性描写あり




「おいで、ジューリオ。」

ぽんぽん、とベッドを叩くボスに小さく頷いて少し距離を開けて腰を下ろす。ボスは笑うだけで咎める事もせずにただわたしの頭を撫でるから立てた膝に顔を埋めて体を出来るだけ小さく纏めて束の間の穏やかな時間を過ごす。ベッドに呼ばれた、と言うことは多分、そういう事をするんだと思う。今日ボスの機嫌を損ねるような事はしていない…筈だから、多分優しくしてくれる。でも優しいだけではないだろうし、それだけだと物足りないとすら思いそうになってしまって困る。



ボスの手は相変わらずわたしの頭を撫でていて、もしかしたら今日はしないのかな…なんて少し残念なような、なんとも言えない気持ちになったけれど、ちらりとボスを見上げるとその表情は最近見慣れたその顔で思わずごくりと生唾を飲み込む。薄く開いた唇から音が鳴る前にボスの指先が言葉を拒むように触れる。…どうしよう。こんな時みんなならどうするのかな、ぐるぐる思考を巡らせるけれど一度合わせた目から視線が逸らさない。食べられてしまいそう、嫌ではないけれど。

「…ジューリオ。」


あ、これ触っていいよっていう合図だ。少し甘さを含んだ…けど、逆らえない緊張を感じる声。触りたい、とか本当はよく分からない。けど、ボスやジェスタたちに触れると胸の所があったかくなるから好きだった。特にボスは触れれば触れるだけ反応をくれるから嬉しくて、少しだけ楽しい。でも実際、いつもあまり楽しんでいる余裕はなくて必死になってしまうけれど、ボスは良く出来ましたって褒めてくれるからそれが嬉しくて好き。何が正解か分からなくていつも探り探りだけど、正しい答えを教えてくれるのが分かってるから人肌に触れるって事は怖くはなくなった。

そろりと手を伸ばしてボスの頬に触れる。わたしの手は身長に見合ってるからか大きい方。だからボスの頬に手を添えてるつもりでもボスの顔半分すっぽり覆う事ができる。確か、最初は…優しく色んな所を撫でる、だった筈。頬を撫でて髪に触れて、もう一個の手で背中をさすってみる。ボスは擽ったそうに笑うだけだから間違えてはないみたいで細く息を吐いた。本当はボスの胸元に顔を埋めてぎゅうってして貰うのが好きなんだけど…それは上手に出来た時しかしてくれないから頑張らなきゃ。ボスの体はどこを触っても柔らかくてあたたかい。人肌に触れたくなるけれどまだ素肌に触っていいよって言われてないからぐっと堪えて至る所を撫でる。触りたいな、既に触ってるのにそんな感情で頭がいっぱいになって居たらボスが少しだけ動いてぷち、とジャケットのボタンを外す。

待ち望んで居たお許しが出たから手が震えないようにしながら残りのボタンを外して肩からジャケットを落としたらインナーから見える胸の谷間を見た瞬間抱き着きそうになるのを必死に堪えてベルトへと手を伸ばす。するするとパンツスーツを脱がせれば真っ白な脚とネイビーの下着が目に入って、くらりとする。肌が白いから濃い色だと目に毒だと思う。似合うから何も言わないけれど。ボスは気にしてないみたいでさっさと上に着けていた衣服を脱いでいて隠された場所はなくなった。


ボスの首筋に軽く音を立ててキスしたら小さく、その薄い肩が震えた。柔らかな皮膚は陽に当たる事がないからか真っ白でとても手触りが良い。もっと触ったらこの白い肌が薄く色付くんだよな、って記憶を辿ったらずくん、と下半身が痛んだ。じくじくと熱を持ち始めたのは火を見るより明らかで早くもっと触れたくて、早くボスの中に入りたいなって思った。太腿に手を滑らせて膝の上辺りから足の付け根までそっとなぞる。びくりと震えるとボスが喜んでくれたのかなって思えて、そうしたのがわたしなんだと思うとなんだか嬉しくて続ける。

「ん…っ、ジューリオ、こっち触って?」

ボスの小さな手がわたしの手に重なり、下着まで導かれる。クロッチ部分に指先が触れると僅かに濡れていてぞくぞくした。ぐっ、と指を押し付けるとボスの口から熱を含んだ吐息が漏れてじわりとまた下着を汚す。どこが一番気持ち良いかな、痛くないかな。ぐるぐると思考を巡らせながら横から指先を入れる。穴に触れるとそこはぬかるんでいて指先を添えれば飲み込むみたいにぎゅう、と締まってそのまま指をナカに入れたくなるけどまだその許可は出ていないからぬるぬると水分を絡ませた指先を上下に動かす。硬くなった陰核が主張してるから重点的にそこを擦り、痛みがないか不安で顔を覗き込むとボスは楽しそうに笑っていて小さな唇を軽く開いた。

