許してあげない


※性描写含む



「は?」
「だから、ハットがねぇと頭洗えねぇ。」
「……子供か?」

とある金曜日の放課後、部活もなかったので学校終わりと同時に連絡すれば堅が愛車に乗って迎えに来てくれたので後ろへと乗り込み、ついでに夕飯を食べてくと言うのでスーパーに寄って食材を調達した。作り置きの副菜と一緒に彼の強い要望で作った唐揚げの山を二人で崩しながら今日泊まってく?なんて話を振ったら言い淀む。泊まり自体は何故とは言わないが良くあることだし何を悩んでいるのか。首を傾げた私にぽつりと堅が漏らしたのは、そんな悩みだった。

「…いつも風呂上がりに来てたのはそういうことか。」
「おう。」
「マイキーたちに聞いてたけどマジ情報だとは思わなかった…いや、思いたくなかったな。」
「仕方ねぇだろ、無理なんだから。」

ふむ、と考える。流石にシャンプーハットを我が家に置かれても困るし…一旦家に戻って風呂だけ済ませてまたうちに来るのも面倒だろう。堅は気まずいのか恥ずかしいのか唐揚げの山を崩すばかり。だが、別段そこまで悩むような内容ではなかった。

「じゃあ、頭洗ったげるよ。」
「は?」
「親戚に子供が居るから割と慣れてるし。」
「ガキと風呂入ってんのか?」
「私は服着たまま洗ってあげるだけ、髪長いから一緒に入るってなると目を離す時間増えるから危ないし。」
「…ふぅん。」
「服とかは置いてあるしシャンプーだけが問題ならそれで解決じゃない?」
「……じゃあ、頼むわ。」

なんか考えてそうな間を置いて返ってきた返事を特に気にすることなく能天気に任せろ、なんて返して。そんなこんなで夕食後、少し時間を置いてからお風呂の準備。湯船には適当に選んだ入浴剤を放り込んでおく。堅が服を脱いで浴室に入ったのを確認し、一応声をかけてから私も浴室へと入った。

「……なんで服着てんだよ。」
「だって頭洗うだけだし。ほら、髪濡らすからこっち。」

シャワーヘッドを手に取りお湯を出す。座り込んだ堅の後ろに膝立ちになって軽く首を反らせ、お湯で金髪を濡らしていく。物凄い顔してるな…そんな不安か?こっちは慣れてるんだぞ。とか思いながらもとりあえず私のシャンプーを手に取って手に馴染ませ泡立てていく。髪傷んでるなぁ…このままトリートメントまでしちゃうか、なんて考えながらわしゃわしゃと髪を洗う。少しばかり顔の方に流れそうになった泡をさりげなく手首辺りで拭ってから泡を濯ぎ流そうとしたら何かを私に伝えようとしたであろう堅の頭が動くと同時にシャワーヘッドからの洗礼を受け私の服にも盛大にかかってしまった。正直に言うと肌に張り付いてめちゃくちゃ不快である。

「…悪い。」
「仕方ないよ、声掛けなかった私も悪いし。」
「派手に濡れちまったし、服脱げば?」
「え?」
「だから、一緒に入りゃいいだろ。」
「……髪流してからね、このままだと顔に泡流れてっちゃう。」

何度か危なかったが、無事堅の顔を濡らすことなく髪を洗い終わったので一度シャワーを止め、トリートメントをするからそのまま待ってるように伝えて一度脱衣所に戻る。確かにこれは派手に濡れたな、なんて思いながらTシャツに手をかける。今更裸を見られるのが恥ずかしいだとかそういう感情はお互いにない。風邪を引かせてしまいそうなのでさっさと脱いで浴室に戻れば何故か出て行った時と全く同じ体勢の堅が居て笑ってしまった。

「ふ、ふふ、頭上げてて良かったのに。首辛いでしょ?」
「そのままっつったじゃねぇか。」
「体洗うなってだけだったんだよなぁ。」

愛用のトリートメントを髪に塗りながら他愛もない話をする。今日のマイキーは中々起きなくて苦労したとか、三ツ谷とのメールは返信が遅過ぎるから会いに行った方が早いとか、圭介と千冬がまたバカやってたとか…共通の話題が多い。学校でのことを聞けば相変わらずだった、今からこんなんでコイツは高校に行く気はあるのか心配にはなったけど。そんな話をしていたら気が紛れたのかトリートメントを洗い流す時にはそんなにびっくりもしてなかったので無事に堅の頭を洗うという任務は遂行された。そのまま体を洗い始めたのでシャワーを拝借し自分の頭もさっさと洗う。髪の毛長いから結構面倒なんだけど、癖が強いからショートにも出来ないし仕方ない。先に湯船に浸かった堅が居なくなったことで大分スペースが確保出来たのでクリップでトリートメントを流し終わった髪をまとめ上げて体を洗い、顔も洗う。…なんか視線が痛いけどシカトすることにしよう。恥ずかしいわけじゃないけど、そんなしみじみ見るものでもないだろうに。

