自粛

 不要不急の外出は禁じられているというのに、必要なものを調達するためにひなと共に少し食料品店に出かけてみたら、隣のレンタルショップは普段と変わらない人の量だった。
 おいおい。人っていうのはこんなにも愚かだったか。いや、そうじゃない。普通の人間は出るなと言われると不満に思うだろう。ひながちょっと変わってるだけだ。うんうん、そうだよな。
 ひなが出かけてくれなければ俺も外には出られない。ひなの世界は広大だから退屈はしないんだが、本霊様の言うとおり、人生には驚きが必要だ。たまにはひなの目を借りて現し世を覗きたいときだって俺にもある。
 当のひなは、こんな状況だって言うのに、引き込もれると喜んでいる。ひなの気持ちも分からんでもないんだ。あの子はあの子で毎日苦しい思いをしているからな。ひながずっとこちら側に居ればいいのにと俺が思ってしまうくらいには。
 それでもだぜ、ひな。引きこもるのはいいが、なんできみは艦船と周回なんてしてるんだ。ハード周回した方が効率がいいと思うぜ。そうじゃなくて。なあ、ひな。俺にも構ってくれ。

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