一度下着から手を抜いて指先をボスの目の前に差し出すとボスの赤い舌がわたしの指に触れてぱく、と口内に含まれる。唾液が指に絡み、じゅぷ、と音がした。じゅぷ、じゅる、と水音が部屋に響いて思わず膝を擦り合わせてしまう。はやく、はやくふれたい。触れてほしい。は、と漏れた吐息を合図にボスがわたしの指を解放する。ボスの指先が下着に触れ、ネイビーの下着がゆっくりと降ろされる。何度も目にしたそこが晒されて、凝視してしまう。下着とボスを繋ぐ銀色の糸が切れたのを見てからボスの顔へと視線を戻すと笑顔を向けられてわたしの瞼に唇が触れる。ゆっくりと指を先程まで触れさせていた場所へ戻して、唾液を絡ませた指をボスの膣へと潜り込ませていく。暖かいそこに包まれるとぎゅうと胸の奥が締め付けられて無意識に息が乱れる。

痛みを与えないように少しずつナカを刺激していけばざらりとした場所を見つけて、そこを指先で押すようにすればボスが甘い声を出す。ここ、確か、ボスの好きな所。一定のリズムでそこを叩くように刺激するとボスの腰がびくりと揺れて膝が震える。耳に届くボスの声が追い詰められたみたいな声になって指がぎゅうぎゅう締め付けられるからきっと限界が近い、のかな。もう少しだけ続けてみたらボスの体が大きく揺れてナカが一瞬締まった後、弛緩する。刺激しないようにゆっくりと指を引き抜くと酷く濡れて少しだけ指がふやけて居た。

「っ、ふ…ジューリオ、上手。良い子、良い子。」
「上手に、出来た?」


じ、と見上げればボスが腕を伸ばしてそっと胸に抱え込んでくれて、少し汗が滲んだ肌に触れていつもより早い心音が聞こえる。その背中に腕を回してぎゅうって抱き着いたら髪を撫でて貰えた。嬉しい。うっとりと目を細めるとボスの手がズボン越しにわたしの陰茎に触れて大きく体を揺らしてしまう。入れても良いみたい。

名残惜しいけど少しだけ離れて自分のズボンと下着を脱ぐ。上を向いた陰茎にボスの手が触れてゆっくりと包まれ二、三回扱くと硬度が増した。ボスはそれに満足したのか手を離してベッドへと横になった。今日は、ボスが上じゃないみたい。珍しいなって思うけど、ちょっとだけ嬉しい。初めて最初から任せてくれるから失敗はしたくないな。


ボスの膝裏に手を回して脚を抱え込み、解れたそこへと陰茎を押し付けて少しずつ腰を進める。すぐにでも果ててしまいそうなくらいナカは気持ち良い。あったかくて、ぬるぬるしてて…でも逃がさないと言わんばかりにぎゅう、と締まるから必死に唇を噛んで耐えた。こつん、と奥に触れた所でわたしの骨盤とボスのお尻が触れて全部ナカに収まったのを感じる。でもすぐには動いちゃダメって言われてるからきゅうきゅう締まるナカでじっと耐える。人より大きいからすぐに動いたら痛いのよって、言ってた。だから我慢する。

「ふ、う…っ」
「ボス、大丈夫…?」
「だい、じょぶ…、ふふ…ジューリオ、おいで?」

ボスが呼ぶから抜けないようにしながら上体を倒すとボスの腕が首に回ってぴったりと密着した。耳にボスの吐息が触れて少しだけ擽ったい。……動きたい、な。

「ボス…。」

お強請りしようと口を開くとボスが耳元で笑った。

「まだダメ。」

もう動いても痛くない筈なのにボスはダメって言う。ダメって言うのにナカは締まるしあったかい。無意識に少しだけ腰が動いてしまったけどボスの脚が腰に回って一番深いところまで入った状態で動けなくなってしまった。

