隙間を埋めよう
※性的描写あり、現パロ
いずれさときうとすぐかけになる
別に深い意味なんてなくて、ただそこにお互いが居たからというだけ。彼は想い人への感情を拗らせていて、私はさっさと未経験というステータスを捨てたかったから利害の一致だった。初めはなんだこのでっかい男、と思ったけれど…人に好かれるような笑顔を浮かべるのに決して隙を見せないから面白そうだと思ったし変な拗れがないような気がして、誘われるままにホテルに行った。安っぽいラブホテルにでも連れて行かれるのかと思ったのに、案内されたのはそれはもう有名なホテル。こういう所が慣れてるんだな、と思ってそれはそれで安心した。お酒も入っていたから冷静な判断が欠けていたのかもしれないけれど、決して悪い夜ではなかったと思う。独りよがりのセックスが多いと聞いていたのに細やかな配慮が散らばっていて不快な想いをすることはなかった。あと、気持ち良かったし。
一度で終わる関係だと思っていたが、行為が終わればどちらからともなく連絡先を交換した。月に一度か二度会って食事をしホテルへ行く、そんな関係が半年程続いている。
「傑さんってモテそうだよね。」
「そうかい?」
「うん、エスコート慣れしてるし…なんかこう、女の子がこういう人を恋人にしたいっていう理想を具現化してるというか。」
「なんだい、それ。」
二人で並んで煙草を吸いながら、思った事をそのまま口に出す。見た目のスペックも高いし、気遣いを気遣いと悟らせない程に自然にやってのける。強いて言うならちょっとセックスがしつこいけれど、求められる事に喜びを見出す女受けは良いだろう。でも傑さんの好きな人って年下の男の子らしい。詳しい事は知らないけれど。
「どれだけ好かれても自分の好きな人間には振り向いて貰えないけれどね。」
「男同士なんでしょ?しかも昔からよく知ってるかなんかじゃなかったっけ。遊んでくれたお兄ちゃん的な。」
「まあ、そうだね。」
「傑さんならなんとかしそうだけど。」
「待て、私のことをなんだと思ってるんだ。」
「ふふ、ごめんって。」
灰皿に煙草を押し付けて火を消すと顎を掬われて唇が重なる。吸ってる煙草の、スパイシーで甘い香りがして、口の中に滑り込んで来た舌がちょっとだけ苦い。私の煙草は甘いから尚更。何度も角度を変えて水音をたてながら舌が絡まる。厚い舌が上顎をなぞるのがぞわってして、気持ちいい。いつの間にか二人の間に置かれていた灰皿が移動していて、再びベッドに押し付けられる。
「ン…もっかい?」
「もう二回、かな。」
「っあ、さっきしたから、へーき、」
割り込まれるまま膝を立てて脚を広げると、まだぬるついた場所に指が触れて反応してしまう。何度も指先を往復されるとぞわぞわして、声が漏れる。身を捩って首を振るけど、気にしてないのか止める気はないのかそのまま指が入ってくる。指が太くて、さっきまでもっと太い物を飲み込んでいた筈なのにキツいと思うのは何故なのか。
「濡れてるけど、喜雨は狭いからね。」
「傑さんのが、ア、お、っきい、だけ…っん、ふ、」
「それは光栄だ。」
まだナカは濡れてるから痛みはない、ぬるぬると水分を帯びて往復する指の腹がざらついた場所を撫でて、意識しなくても節張った指をぎゅうぎゅうと締め付けるのが分かる。気持ちいいけれど、もっと、と思ってしまうのは…はしたないな。でもその気持ち良さを教えたのは傑さんなのだけど。引き抜く時にわざと良いとこ触るのは、癖なのか。
「上に乗るかい?」
「それ下手なの、知ってるでしょ、」
「それが男心を擽ぐるんだろう。」
「よくわかんない…。」