「コッチ。」
「んー。」

洗い終わった直後、呼ばれるままに堅に背中を向けるようにして脚の間へとお邪魔して腹に腕が回ったからそのまま軽く寄り掛かるとまたくだらない話をぽつぽつと始める。暫くするとなんとなく会話が止まって、堅が私の項へと口付ける。びっくりして跳ねた体にくつくつと喉で笑って、そのまま腹にあった手が胸に触れた。感触を確かめるみたいに柔く揉まれ、同時に項や肩へと気紛れに唇を押し付けたり噛み付いたり。やばい、と本能が訴える。これから堅が何をしようとしているのか、私の想像から大きく外れることはないだろう。

「ちょっと、堅、こら。」
「普段隠れてっから、新鮮だな。」
「そうじゃなくて、…ッひゃ、」

いつの間にか両手に増えていた指先が胸の突起へと触れ、押し込んだり摘まれたりと好き勝手に動く。一年以上かけて色々教え込まれた体は素直にそれを受け入れて声が漏れる。抵抗したいのに、上手く力が入らなくて結局漏れ出る声を抑えるのに必死だ。浴室はよく音を響かせ、抑えたはずの声だってよく聞こえてしまう。いつからか覚えてないけど、胸を弄られると下腹辺りが疼く感覚があって、だからかはわからないけれど私の体はそんな気分にさせられてしまう。

「っや、ねぇ、…ベッドで、っ、」
「偶には違うとこでもいいじゃん。」
「声、出ちゃ、…から、」
「おう、聞かせろ。」
「ばか…あっ、……ッん、もお、」

右手が胸から離れたと思ったら下から掬い上げられて振り向くような体勢で唇が重なる。勝手に咥内へと滑り込んだ舌先は的確に私の弱い場所へと触れて肉厚な舌が上顎を擽ぐる。口付けの合間に溢れる声は抑えられないからしっかりと反響し、鼓膜を揺らす。いつの間にか胸に触れていた筈の手が離れて髪を纏めていたクリップを外され濡れた髪が肌に張り付く。…熱い、逆上せそう。なんて考えてたら堅が唇を離して徐に体を持ち上げ強制的に立たせられ、壁へと押し付けられる。

「流石にあのままだと湯入るからな。」
「ちょっと…!」
「立ったままとソコ座んのどっちが良い?」
「ベッド!」
「立ったままな。」


話聞けバカとか、文句を言うつもりで口を開いたのに指先が陰核に触れて結局嬌声が零れる。両手で口元を抑えて痺れるような刺激を逃そうとするけど、私よりよっぽど私の体に詳しい堅の前では抵抗にすらならない。指の腹で円を描くように刺激されると目の前がチカチカして、脚と腰が震える。

「やだ、だめ、…っ、けん、だめってばぁ…っ、」
「イきそ?」

必死に首を縦に振っていれば優しく額に口付けを落とされて指が単調な動きを繰り返し、アッサリと絶頂に至る。肩で息を繰り返しながら目の前の大きな体にしがみつくと堅の左腕が背中に回って強く抱き締められた。堅の胸板に額を押し付けてたら指が陰核から滑り膣口へと触れるとぼんやりとした意識が引き戻され息を呑む。まさか本気で此処で最後までする気?

「うそ、…うそ、やっ、ンぅ、」
「は、あっち、」
「まって、やだ、そこやだって、〜ッ、」
「コッチ?」
「ひッ、んぁ、あっ、…や、ってばぁ、」

節立った長い指がナカへと入り込んで散々教え込まれた弱い場所を擦る。立ったままだからかいつもより指の感覚が分かりやすい。やだって言ってるのに、でもそんなこと言ってる筈の私の体は堅が欲しいとばかりに指を締め付けているし、ぐずぐずに蕩けてるのだって自覚している。堅が指を動かす度に水音が浴室に響いて、恥ずかしいのに興奮してしまう。いつの間にか堅の指が増えていて、二本を根元まで飲み込んでいることに気が付けばなんかもう死んじゃいたいくらいだった。そんな私を置き去りに堅がある位置で手首を固定し、それを反らしてぴったり当てがった状態でぐいぐいと指を動かし始める。

「や、それやだって、…いつも、や、って言って、ッ、ひ、うぅ、〜ッ、」
「好きだろ、コレ。」
「やら、これヘンになるって、…っあ、ひぅ、あ、あッ、」

正確な名前も場所も知らないが、そこを触られると頭が痺れてしまう。腰から下の力が抜ける感覚が確かにあるのにお腹には変に力が入って、膝がガクガクしてくる。やだとかだめとか、反射的に言葉が出るけれど嬌声混じりじゃきっとなんの説得力もない。涙で視界が滲み、堅の背中にしがみついていればぐーっと入口付近のざらついた所を押し込まれて目の前が弾け、キツく指を締め付けた。確かに絶頂して、それが堅にも伝わった筈なのに指が止まることはなく、固定していた手首を緩めて奥へと進む。