あったかい、気持ち良い、もっと欲しい…もっと、もっと触れたい。ボスの少し硬い、奥の部分にふれたい。寒いから出たくないと思うのに、でもそれ以上に擦ってしまいたい。ボスから漏れる嬌声が聞きたい。…良い子に、してたのに。もっと気持ちいいが欲しい。こんなに欲深くしたのはボスなのに、ダメっていうから…でも、もっと欲しい。ぐるぐる、ぐるぐる。熱は腰の辺りで渦巻くしどんどん思考が薄れていく。はやく、はやくいいって言って。もっとって、求めて。

「ボス、やだ…やだ、うごきた、い…やだ、このまま、やだよ…。」
「よしよし、泣かないの。」

じわりと滲んだ涙をボスの指先が拭うのにまだいいよって言ってくれない。優しい手付きなのに、ひどい。脇腹に触れる柔らかな太腿にすら感じてしまいそうになる。

「……ぼす、も…っ」
「こーら。ダメよ。」

うごきたい、のに…。あったかいけど、足りない。

「………ジューリオ。」


びくっ、と肩を揺らす。ちょっとだけ、怒ってる?ダメって言うのに動こうとしたから?でも、でも…もう、怒ってるなら…、


ずるりと陰茎を引き抜いて奥まで一気に戻す。ボスの体が大きく揺れて制止の声が聞こえたけれど一度動いてしまったらもう止まれなかった。ぬかるんだソコはよく滑り、動きを助けてくれる。何度も何度も暴いたボスの体、善いところはちゃんと知ってるからそこを狙って腰を動かす。

「あ、あ…っ!じゅ、だめ…、ってば、っ」
「ボス、…きもちいい?ここ、ぎゅうってしてる…ボスも、もっとって、言ってる。」

奥まで押し込んでぐりぐりとこねるようにするとボスが首を晒して首を左右に振る。髪が乱れて白いシーツに散らばってボスの頬に涙が伝うのをぼんやりと見ていた。でも、もう止まらない、から。腰の方からボスの背中に腕を伸ばして肩を抑えてずり上がらないようにして何度も何度も打ち付ける。肌と肌が触れて乾いた音が部屋に響いて、その中に水音も聞こえる。

「っ、あ…んん、ふ、うっ…、」
「…りあ、まりあ…きもち?おしえて、まりあ、。」


ぎゅう、と唇を噛んで何度も押し寄せた射精感を堪える。ボスはうるうると涙を浮かべて首を振ってイヤイヤってする。見慣れなくて、かわいいなって思った。出したい、ボスの奥に全部出してしまいたい。

「きも、ち…っから、」

ぎゅうううって、胸を掴まれたみたいになった。ボスが、気持ち良いって言ってくれた。それだけで必死に堪えたものが堰を切ったように溢れ出てきて耐えられない。

「も、でる、でちゃう…だす、ね?」
「い、から…っ、おく…ちょーだい、?」


さっきまで動きを止める為だった腰に絡んだ脚が少しだけ力が緩んだけど、自分から奥まで入り込んでずっと耐えていた射精感から解放された。どくどくと脈打って、ナカに一滴も残さずに出し切る。少しだけ腰を揺すってから、ゆっくりと引き抜くともうボスは何も言わなくてただぴく、と小さく体を揺らす。さっきまで入ってたところからつう、と白い液体が溢れてまたぞくぞくした。また、入りたい…いっぱい、欲しい。

でも、それは叶わなかった。


「……ジューリオ?」
「ひっ…!」

ボスの声に怒りが含まれていた。あうあうと、目線を泳がせるとじい、と下から見上げられる。その目に感情は見えなくて怖くてじわじわと目に涙が溜まり始めたところで腕が伸びて来て目を強く瞑ると額に軽い衝撃が走る。

「…悪い子。」

ふふ、と笑う声が聞こえてそっと目を開くとボスは笑顔だった。怒って…ない?

「ごめん、なさい…。」
「良いのよ。意地悪しちゃったもの。」


ボスはゆっくりと起き上がって一度わたしを抱き締める。ぽんぽん、と背を叩いて頬に口付けられた。怒ってないみたいでそっと胸をなで下ろす。

「…ジューリオ、ジュゼッペを呼んで来て?」
「ジュゼッペ…?」

何故かはわからないけれどとりあえず頷いて、軽く陰茎をティッシュで拭い脱ぎ散らかした服を身に付けてベッドから降りる。そのままジュゼッペの部屋へと足を運ぶことにした。


「………さーて、どうしましょうねえ。」


ボスがそう言ってた事は、わたしは知らない。



/ きなこ
この後ジュゼッペが八つ当たりセックスに付き合います