中編:The Sadistic Revenge







「〜〜〜♪」


鼻歌を歌いながらスーパーで買い物


「ん〜、何にしよう?
カレーでいいかな?」


彼の美味しそうに食べる顔が目に浮かんで
カレーに決めた。


「ふふふっ、早く帰ろ♪」


にやにやしちゃう。


今日は遅くなると思ってたけど
意外と仕事が早く片付いたから

祐也には内緒で彼の家にカレーを作りに行く予定。






ーーーー
ーー


彼の家に着き、ドアを開けようとすると
鍵が閉まっていて


「あれ?祐くんいないのかな?」


合鍵をカバンから出し
鍵を差し、回してドアを開ける



すると玄関には祐くんの靴。




見知らぬハイヒール。


(……だれの、これ…)


リビングもキッチンも真っ暗で


(…大丈夫、だよね)






寝室へ繋がる廊下へ出ると
なにか変な音のようなものが…聞こえてきて


(…………やだ…)


私はゆっくり寝室へ近付いていく
近付けば近付くほど音は大きくなっていて


音というより…声で。


寝室の前まで来ると
もうその音の正体はわかってしまって


泣きそうになりながら

ゆっくりとバレないように少しドアを開ける


そこには
全裸の男女。

上には女がいて
祐くんに跨って



大きな声を上げている





しかも その女は


「…祐、子……?」


私の親友の祐子

彼の上で私の親友は腰を振っている


涙さえも出なくて


私はその場に座り込む


まだ聞こえてくる
不愉快な声


[あっ、あぁん…]


信じられなくて

悔しくて


吐きそうで



私はよろよろの足でなんとかその場から離れ



リビングの机に

合鍵と書置きを残し

彼の家を出ていく






「……っ…ばいばい」



___バタン










祐也side



『うぅ……はぁ…』


目を覚ますと目の前には

俺の上に跨って腰を振る女。



___は?だれだこいつ


ガンガン響く頭で必死に状況を整理する。



たしか…


俺はさっきまで……



ーーーーーー
ーーー




ピンポーン


『あれ、菜穂かな?
今日来るって言ってなかったのに…』


菜穂は俺の彼女の名前。
だけど……


ガチャ

『おい、なほー。来るなら連絡くれても……』


___は、だれ?


[どーも{emj_ip_0177}]


『……えーと、どなた?』


[ひどぉーいっ、忘れちゃったんですかぁ?]

頬をぷくってさせてぶりっ子ポーズ…

あ、もしかして……









『祐子、ちゃん?』


[そーですそーです{emj_ip_0177}]


たしか菜穂から親友って紹介されて…

第一印象が
“ぶりっ子” だったんだよなぁ…
喋った瞬間苦手って思ったわ そういや。


『……で?どうしたの?
菜穂ならいないよ』


[祐也くんに用があって来たんです{emj_ip_0177}]


『…………なに?』


[まあまあ、あとでゆっくり{emj_ip_0177}
あ、おじゃましまーす]


ってずかずかと部屋に入ってきた


『ちょっ、おい!』






……ま、菜穂の友達だし大丈夫だろ…
ってかなんで俺の家知ってるんだ?
あいつが教えたのか?
俺この子の話菜穂にしたことないんだけどなぁ……

なんて頭を抱えていると




[あ、コーヒー淹れていいですかー?]


『あ、ありがとう
えっとね、カップはここで砂糖は…』


[おっけーです!わかりました!
出来たらリビング持っていきますね!]


『あ、ほんと?んじゃよろしく〜』


[はぁーい{emj_ip_0177}]





やっぱり、ぶりっ子は嫌いだ。





[お待たせしましたぁ〜]


『あ、ありがとう』


[…どうです?]


『ん、普通にうまいよ』


[……そうですか、よかったあ]


『どうして俺の家知ってるの?』


[菜穂に聞いたからに決まってるじゃないですか〜]


『ふーん、やっぱそうか。
あ、そーだ。なんで今日はきたの?』



[………あー、ちょっと








菜穂に復讐したくて]



『……は?…何言って……んぐ…うっ、』


視界がくらくらして歪み
うまく喋れなくなる


[……これ効くの早いですねぇ]


手には小さな瓶


『お、まえっ……』


[菜穂が悪いんだよ]


『……はぁっ……?…』



朦朧とする意識の中
ニヤリと女が勝ち誇ったように笑った気がした




ーーー
ーーーーーー






そして、今に至るわけか……

こいつに変なもん飲まされて

気失って


で、なに、なんで俺とこいつはやってるんだよ



『……おい』


[んぁっ、はぁ……起きたんですか?]


