甘え甘えて、休息日


※性的描写あり



目が醒めて、彼女が腕の中に居ることは殆どない。僕が起きるのが遅いわけではなく、単に彼女が早過ぎるだけなんだけど。気怠い体を起こして欠伸を漏らしながら端末を確認すると一件の連絡を知らせる通知。それを無視して時間を確認すると6:17と表示されている。唐揚げが食べたいと言ったのは八時間ほど前で、多分それを叶える為に朝から揚げ物と戦っているんだろう。僕が強請れば、その通りのおかずを作るのだから随分と律儀なことである。ベッドから出てその足でリビングへと向かう。正確に言えば、可愛い彼女の居るキッチンだが。


「おはよ。」
「っ、こら。昨日の話忘れてるでしょ。」
「おはよ。」
「……おはよ。」

何かを読み上げる機械音とそれに対する彼女の声が聞こえて来たから眉根を寄せたが、弁当作りをネットで配信してるらしい。そういえば昨日寝る間際にそんなことを言われた気がする。どうでもいいから気にしないけど。彼女の顔を映さないように位置を設定された端末なら僕の顔だって映らないだろうと背後から抱き締める。あ、これ僕がこの間買って来たエプロンだ。

「そこ、映るよ?」
「別にいいよ。」
「服着てないでしょ。」

着てるわけない。寝る時に上着てるの好きじゃないしシャワーを浴びるからそのまま上裸で居るのも知っている筈なのにそんな事を言うのは配信中だからだろう。少し古くなった端末のカメラが映す画角を確認したら元々彼女の胸辺りまでしか映ってないから僕の体は大体喜雨で隠れているし問題はなさそうだけど。

「今日のお弁当なに?」
「唐揚げと卵焼きとウインナーとポテトサラダとほうれん草のナムル、あとトマト。」
「甘いの?」
「ん、甘いの。」
「ハートにしてね。」
「あれ詰めるの面倒なのに…。」

このタイミングでキスしたら怒るかなー、とか考えてたら忙しなく機械音が鳴る。コメントの読み上げ機能らしい。彼女を抱いたまま端末に表示されるコメントを読んでいく。ちっさいけど、まあ、読める。

「えっと、はい、恋人です。…身長差?ええと、20cmくらい?でも脚の長さは多分50cmは違うと思います。」
「卵焼きはお砂糖派でーす。」
「馴れ初め、は…ちょっと特殊なのでごめんなさい。はい、お弁当は彼のです。」

次々投げられる質問に律儀に答える彼女。その内その恋人って呼び方は変わることになるけれど今は大人しく肯定されておいてあげよう。なんとなくコメントを見続けていると"しろ"という文字が何度も上がる。

「しろ?」
「あ、はい。しろです。」
「しろってなに?」
「……ネットでの貴方の名前。」
「ああ、そういう。」

どっから来たんだろ、髪が白いからかな。というかその犬猫みたいな名前はちょっと、GLGとかじゃダメだったの?とか思わなくもないけど。

「ねえ、僕がしろなら君は?」
「くろ、ですけど…。」
「……マジ?」

なんともまあ、安直な。僕が白なら自分は黒で良いやとかそういう感じだったんだろうけど。もっとなんかあったでしょ、僕の名前ならそこら辺にいくらでも居そうな名前なんだから平仮名にでもしておけばよかったのに。同じ事を思ったであろう人が由来を問う。そして僕も気になるから拾っておく。

「名前の由来は?だってさ、くろちゃん。」
「いや、何も考えてなくて…こう、しろって、白色がとても似合うんですよ。そんなに名前も出すつもりもなかったし…あ、私のは髪が黒いからです。」
「それだけなの?」
「………もう一個あって、こう、何故か、寝てるしろが長毛種の猫に見えて…白が似合うと猫でしろねこ、が、元々の名前です…。最古参の人とかは、この名前を知ってると思います。」
「へえ、…僕が白猫ならくろちゃんは黒猫?」

私のは最初からくろです、と言い切った喜雨はその話題を終わらせたいのかそろそろ詰め始めますと続ける。これ以上突っ込むと今日のお弁当に入る卵焼きがハートではなくなりそうだから黙っておく。手を動かしてないと思ったらおかずは既に出来上がっていて、皿に並んだ料理の粗熱がとれるのを待っている時間だったらしい。なんで粗熱を取るのか聞いたのがもう随分と昔の事のように感じる。感慨深いと僕が浸っている間に手早くおかずが詰められていき、弁当箱が彩られていく。ナムルってほうれん草だけかと思ったらもやしとか人参も少し入ってるみたいだった。彩りなのか栄養面なのかはわからないけど。最後にプチトマトを入れて、無事に今日のお弁当は完成したらしい。


