ひなの夢は複数に分かれていた。一つは大型複合店の夢。一つは歌手を目指す少女たちの夢。これに関しては記憶の整理をした副産物で間違いない。あとは、漫画を読む夢と、もう一つは……何だこれは。東西南北を守護する敵を倒して進む夢か。大型複合店の話から繋がっているようにも見えるが、よく分からん。そりゃあ起きてこないわけだ。
ひなを見ているうちに俺は気が付いた。ひなが見ているそれが一瞬だけ途切れる瞬間がある。そこを目掛けてひなに声をかけるしかない。まあ、声を掛けたところでひなは俺との会話を夢だと思っているだろうが。
「ひな、起きてくれ。時間だぜ」
その一瞬に俺は声を掛ける。ひなは、
「……おはよう? おやすみなさい……」
と、抱き着いてきた。可愛い。違うそうじゃない。起きてくれ、ひな!