。