『俺から降りろ』


[も、ちょっとで…いきそう、なんですよっ……]


『はぁ?お前、何言ってんだよ』


女の腰の動きは激しくなる。けど
俺は全く何も思わなくて。


[んぅ、はぁっ……あぁん!!]



ビクビクっと体を震わせた


『何してんの?お前』


[……もう用事は済みましたから。

あなたにももう二度と会いません。]


何言ってんの?
もう、なんかどうでもいい…


『わかったから、早く出てけよ』


もそもそと服を着る女。
すべて着終わると


[じゃあ、さようなら{emj_ip_0177}

復讐は完了しましたので{emj_ip_0177}]



と寝室を出ていった



『復讐……』


そーいえば俺が気を失う前にもそんなこと言ってたな…
俺とやることだったのか?

まぁいいや


とっても気分が悪い。






あぁ、ただひたすらに



『早く菜穂に会いたい。』











祐子side




[絶対に…許さない。]




私はいつか絶対にあの女……
菜穂に復讐すると決めた。


彼を奪われたあの日に…




一年前


私には大好きな彼がいた

名前は加藤シゲアキ。


[シゲアキ〜!]


加「うっせ、なんだよ…笑」


「もー、ほんと祐子と加藤くんって仲いいよね!羨ましいよ〜」


[えへへ〜やった{emj_ip_0177}]



彼氏のシゲアキ、
親友の菜穂がいて

毎日幸せだった。


でも

あの日から


私は笑顔を失ってしまった




ピピピピッ……ピピピピッ…



部屋に鳴り響く



規則的な

機械音




ベッドには

私の愛する彼が眠っている



隣には菜穂の姿。


「ご、ごめんっ……祐子…」


その場にいなかったから詳しい事は私は知らない。

でも

菜穂を助けようとしたシゲアキが代わりにトラックに轢かれた

ということだけは知っていた


そもそも

私がいないところで
二人で会っていることが意味がわからない


「あのねっ、祐子の誕生日プレゼントを選んでてね……っ」







なーんて菜穂は言っていたけど


そんなの嘘に決まってるよね


シゲアキが

私以外の女と二人でデートに行くわけがないでしょ?



菜穂が、あの女が嘘をついたんだ

シゲアキの意識がないことをいいように言って



も、もしかしたら

シゲアキにフラれて菜穂がシゲアキを殺そうとしたとか…



許さない。




絶対にゆるさない。






菜穂への怒りが湧き上がってきた頃


急に嫌な音が部屋中に響いた。

私にもわかる



シゲアキの死にかけの音



医者が慌てて部屋に入ってきて

シゲアキの体を見てるけど


もうきっとダメなんだと思う



菜 穂 の せ い で 。








【非常に残念です……】


という医者の言葉


それを聞いたこいつは


「そ、んなっ……ご、ごめ、ごめんっ祐子……

私のせいで……加藤くんがっ…」



そうだよ?菜穂のせいで

シゲアキは死んじゃったんだよ?



[……いいの、菜穂が無事でよかった]



私うまく笑えてるかなぁ?





わかってるの?ねぇ、菜穂?



私は

あなたを一生許さない。




復讐しようね。

ね、シゲアキ…





それから半年

何気なく生きてる毎日


退屈で退屈で仕方なかった



そんな時





「祐子っ!聞いて!私彼氏ができたのっ{emj_ip_0177}」


はぁ?


あんたは私の彼を奪っといてよくそんなことができるよね


[そうなの?おめでとう{emj_ip_0177}]


そうだ、復讐の時……?

菜穂の彼へ復讐しろって合図なの?


[ねぇ、私にも紹介してよっ!]


「んぇ?いいよ?」


[やったぁ{emj_ip_0177}楽しみにしてるね{emj_ip_0177}]


ギュッと菜穂に抱きつく









「わっ、ちょっと祐子〜笑」


[えへへ〜{emj_ip_0177}]








大丈夫だよ、シゲアキ。



絶対に





失敗なんてしないから____





数日後



紹介してもらった

菜穂の彼は

とってもいい人だった。


見た目は金髪でチャラそうだったけど


復讐するのをやめてしまおうか と悩んでしまうほど


いい人だった。




でもやっぱり

私の "菜穂への怒り" は収まるわけがなかった



[なーんか、二人ラブラブだし私は先に帰りますねぇ]


「えっ!いいのに…」


[いやいや!じゃあね菜穂〜、手越さん!]