「まって、まだ、っ、」
「スゲェ締め付けてんな、気持ちいい?」
「っ、きもちい、きもちいから…っ、」
「次コッチにする?」
「ひ、ッあ、」

中指がこつりと子宮口に触れる。子供みたいに首を振ってたら堅が笑って、わざとらしく時間をかけて指を引き抜いてまた増やす。三本の指がバラバラに動いて広げようとしているのはまだぎりぎり理解出来る。けど、好き勝手に動く指に耐え切れず、堅の背を叩く。

「けん、むり、…もおむり、」
「無理じゃねぇって。」
「ちが、立ってられな、から、っ、」
「アー…。」

ちゅぷん、と音を立てて三本の指が引き抜かれる。わざと弱い所を掠めさせたからまた情けなく声を上げることしか出来なくて、堅の支えがなくなると同時にへたりとマットの上へと座り込み、壁に凭れると熱を籠らせた体には少し冷たくて、でもそれが心地良い。目の前に座った堅が徐に私の両膝を割り開くからぐずぐずになったそこを晒す羽目になった。散々弄り回されたせいで収縮を繰り返し、愛液が溢れて伝うのが自分でも分かって逃げ出したいくらい恥ずかしいのにそれをさせてくれない。せめて視線から逃れたくて身を捩るけど大した抵抗にもならない。

「そんな、見ないでよ…っ」
「いや、エロいなーと。」
「こんなにしたの堅でしょ…!」
「そうだけどよ。」

いいから早く離してくれ、なんて思っていたらあっさりと両膝を掴む手が離れる。漸く終わった、この後はきっとベッドで出来ると、そう思ったのに。

「ゴム付けるからちょい待ち。」
「は?ちょ、嘘でしょ…?」
「んー?」

どっから出したのか確かに堅の手にはコンドームがあって、歯で包装を破り片手で器用に嵌めていく。逃げればよかったのに呆気に取られていた私の馬鹿。膝の下へと腕が通されて完全に逃げ場を失う。やだ、と何度目かも分からない言葉を口にするけど堅は止まる様子もなく、先端が膣口へと擦り付けられそのまま勢い良くナカへと押し込まれて悲鳴みたいな嬌声が出て、それが浴室で反響する。

「ッ、ひぅ、ゔ〜っ、」
「ナカあっつ…っは、」
「きゃ、う、ンン、ぅ、…っあ、は…ぁ、」

最奥までみっちりと飲み込んだ状態で唇が重なる。口を割り開いて舌が絡み、舌が吸い上げられればナカが彼の性器をぎゅうぎゅうと締め付けて絡む。その間にも堅は緩く抽送を繰り返すから気持ち良くて息が詰まり、酸欠になった頭ではなにも出来やしない。漏れる声を気にする余裕もとっくになくて、唇が離れると同時に甘ったれたような声が溢れる。

「…一応聞くけど、立てっか?」
「むぃ、に、きまって、ッ、」
「んじゃ、やっぱこうか。」

ずるりと性器が引き抜かれ、訳もわからないままマットへと寝転ぶ体勢にされた。片脚が堅の肩に乗せられてまた性器が潜り込むけど今度は緩やかさなんてないくらい、無遠慮にナカを擦り上げる。水音と私の嬌声と、掻き消えそうな程に小さく乱れる堅の声が浴室に反響して鼓膜まで犯されてる気分だ。散々時間を掛けて開発された子宮口を性器が押し潰すと堪え切れなくて唇を噛む。どこを触られても全部気持ちいいのだけれど、そこを刺激されて達すると暫く戻って来れないのはもう経験済みだからやだやだと愚図る私を見て堅は意地悪く笑う。奥ばっかり刺激されてまた目の前がちかちかし始めた所で両腕を伸ばす。

「けん、…んッ、は、…ね、こっち、っ、」
「ん、リョーカイ。」

膝を曲げるようにして折り畳まれ大きな体で包まれると両脚を堅の腰に絡めてぎゅうぎゅうとしがみつく。そのまま何度か揺さぶられれば体が強張り、そうして弛緩する。膣壁が性器を締め付けて、堅も欲を吐き出したみたいだった。薄い膜越しに脈打つのを感じ、お互い浅く呼吸を繰り返しながら、それでも唇を重ねて舌を絡めている間にずるりと引き抜かれる。


「……ほんと、…ばか、」
「ごめんって。」

あやすみたいに顔中に口付けを落とされて、それで機嫌が直ってしまう私にも問題はあるんだけども。折角お風呂入ったのに汗だくだから、もう一度二人で体を流してから浴室を出た。若干脱水になりかけてる気がする…とりあえず水でも飲もうと思いながら体を拭き終わり、服に手を伸ばしたところでひょい、と軽々抱き上げられる。

「ベッドなら良いんだろ?」
「……先に水分取らせてくれるなら。」
「オレが取って来るから。」


チクショウ…なんて思いながらも求められること自体は嬉しいので複雑な気分だ。落ちないとは思うが両腕を首に回せば寝室に連れて行かれ、ベッドに降ろされる。宣言通りにキッチンに向かうタオル一枚巻いただけの恋人の背中を見送り、戻って来たら死ぬほど甘えてやるなんて決意しながらシーツに包まった。



タルト有馬す。