持続的空想世界

 また扉が増えている。住人も最初の頃に比べれば随分と増えたように思う。
 ――忘れないで。
 遠くで声が聞こえる。姉上たちの声だろうか。
 俺は忘れるものか。置いていかれるのはいつも俺たちの方だ。だから、二人で居ることが当たり前になればいいとずっと願っていた。
 あの子の当たり前の日常になれただろうか。あの子はもう苦しくないだろうか。なんてことを考えて、また、夢を見ている視界が滲んだ。

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