実体のない質量

 一度の眠りに、いくつかの夢を見ることがある。今日はその日だった。

 一つ目は、仕事の夢だった。職場が学校の教室のような部屋にカウンターがあって、金融機関として金勘定を行う変な場所だった。いつも仕事で使っている機械が不具合を起こし、主任クラスの人もどうしていいかわからない状態だった。

 二つ目は、不思議な世界の夢だった。
 ゲームの世界なのだろうか。モンスターたちを仲間にして引き連れ、冒険する世界だった。
 最初は浮遊大陸で、女の子に出会う。どちらかといえばギャルと呼ばれそうなタイプの、女子大生みたいな女の子。でも、その子は仲間にならない。何故かは分からなかった。
 そこの大陸にいるモンスターは人間に友好的なため、どの子か一体を選んで仲間にできた。私は目があった大きな茶色のドラゴンを仲間にした。デフォルメチックで、ぷにぷにしてそうな見た目だ。その子は仲間になると、その気ぐるみを被った小さな男の子になった。レベルが一、ということらしい。
 次の大陸で出会ったのは緑色のドラゴンだった。本来ならば戦闘になるはずなのに、何故かそのドラゴンも仲間になってくれた。気付いたら茶色のドラゴンは男の子の見た目から女の子、それも浮遊大陸の冒頭で出会ったその子が大きくなって気ぐるみを着たような姿になっていた。レベルが上がったかららしい。ちなみに、緑色のドラゴンはヨーロッパ系白人種の男の子のような見た目になった。同じく気ぐるみを着ていた。
 話が進むにつれて、敵も増えてきた。また、仲間にできるのは人間以外の、人外ってやつらしい。
 それはどの大陸だったのかは分からないけれど、中盤の大陸で、私は刀剣男士に出会った。
 鶴丸国永だった。鶴だ。私は一目で分かったし、鶴もすぐに私に気付いてくれた。
 なんとなくこれが夢だと分かっていたので、鶴に抱き着いた。鶴は私をすぐに抱き留めてくれた。

 そこで、今日は早めに起こしてね、って約束したのに、いつもの時間だった。 それを言うと鶴は、
「何度も起こしたぜ。だが、きみが起きなかったんじゃないか」
と、言って、
「……俺としては起きなくてもいいんだがな?」
と、笑っていた。

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