「余ったの食べていい?」
「いいよ、何食べたい?」
「卵とウインナー。」

コメント欄をまた見る。僕たちの事を聞いていたり、僕の事を聞いていたり。みんな好奇心旺盛だなぁ。目の前に差し出された卵焼きに齧り付いてから画面を指指す。一気にコメントが増えたから何かと思えば皿と箸を渡さずに食べさせているのが珍しいらしい。

「え?あ、ああ…いつもこうなので。」
「そんな気になる事かね。」
「洗い物増えないからつい、……お弁当を作るキッカケ、ですか。えっと…学校の課題です。一週間栄養バランスを崩さないお弁当を作るっていうのが出て…自分で食べるだけだとどうしても手を抜いてしまうからとしろに食べて貰ってたんです。その後は強請られたのでそのまま続いてる感じですね。」
「彼女の手作り弁当だよ?強請るでしょ。」
「そういうもん?…強請られた時の反応、確かそのままいいよって返したと思います。」
「前日までに食べたいって言えば作ってくれる良い彼女でーす。」


これに関しては揶揄うつもりはなかったけど喜雨は不満気な顔をしていた。僕が揶揄ってると思ったのか、そんな顔も可愛いけど。いい加減我慢出来なくて、カメラに映ってない事をいい事に唇を重ねたら喜雨の手が不自然に固まる。あーあ、その位置だと映っちゃうのに。

「っ、…いえ、なんでもないです。ちょっと、しろが仕事の話を。」
「伝え忘れてた、ごめんね?」

このままエプロンの中に手を突っ込んで好きにしたらどうするんだろう、なんて考えてしまう。彼女の可愛い声や姿を他人に見せるつもりはないけどお尻くらいだったら触っても映らないしいいかな。起きてから時間が経ってるからもう勃ってはないけど、服越しにお尻に押し付けたら一瞬喜雨の手が握り込まれた。やばい、ちょっと楽しい。本当は此処で後ろから触って、耳とか齧りたいんだけどそこまでやったら多分この子は声を我慢出来ない。でもしたいからそっと耳に口付ける。

「このままシてもいい?」

喜雨にだけ聞こえるように潜めた声を直接耳に吹き込む。コレに弱い喜雨は多分、もうちょっとしたら腰が砕けちゃうから支えてやる。それでも画面の向こうには、変わらず戯れているだけにしか見えないだろう。さて、どうするかな。柔らかいお尻に押し付けたままのソレを意識しているのか、僕のコレが本気だと分かっているのかじわじわと赤く染まる頬に勝ちを確信して笑みが漏れる。


「すいません、しろの通達ミスで思ってたよりも時間がないので、これで終わりますね。」
「ごめんねぇ、うちのくろちゃんをこれからも宜しくどうぞ。」

惜しむコメントが流れていくがもう興味がない。終える為の箇所に触れて配信終了の文字が浮かべばとりあえずもうコレらに用はない。まあ、ハメ撮り自体は魅力的だけど僕以外の人間が見るなんて許されないし、許す気もない。一応、放送用のアプリをタブごと消しておく。

「っあ、ちょ、悟さ…っ、」
「んー?」
「お弁当、向こう置きたい、っ、落としたくないから、」

エプロンを脱がすのがなんだか勿体なくてその上から体を撫でる。直接的な刺激はないだろうけど、昨日散々可愛がったばかりだからきっとまだその熱を覚えていて、持て余してる。さっき押し付けたのがスイッチになってたのかもしれないよね。此処でするのが嫌なんじゃなくてお弁当を崩したくないと言ってしまう辺り、喜雨もその気になってるっぽいし。

「あっち行く?」
「っ、ん…いく、」
「かーわい。」

すっかり腰砕けになってしまった彼女を抱き上げて寝室へと戻る。本当はあのまま、というか立ったままで色々したかったんだけどふにゃふにゃの彼女には難しいだろう。ベッドに寝かすんじゃなくて、ベッドに手をつかせたらいいのか。でもきっと、すぐ砕けるからやめておこう。ベッドに転がすと喜雨が膝を擦り合わせて、腕を伸ばしてくるから一旦良い子にその腕の中に収まってやる。珍しく喜雨からキスしてきて、そのままベロ突っ込んできたから好きにさせる。その間にエプロンの下の、サマーニットに手を差し込んでブラのホックを外す。先端を指の腹で撫でたり摘んだりしてると喜雨が小さく唸る。多分うまく処理が出来てないし、うまく思考をトばせてない。愚図る彼女に何度も触れるだけの口付けを落としながら胸に触れていた手を滑らせ片手でショートパンツと下着を取り払った。僕ってば器用すぎ。


