4つの約束


4つの約束





私は、人の名前を覚えることができません。
そういう病気らしいのですが、別にそんなことはどうだっていいんです。仕方ないことなんだから。
だから別に、わざわざ知り合った人全員に説明しているわけじゃないんです。そんなのしてると、キリがないでしょう?

ま、そのおかげで知り合いはどんどん私の元を去ってゆくのだけれど。


「いわゆる独りぼっちって、本当に私のことなんだろうね」






それに私は



自分の名前もわからないのです。





それが理由でいじめられたこともありました

最終的には、クラスでもいないものの扱いだったけどね。






「ねぇ、どうして私の名前覚えてくれないの?友達じゃないの?」


あの子の名前は、何だったかなぁ


「俺たち付き合ってるんだろ?名前で呼んでくれよ」


なんとなく付き合ったあの人もそう言ってたなぁ



「もう嫌!何回も何回も
"私の名前ってなんだっけ"って、
なんなの?私たちがつけた名前がそんなに嫌なの?」

「お母さんもう無駄だよ!この子はそういう子なんだから、」



……ごめんなさい、お母さん。お父さん。
お姉ちゃんも。名前は、わからないけど。


……


でも、たった一人
こんな私に怒鳴ったりも怒ったりもしない人物がいた。
名前はわからないから
"病院で寝てる人"って自分の中で呼んでるんだけど。


『俺の名前は____』


「ごめんなさい、私人の名前覚えられないの」



『ふーん、そうなの?
でも一応自己紹介ぐらいしとかないとな
____です、誕生日は7月11日ね、あとは血液型……』


「もういいです、大丈夫(笑)」




初めて話したことは覚えているのに、名前の部分だけがぽっかりと

穴が空いたように頭の中で再生される。


いつもいつもそう。


『君の名前は?』

「えーーっと……わ、わかんない…」

『なーにそれ、記憶喪失みたい(笑)』

「まぁそんな感じだよ」

『…そうなんだ、』

「親に聞いたらわかるよ!」

『……そうか、お前も大変なんだな』


なんて、何故か彼の方が
悲しく微笑んだ。






時は過ぎ、
彼と出会って今日で二年目。
自然な流れでお互いを好きになり、
一年目で告白されて付き合うことになったけれど、デートなんてしたことないし
手も繋いだこともない。