二人に背を向けて歩き出す。

少し離れたところで私はふたりを見張る。


仲良さそうにお喋りしちゃって…




しばらくして



あ、手越さんが立ち上がった

もうそろそろ帰るかな








手越さんは菜穂を家へ送ってから家へ帰っている



絶対に手越さんの家を突き止めてやるんだ。



時々、彼は立ち止まって後ろを振り返るけど


間一髪のところで私はうまく隠れられた。



そうこうしているうちについたのは

マンションで。



[なるほど、ここね。

ありがとう手越さん{emj_ip_0177}]








数日経っても

未だに私は復讐方法が思いつかないでいた



すると

「今日ね、時間が出来たからこっそり彼の家に行って

ご飯作ろうと思うんだ〜{emj_ip_0177}」




と菜穂が自慢してきた。



そうだ、いいこと思いついた{emj_ip_0177}










そして

私は今、菜穂の彼


手越さんに跨り腰を振っている



彼は気を失ってるけど

睡眠薬には媚薬も入ってるらしいから寝てても問題はなかった



早く菜穂来てよね〜〜
なんて考えていると


ガチャ


玄関のドアが開く音がした





菜穂に聞こえるように私は
大きな声を上げ始め


[あっ、あぁんっ{emj_ip_0177}]


もちろん、何も気持ちよくなんてない


彼の事は嫌いだし

だけど

菜穂はもっと嫌い{emj_ip_0177}


復讐できるならなんだってやってやるわ




ゆっくりと足音が近付いてきて


私たちのいる部屋のドアを開ける


私は今まで以上に高い声を出す。








ねぇ菜穂?見てる?うふふ、


あなたのだーいすきな彼と親友の私が

しちゃってるのよ?



どう?その気分は{emj_ip_0177}




菜穂が見てると思うと興奮が止まらなくて

もっともっと絶望して
もっともっと私と彼を嫌いになって欲しかった


すると

ドアが閉まる


えー!今からなのにぃ!!!
もー……








『……おい』



げ、起きちゃった

まぁいいや、菜穂が見てる時に起きなくてよかった



[んぁっ、はぁ……起きたんですか?]


『俺から降りろ』


なーんて、
なんでそんなに冷静なんですかね?

もー菜穂は見ちゃいましたよ?


まぁ、どーでもいいけど。


[も、ちょっとで…いきそう、なんですよっ]


『はぁ?お前、何言ってんの?』


はぁ……うるさい男だな、

私は腰のスピードを早くする


あっ、気持ちいいかも、?


[んぅ、はぁっ……あぁん!!]


あ、ほんとにいっちゃった……


『何してんの?お前』


[……もう用事は済みましたから。

あなたにももう二度と会いません。]


あなたとやってるところ菜穂が見てくれたし……ね


『わかったから、早く出てけよ』


物分かりのいい人で助かるわ






[じゃあ、さようなら{emj_ip_0177}
復讐は完了しましたので{emj_ip_0177}]


と言い残しバタンと寝室のドアを閉める


さっき玄関のドアが閉まる音がしたし

もう菜穂はいないはず。



リビングに行けば

机の上に


「もうあなたに会いたくない。祐子とお幸せにね。
連絡先も全部消して着信拒否にしたから。さようなら。

菜穂」



という書き置きがあった。









その書き置きの隣には




合鍵。


ふふっ、これこれ{emj_ip_0177}

私が望んでたもの……


絶望に追いやられた菜穂の顔を想像するだけでゾクゾクする……{emj_ip_0177}


私は書き置きと合鍵を手に取り

カバンの中へしまう


バタンと菜穂の彼の部屋を出て

近くの池に合鍵を捨て
書き置きをライターで燃やす。







ふふっ、証拠隠滅
これでやっと復讐は完了

菜穂は手越さんに軽蔑し
別れを告げた

けど何も知らない彼は菜穂からの連絡を待ち続ける……



[ふふふふふふふ…きゃはははっ!]



笑いが止まらない。
はぁ、これでもう何も思い残すことは無い。



[シゲアキ…今から行くからね……]



















私は



赤いライトが点滅する踏切へ走り出した____





じゃあね、菜穂。
待っててね、シゲアキ。





________グシャ







end










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