「きもちいでしょ?」
「悟さ、っ、なんで、やぁだ、」
「裸エプロンとかはあんま興味ないんだけど、やらしーね、コレ。」

下着だけ外れてるけど殆どさっきまでと変わらない上半身に対し、エプロン以外は何も残っていない下半身。少しでも動けば見えてしまうと分かっているけれど、刺激を思い出して揺れる腰と膝が止められないみたいだ。可愛くって最高にやらしい、僕の恋人。

「エプロン持ち上げて。」
「っなん、」
「持ち上げたら舐めてあげる。」
「〜ッ、う、うぅ、」


恥ずかしくて仕方ないって顔をして、指先がエプロンの裾を摘む。見えそうで見えない位置で一度止まるけれど、僕が動かないからかまたゆっくりと持ち上げていく。そんな風に焦らすから、自分も焦らされてるのにね。昨日シたばっかなんだし、そんなに隠さなくたって昨日もうじっくり見たのに。晒されたそこが既に濡れていた事にも、理性を飛ばしきれないまま晒した彼女にも堪らなく興奮した。両脚を抱えて、べろりと舌を這わせる。ちゅ、ちゅ、とキスしてるみたいな音を敢えて鳴らしながら吸い付くと腰が弾んで甘い声が聞こえる。あー、ちんこ痛い。可愛い。ちんこ痛い。

少しだけ指で割り開いてから陰核に舌を押し付け、何度も舐め上げる。こうやって此処舐められるの大好きだもんね、喜雨は。コレしたらすぐイっちゃう、でもそれが可愛くてついついダメって言われても続けちゃうんだけど。忘れた頃に陰核も吸い上げたら、喜雨の脚に不自然に力が篭って爪先がぎゅうっと丸くなる。あれ?もうイった?

「きうひゃん、いっひゃ?」
「そ、こで、しゃべ、んないで、…ッあ、イった、ッ、イったから、ぁ!もうだ、めって、ば、ァ、」
「ンー?」
「あ、あ、ッあ、…〜ッ!、は、ンぅ、ア、」

何回でもイっていいのに、ぢゅ、と吸い付けば腰ごと暴れるから咎める為に抱えた脚を抑えつける。快感を逃したくても動けないから、どんどん底なし沼に沈む喜雨はそれでも嫌だと抗う。イきたくないわけないだろうし、小さく痙攣みたいに震える陰核から唇を離して、舌先だけを伝わせる。早く欲しいって言ってるみたいな膣口まで辿り着けば舌をそのまま押し込んでみる。長さは全然足りないけど、これ気持ちいいのかな。軽く抜き差ししてみるけど、指くらいの長さないと厳しそう。


「あっあ、っあ、やあ、さとるさ、それやっ、やぁッ」
「ン、…っは、」
「ううぅ〜っ、んん、ン、もぉ、や、」

でも結構喘いでるから、気に入ったみたいだね。完全に舌を引き抜いてからまた舌先を伝わせる。今度は上に向かって。喜雨は僕がどうするのか分かってるけど動けないのか、分かってて期待してるのか、何もわからないのか。あー、このまんまイかせまくってたらどうなるんだろ。陰核を再度口に含んでから舌で嬲り、指先を膣口に押し付ける。そんなに力を入れたつもりはなかったけどぬるぬるだからか簡単に飲み込んだ。あ、でもこんだけイってたらそろそろかな?と指を根元まで入れるとやっぱり指先に他より少し固い感触が触れる。うん、降りてきてる。とんとん、と一定の間隔で子宮口を刺激してたらとうとうエプロンから手が離れた。…離れた時点で舐めるのやめようと思ってたけど、可愛いから続けよ。

「さと、さとるさ、っも、もおや、やぁ、ッ」
「らんれ?」
「イきたくな、っも、そこで、イきたくない、のっ、ンく、」
「やだ、」

ぐずぐずに蕩けたソコに早いとこぶち込みたい気持ちがゼロではない。むしろもう入れたい。でもなー、まだ此処舐めてたいし。此処舐めてる時が一番気持ちよさそうだし。このままずうっとイかせ続けてたらどうなるのか気になるしなぁ、今日休ませちゃお。僕も休む。折角作ってくれたお弁当はベッドで一緒に食べようね。

