かつてこの世の全てを手に入れた男海賊王<Sールド・ロジャー。彼の死に際に放った一言は全世界の人々を海へ駆り立てた。
『おれの財宝か? 欲しけりゃくれてやるぜ…探してみろ。この世の全てをそこに置いてきた』
この一言と海賊王の死により、世は 大海賊時代を迎える──
世界を変えてしまったあの事件。今の時代を生きる者だったら誰でも知っているこの話。富 名声 力≠サれらを求め海に出た海賊達が蔓延り、すっかり浸透してしまったこの世界。それは賑やかなものだが、反対に一般市民の海賊への不安や恐怖も深刻な問題になっている。
ロジャーが処刑されてから20年も経つというのに、その勢いは冷めることはない。そのため海賊王になるために海賊になった若者もこの時代山のようにいて…
「腹減ったな〜……」
海賊旗も掲げられない程の小舟の上に寝転がり、空を仰ぎながら腹を鳴らしている麦わら帽子をかぶったこの少年モンキー・D・ルフィ≠燉瘧Oではない。
17歳になった彼は幼き頃からの夢海賊王になるために海賊になり、海へ出たばかりだ。
「あァ、腹減ったな……」
そんなルフィの隣に同じ格好で寝転んでいるのはロロノア・ゾロ
彼は世界一の大剣豪を目指すため、ある男を探しに海に出たのはいいけれど自分の島への帰り方が分からなくなり仕方なくそこらを廻っていた……というところ。
別名海賊狩りのゾロ
「だいたい、お前が航海術持ってねェっておかしくねェか?」
「おかしくねェよ。漂流してたんだからな、おれは」
「威張って言うことじゃねェだろ」
「そっか〜。お前も迷子だしなぁ」
「その言い方はよせっつったろ!」
ゾロはある男を探しに海に出たのだが、航海術も持っていなかったためこの大海原で迷子になり帰れなくなったのだという。海賊狩りのゾロという名も名乗ったものではなく、元は生活費を稼ぐためにはじめたことでこの海域に名が広がっていったのだ。
「ししっ、やっぱ航海士は必要だな」
「あったりめェだ。航海もできねェなんて海賊が聞いて呆れるぜ! これじゃ
「あとよ、音楽家≠ニかコック≠ニかいるよな!」
「そんなもん後でいいんだよッ!」
なんて、話をして気を紛らわせるがお腹は満たされずますます空腹感を高まらせるだけ。シェルズタウンから出て数日経つがろくなものを食べれていない。
「「あ〜……腹減った」」
もう一度仰向けになりこの何度目かの言葉を呟くと、空に巨大な鳥が飛んでいるのが目に入った。
あまりの大きさに太陽が少し隠れて日差しも弱まる。
「お、鳥だ」
「でけェな、割と……」
しばらくぼ〜っとそれを見つめていると、ルフィが何やらいいことを思いついたみたいでがばっと勢いよく起き上がった。
「食おう! あの鳥っ」
「どうやって?」
「おれが捕まえてくる! まかせろ!!」
食べ物が手に入るとなるとルフィもご機嫌で、すぐに立ち上がって小さな帆を支えるマストに手を伸ばし──
「ゴムゴムの……ロケット!!」
反動を利用して、ルフィは空高くジャンプしていった。ルフィは悪魔の実ゴムゴムの実≠食べた身体の伸縮が自由自在に操れるゴム人間。
悪魔の実とは海の秘宝とも呼ばれる果実で、分野も大きく3つに分かれ、そこからまた様々な種類が存在し、海賊の闇市などで目が飛び出るほどの高値で取引されている代物。ルフィはそれを7歳の頃に食べたのだ。
「なるほどね……」
それをシェルズタウンではじめて見たとき、ゾロは驚いたが慣れた今はすんなり受け入れて、鳥の元へジャンプしていったルフィをあぐらかいて見上げている。
だが──
「はっ!」
「は!?」
鳥はやはり、かなり巨大だったみたいでルフィは到着地点の悪さもあってか、大きなクチバシで頭をパクッと咥えられてしまった。完全に餌だと思っている鳥はルフィを咥えたままばさばさ大きく羽根を動かして飛び続ける。巣に持って帰るようで離す気配はない。
「ぎゃーーっ 助けてーーっ!!」
「あほーーーッ!!」
ゾロは生身の人間の剣士であるため、空を飛ぶことなど出来るはずがなく慌ててオールで漕ぎルフィを追っていく。
「一体何やってんだ てめェはァ!!」
鳥の飛ぶ速さもまた素早くて、ゾロは必死で漕いでいると前の海面から男の声が聞こえてきた。
「お〜〜い!止まってくれェ!!」
「そこの船止まれェ!!」
「ん!?」
空ばかり見上げていたゾロが声がした方に目を向けてみると、海面から僅かに顔を出しもがいている男3人が両手を上げてこちらに助けを求めていた。
「遭難者か……こんな時に!」
こうしている間にも鳥と差をつけられて見失いそうだ。ゾロはルフィが最優先なため、船のスピードを落とさず波をかきながら男達の元に向かっていく。
「船は止めねェ!! 勝手に乗り込め」
「「なっなにいっ!!?」」
そういう間に船はものすごい勢いで近づいてきて、男達はこれは乗らなきゃ殺されるとなんとか必死に船にしがみつき死に物狂いで乗りあがった。
「へェ! よく乗り込めたな」
「「ひき殺すきかっ!!」」
ようやく海から脱出した男達は水浸しな身体をそのままに、荒く乱れている息を前かがみになって整える。
「ハァ、ハァ……」
「なんて乱暴な奴だ……!」
遭難者が何者か興味を持たないゾロは目も向けずにひたすら漕ぎ続けている。息が整い終わった頃、男達はそれぞれ懐から小刀を取り出し、そっぽ向いているゾロににやりと口角を上げてそれを突きつけた。
「おい、船を止めろ」
元々よからぬものを感じていたゾロは瞬時に意識を切り替える。
「おれ達ァ あの海賊道化のバギー@lの一味のモンだ」
「あァ!?」
ギロリとするどい瞳を向けるゾロ。その気迫に3人はびくっとして怯む前に…彼にボコボコにされてしまった。
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