「それでね!」

『うん……それで?』


クスッと微笑みながらも、私の話をきちんと聞いてくれる、優しい彼。

白い部屋に、白いベッド。
無数のチューブが君の命を繋いでいる。


「……ずっとこうやって、君と話していたいなぁ」

『…何言ってんの?』


上半身を起こして腰まで布団をかぶった君が目を歪ませて

少し、
笑う。




「ねぇ、私と3つの約束してよ」


首を傾げたが、笑顔で頷いた。


『なに?なんでもどうぞ』

「その1」

『はい』

「美味しいもの食べに行こう」

『…………ここから出られないよ、俺は』

「………最後の最後まで私と一緒にいて欲しいの」

『いつかそういう事言うと思ってた。……最後が君なら、悔いはないよ』

「あなたの時間を、私がもらう」

『…………やっぱここにいようかな』

「は!だめ!!ずっと前から決めてたの!あなたと初めて出会った日付に、って
もう、覚悟はしてるし、大丈夫だから。怒られるのは私だもん。」


『はいはい、で?どーすんの?』

「着替えて今から行くよ」

『今から?まじか』

「うん、時間ないもん」


"時間…"
腕時計をちらりと見た彼は


『朝の10時』

「知ってるよ」

『…そっか』


彼の手を引き走り出す。
後ろから誰かの叫ぶ声が聞こえたが

そんなの知ったこっちゃないね。




______
____



少し走ったところで眺めのいいカフェへ入った。

『ここ美味しいものあるの?』

「うーん、初めて入ったからわかんないっ☆」

『なに、舌なんか出しちゃって』

「てへぺろ☆的な?」

『頭コツン☆的な?』


"ぷっ"
二人して吹き出して、お腹を押さえながら笑う。


「頭コツン☆ってなに……(笑)」

『て、てへぺろ☆…………ぐふっ、』

「照れたら負けだよ?こーゆーのは(笑)」

『てへぺろ☆』


なんて舌を出すから



「あははは(笑)きっもい(笑)」

『おいおい、』

「ふふふふふ、何頼む?」

『俺はコーヒーでいいよ』

「えー、じゃあ私はサンドウィッチにしよう」

『……トーストのコーヒーセットにしよう』

「朝は食べないとね、」


注文を済ませ
彼が水を飲む姿を見つめていると


『……んだよ、見すぎ』

「喉仏ってかっこいいなぁって」


"ゴクン"
と、わざと喉を動かし また水を飲んだ




「…超かっこいい」

『ふは、変なやつ』


"失礼します、お待たせいたしました"
とトレイが2つ運ばれてきた。


「うわぁぁあ美味しそう」

『……サンドウィッチひとくち頂戴』

「えー?仕方ないなぁ」


ぱくり、噛み付いて


『ん、こんなうまいの初めてかも』


なんて微笑む。


「コーヒー頂戴」

『え?苦いの飲めるの?』

「……のむもん」




そう言ってはみたものの
やっぱり、苦手なものは苦手。


「うぇえ」

『あはは、ぶっさいく(笑)』

「……きらいだ」

『べつにいいですよーだ』

「…その2」

『おお、急に来た』

「デートをしましょう」

『……これはデートじゃないの?』

「れっつごーとぅーざ」

『…近場で頼む』

「ゆうえんち!!!!」



『おおお……行ったことないや
ってか今んとこすべてが初めてだわ』

「……あなたの初めてが私だなんて/////」

『…………』


何言ってんだこいつ、みたいな目で見つめられ
サンドウィッチを口に放り込む。


「……よし!早くコーヒー飲んで!行くよ!!」

『うーわ、スルーしやがった(笑)』

「もー!いいから!早く!!」


"はぁぁあ…"
なんて言いながらも渋々ついてきてくれる。なんだかんだ優しいんだ。

電車に飛び乗り三駅ほど進んだら


『……ついた』

「よっしゃ楽しも」



『俺あんま絶叫系乗れないよ』

「…………いいこと聞いたな
あれ行こー!!!」

『はっ?しょっぱなジェットコースター?』

「……うん{emj_ip_0177}」

『まぁじかよぉ……』


ぶつぶつ文句を言いながらもついてきてくれる。


『絶叫系あんまりだ、つってんのによぉ……』

「君の嫌がってる顔が見たいの{emj_ip_0177}」

『……帰っていい?』

「だーめ、あなたの時間は私のものですう」

『ちっ、寝よっかな』



「なっ、だめだよ!!!!!」



両肩をがっしり掴み、彼の瞳を見つめた。
その目は、まんまるに開いてる。



『びっくりした、、冗談だよ
せっかくのデートなのに寝たらもったいないじゃん』

「ご、ごめん……そうだよね」

『……ったくそんな顔すんなよ。
せっかくのデートだろ?』



"ん"
なんて手が伸びてきて

彼を見つめると


『…もー、わざと?』


なんて少し頬を染めて無理矢理私の手を取った。


「ふふふ」

『んだよ』




「すき」

『……俺も』

「あ、あなたもジェットコースター好きなの?
じゃいっとく?」

『…………おれはおまえがきらいだ』

「うそうそ、ほかんとこいこ(笑)」



______
____



「ね!プリクラ撮ろうよ」

『は?なにそれ』

「…………写真」

『写真?いいよ』

「はい200円出して〜」

『は!写真に200円も?』

「1人200円だから400円だね!」




"たかが写真に400円……しかもプロが撮るとかじゃなくて機械だし……ぼったくりじゃね……"

ブツブツ激しい独り言

"準備はできたかな?撮影するよ!"