それでも拒否権はなさそうだから、力が抜け始めた体に鞭を打って促されるままに膝に乗り上げる。ご希望は騎乗位じゃなくて対面座位らしい。一々体位の名前まで覚える気はなかったけど仕込まれてしまった、不要な知識だろうに。片手を肩に手を置いて利き手を性器に触れさせ、ひたりと当てる。ぬるついてるせいで滑りそうだけど、お腹に力を入れて少しずつ飲み込ませていく。
「ンぅ、ッあ、ぁ…はい、った、?」
「まだ半分かな。ほら、頑張って。」
「うそだ、って、いいた、っい、」
「触れば分かるだろう?」
本当はわかってるけど、でもやっぱキツいもんはキツい。一回目で私がもう嫌だと泣いて愚図る程に慣らされたから裂けるような事はないけれど、自分でやると難しい。傑さんは本当に、なんの引っ掛かりもなく全部入れるのに。角度の問題なのかな。
「最初だけで良い、もう力を抜いて。」
「ひぁ、ッあ、やだぁ、」
「ほら、全部入った。」
再びぐずりそうになっていたら傑さんの手が下腹部を撫でて、弱い力で陰核を押し潰すから力が抜けて一気に飲み込んだ。お腹破れそう、なんて、非現実的なことを考えてしまうくらいには衝撃が大きい。自分の体重の分、奥まで入ってるみたいで、ちょっとだけ苦しくて。色々な物を散らばせようと必死に深呼吸を繰り返すも傑さんの指が気紛れに陰核を刺激するから、喘ぎ声を漏らすばっかりだ。
「腰が揺れてるね、気持ちいいかい?」
「っあ、ぅ、きもち、い、」
「喜雨ばかり狡いじゃないか、私も気持ちよくなりたいな。」
「ンっ、ふ……うごく、から、触っちゃ、や、」
指が離れて、お尻に触れる。いつでも好きに動けるけど、私が動いている所を見たいらしい。両手を肩に置いて、腰を揺らす。上下に擦ったり、奥まで飲み込んで腰を回していると自分で拾う快感で頭がバカになりそうだけど必死に動く。傑さんは楽しそうに笑うだけ。圧倒的に経験値が足りない、気持ち良く出来てるのかな。余りにも顔色が変わらないのに腹が立って、目の前の頭を掻き抱き後頭部で一つに纏めた髪を結わうゴムに指を引っ掛けて解く。ぱさりと落ちた髪に指を絡めると傑さんが低く笑った。
「喜雨が好きなのはココなのに、なんで避けてるんだい?」
「や!ちょ、だめ、って、ば、ッ」
「どうして?気持ち良いだろう?」
長い、艶のある髪が揺れる。傑さんの手が片方、私の後頭部を捕らえて唇が重なる。咥内に入り込んだ舌と、無茶苦茶に揺さぶられて何が何だかわからない。粘着質な水音と肌のぶつかる音と、私の声が部屋に響く。二人で髪を掻き抱いて口付けてるのが、私はなんとなく好きだった。
「ん、っあ、ぁ、ンンッ、ふ…ぅ、ン、」
「イきそう?」
「い、きそ、…ッあ、や、だめっ、」
子宮口をぐりぐりと押し潰されるだけでもイきそうなくらいなのに、腰を掴んでいた手がいつの間にか陰核を捕らえていて指の腹で転がすように刺激されて膣壁が彼の性器を痛い程に締め付けた。私が達すると同時にどく、と脈打ったけれどまだ、硬く熱いまま。今絶対イったと思ったのに。
「すぐ、る、さん、ッ」
「うん?」
「まっ、れ、ナカ、まだ、ッ」
「イったばかりを暴くのが好きなんだ、知ってるくせに。」
ああもう、すぐこうなる。優しかったのは最初だけで、こうやってすぐに意地の悪いことをするんだから。私に被虐趣味が芽生えたら絶対に傑さんのせい。焦らす時もあれば、こうして私だけ何度も達して終わりが見えない時がある。ほんとに、良い性格してると思うよ。
「やぁ、って、ば、ア、んん、っふ、ン〜…ッ」
「きっ、つ、」
何度目かも分からない絶頂に身体から力が抜けるのに彼を受け入れる場所だけはぎゅうう、と締め付ける。今度こそ、ナカに吐き出されたみたい。最初はゴム付けてたけど、いつだかにピルを飲んでいると伝えてからはこうして付けたり付けなかったり。よくないなぁとは、思うんだけど。ナカに出されるのが好きだからダメとも言えずにいる。
「いっかい、やすみた、い、」
「その前にもう一回付き合ってくれ。」