「ほひぃ?」
「ほしい、っほし、から、ッぁ、ン、んんん〜っ!」
「ん、良い子。」

口を離して指を引き抜きにっこり笑い掛けると、喜雨が嫌だ嫌だと首を振る。あ、何するか分かったんだ。でもわかってるからって逃げ出せる程の体力も気力も理性もないだろうけどね。僕の唾液と喜雨の体液でぐちゃぐちゃのぬるぬるになったソコに、もう一度指を触れさせる。今度は2本。大好きなお腹側を指先で押し込んだり、擦ったり。喜雨がもう無理だと何度も言うけれど抵抗らしい抵抗は一度もないから、もっと頂戴の方だよね。

「かーわい。」
「あ、ンく、うぅ〜ッ、…っは、ァ!」
「きもちいねぇ、喜雨。」

甘ったるい声が部屋に響いて心地好い。泣き始めた喜雨を見て加虐心が煽られるのを感じながら指を動かし続けていると、喜雨が涙を浮かべたまま僕を捉えて震える手が服越しの僕の性器に触れる。恥ずかしくなっちゃうくらいガチガチのソレを握るわけでもなく、ただ撫でさする程度で焦ったい。でも今の彼女の精一杯のオネダリだから、ノってあげようかなぁ。

「入れてい?」
「ん、ッほし、ほしい、さとるさん、欲しい…っ、」
「ゴムしたくないなー。」
「しなくてい、い…から、」


指を引き抜いてそのままスウェットと下着をずりおろす。性器同士を触れ合わせて軽く揺するとその緩い刺激でも感じちゃうみたい、ぬるぬるしててきもちいね。ゴムなしで良いって言ってくれたからそのまんま、薄い膜を挟まないで刺激を求めてひくつく膣口に先端を押し込む。きゅうきゅうと甘えるみたいに締め付けてくるから僕までイきそう。一気に入れるか、このまま焦らすようにゆっくり入れてくか。下で喘ぐ喜雨の顔を見たら限界が近いのかシーツを握り込んで耐えていた、…一気に入れたらトぶかな。結局労るみたいにゆっくり時間をかけて奥まで押し込んだ。あー、きもちい。

「まだ?」
「いい、へーき、へいきだから、」
「ん、じゃあ動くね。」

腰に絡んで来た脚、コレがあると動き難いんだけど甘えて来てるみたいで可愛いから好きにさせておく。隠すみたいに覆い被さって、キスしながら思い切り揺さぶる。粘着質な水音と甘える高い声、肌のぶつかる音。そんな音たちが鼓膜を揺らす。僕が一から作り変えた体を組み敷いて、好きになるように仕込んだ場所を刺激すれば涙を零して善がるから、頭が沸騰しそうなくらい興奮した。今すぐにでも一番奥までぶちこんで、種付けしたいくらい。


「あー、イきそ。」
「ひ、んん、ぅ、あ…っあ、」
「イってい?奥に出しても良い?」
「いっ、い、いいから、ぁ、ッア、んんん〜ッ!」

迫り上がってくる射精感のまま、奥に叩きつけるみたいに吐精すると同じタイミングでイったのか、ナカがきゅうきゅう締まる。別にそんな意図はないんだろうけど、全部搾り取ろうとしてるみたい。全部欲しいって強請ってるって勘違いしそうなくらい。はー、あっつ。

ずる、と引き抜いたらさっきまで僕を受け入れてたソコからとろりと白濁が溢れてやらしい。もっかい入れたくなっちゃう。

「きーう、生きてる?」
「ン、…いきて、る、」
「もっかいシていい?」
「……や、」
「嫌かぁ。」


適当に掴んだティッシュで性器を軽く拭ってから服を持ち上げる。裸エプロンみたいになってるけど、これ自体にはあんま興奮しなかったや。キッチンだとエプロン姿が魅力的に見えたのにベッドだと違うね。まあ、全くしないわけじゃなかったけど。ぐったりした喜雨の背中と膝裏に腕を回して抱き上げると、浮遊感に小さく体が震えた。落としたりしないのは分かってるのか、ゆるゆると両腕が僕の首に回る。

「お風呂行こっか。」
「……ん。」

ちらりと壁に引っ掛かった時計を見れば8:39を指していて、行こうと思えば学校に行けるだろうけど…すっかり甘えんぼモードだから一緒に居たいと言えば、仕方ないからと口先だけで言って今日一日僕に引っ付いてるだろう。溢れた笑みをそのままに、今日のお昼は膝に乗せて食べさせてあげようと心に決めた。



タルト有馬す。