入れ替わり成り代わり

 ひなが好きすぎて好きすぎてどうしようもなく気持ちが溢れてきて、ひながまた気絶したように眠ってしまって、ああ、やってしまったと思ったときには既に遅かった。
 そういったとき、ひなと俺はこの身体の主導権が逆転してしまうんだが、すぐに戻してやることができる、はずだった。
 いやいや。驚いた。全然、戻れん。
 表面上、ひなとして振る舞うのは造作も無いことだ。それにしてもひなが起きてこないし、主導権を奪ってきてくれるような気配も無い。
 ひなの身体は自分の身体でもあるのに、違和感が酷い。ずっと前から俺たちのものであるのに、俺のものではない気がしてかなわない。それもそうか、これは元々ひなのものだ。
 仕方が無いから、そのままひなの家族と食事をした。つい弟君を名前ではなく弟君と呼んでしまうところだった。
 確かに、ひなと俺の立場が逆ならば、と思ったことはある。しかし、ひなに迷惑をかけたいわけじゃあないからなあ。

prev top next