「ッあ、ン、もぉ、ぜつり、ん、…!」
「はは、なんの事かな。」
少しだけ萎えた性器が吐き出された精液と私の体液の混じった、よく滑るナカを往復して、また硬くなる。復活早いんだって。でもこのセックスに慣れてきてしまった身体はまた浅ましく与えられる快感を期待して勝手に動く。精液が溢れるのが感覚で分かって、なんだか死ぬ程恥ずかしい。気持ち良いけど、羞恥心が煽られるのはどうしたものか。
傑さんは下から突き上げるのに飽きたのか、動きにくかったのか、一度引き抜いてから私の体を俯せにさせる。バックかな、と腰を上げようとするけど上から押さえ付けられた。マジか、と思う。コレは結構、キツいんだけどな。気持ち良すぎる。
ぬぷ、と二人分の体液が混じるナカへと再び入ってくる性器に喉を震わせて声が漏れた。泣いてるみたいな声が出て、それでも背後の男は止まったりしない。これが嫌がる涙じゃなくて、快感から来ていることなんて筒抜けだろうから。傑さんの骨盤がお尻に当たって、全部飲み込んだのを知る。背中から覆い被さるように挿入されたから身動きの一つも取れはしない。ていうかやっぱり、なんの引っ掛かりもない。なんでなのか。
「ぅ、う〜…っ、ン、すぐる、さ、」
「はは、気持ち良さそうで何より。」
笑いながらゆっくりと引き抜かれ、先端の出っ張った部分だけ引っ掛かった状態から根本までを一気に押し込まれるともう悲鳴みたいな声しか出ない。太い性器が無理矢理割開くようなものなのに頭が可笑しくなる程気持ち良くて、随分とよれたシーツを手繰り寄せる事くらいしか出来ずに居ると、手が重なってシーツごと掴まれる。ああ、逃げられない。
「ひ、ぅン、っあ、ぁ、あぅ、ンン〜ッ!」
「っは、またイった?」
「これ、や、って、ッん、ぅあ、」
「気持ち良すぎるんだっけ。大丈夫、私もそんなに長くは持たない。」
うそつきって言いたくなる程余裕そうな声、でもナカで好き勝手に動くのがどんどん激しくなるから終わりにはしてくれるつもり、みたい。もう殆どなにも考えられないから、終わってほしい。でも、気持ち良くて。
「ンぅ、あ、きゃう、ッう、ンンン!」
「ッ、」
もう一度、奥の奥で吐き出されて、子供が出来そうだってぼんやり思う。そんな事にはならないと分かっているのに。
「大丈夫かい?」
「へいき…。」
ちゃぷん、とお湯の動く音。完全に足腰の立たなくなった私を抱き上げお風呂場に連れて来てもらい、ナカに吐き出された白濁たちを流して湯船へと浸かった。指を突っ込まれて掻き出されたのはまあ、仕方ないけど恥ずかしいので自分でしたいところではある。
「そういえば、傑さんの好きな人ってどんな人?」
「珍しいね、ヤキモチ?」
「そんなわけないでしょ。ちゃんと聞いた事なかったと思っただけ。答えたくなければいいけど。」
「うーん…じゃあ伏せようかな。少なくとも抱いてる時はあの子の事は考えていないしね。」
「ふうん?」
「そういえば、親友に喜雨を紹介して欲しいと言われているんだ。今度会って貰えるかい?」
「いいですよ。」
「なんなら付き合ってやってくれ、アイツの周りにはまともな女がいないから。」
「自分のセフレを親友に紹介して付き合うどうのの話が出て来るのヤバい自覚ある?」
ふふ、と二人で笑い合って指を絡める。傑さんとはまあ、いいセフレだと思うけどこれ以上もこれ以下にもならなくていい。それでもやはり何度も肌を重ねたからか、いつかこの人の恋心が叶えばいいななんて思う。いつか彼が想い人と付き合った時に彼とのアレソレを先にしてしまった事は申し訳ない気もするけど…どうせ会う事もないのだから気にしなくていいか。考えを打ち消すように、戯れるみたいにキスをして、指に髪を絡めた。
彼の想い人が私の親友だったことを知るのは、もう少しだけ先の話。