『えっ、なに?もう撮るの?』

「そうそう、ほらポーズとって!」


"さん にー いち"

眩しいフラッシュと共に鳴るシャッター音


『え、なに?撮れた?』

「きゃー!あはは
事故ってる(笑)」

『え、うっそ半目』

「はい次行くよ!」






……

『……疲れた』

「君との思い出が増えたね〜」

『……ふ、嬉し?』

「…………うん」

『てかさ』

「ん?」

『遊園地飽きた』

「はっえ……」

『まだ時間いっぱいあるしさ、いろんなとこ行こう』

「……ん、君が決めていいよ」

『ん〜……』






______
____


「なんでここ?!」

『俺が決めていいつったじゃん』

「そ、れはそうだけどぉ〜…」

『ほらほら、静かに本を読みなさい』


なんで図書館なんだよ、話もできないしくっつくのも無理じゃない。なんて場所選んでくれたんだ。


『……何読もっかな〜♪』


…ま、楽しそうな姿が見れたし、これはこれでいいか。なんて思う始末。

彼の正面に座って彼が本を読む姿を見つめる私。


『そんなに見られたら集中できないんだけど』


「いいのいいの、気にしないで

まつげ長くて羨ましいな、とか
やっぱり正面から見てもイケメンだな、
私はこの人の彼女なんだな、釣り合ってねえな
本ばっか読んでないで私も構えや

なんて思ってないから*」

『…………ふーん、思ってないなら気にせず続き読ませてもらうわ』

「おやすみ」

『俺も寝るぞ』

「ぜっっっったいにダメだからね、本読んでて。私は仮眠。」

『寝てるあいだに病院戻っててもしーらない』

「それはそれで、君がもっと生きれるから問題ない」

『……あんなに何もない所に戻りたくなんてないよ』




その顔はどこか、寂しそうで、


「…そう、おやすみ」


机に突っ伏して、目を閉じた。


「……」

『……』


寝るに寝れなくて、
今何分経ったんだろう。そう思った時

頭にポン、と手が置かれた。


『ありがとう、
こんなに楽しいって思えるの初めてだよ』


…………
……私が寝たと思ってるんだろうな、きっと。


『俺が病気じゃなけりゃあなあ
あ、でもそれだとお前とは出会ってないわけだから……

この呪いにも感謝しないと、だな』



呪い……?
呪いってなんのことだろう…

そうぐるぐる考えていると

いつの間にか
私は夢の中へ旅立っていったようだった。


目が覚めた時にはもう


「……最悪、夜じゃん」

『やあやあよく寝たね
俺は5冊も本が読めたから満足だよ』

「はぁ…これから何しよう。もっと君とくっつきたいよ」

『くっつきたいとか言うなよ』

「なんで」

『理性飛ぶ』


「………あーくっつきたいなぁ、イチャイチャしようよお」

『お前……ホテル連れ込むぞ?』

「きゃ、大胆{emj_ip_0177}」

『もういい飯行くぞ』


すたすたと歩き出した彼のあとを付いていくと


「…なにここ、すっごい高そう」

『図書館で寝てる時に予約しといた。俺って紳士』


ドヤ顔を浮かべる彼をスルーして
案内してもらう。


『紳士を置いていくなんて』

「うるさいよ」

『な、てめぇ。帰るぞ』

「無理(笑)ごめん(笑)」



適当に料理を注文して
彼は少し真剣な顔をした。


『俺の病気、どこまで知ってるの?』

「……私たちが出会ったのって、病院だったよね」

『………ああ、隣のベッドでお前は傷だらけで寝てた。それが一番最初かな。

最初に話したのは……そっちが話しかけてきたからだった、かな
一応自己紹介したんけど、覚えてないよなあ


……仕方ないことだし大丈夫だけど』


「ごめんね、好きな人の名前まで覚えられないなんて、本当に最低だと思う。自分を恨むよ

うーん、……私が目覚めた時には
もう君はたくさんのチューブに繋がれてたなあ」


自分で口にしながらも、そういえばそうだったな
なんてあの日のことを思い出した。



「あのチューブが君の命綱なのに、
な、なのに私はそれを……

なんてことしたんだろう、本当にごめんね、私のワガママなんかに付き合わせたから……君は、君はっ!!」

『もういいって、大丈夫だから。
ほら、落ち着いて。』


彼の言葉で我に返る。


「……………ごめん、食べよっか」

にこっとしたつもりだけれど、彼の顔が少し歪んだ。
おそらく私がうまく笑えていなかったからだろう。



だって

私のせいで彼の人生がめちゃくちゃになるんだ。

ごめんなさいなんて言葉で片付けていいもんじゃないんだ。ちゃんと覚悟を決めたはずなのに、なのに……




『だぁぁあ!もう!笑えよ!そんな顔すんな!
大丈夫だって言ってんだろ?!

今幸せなんだから、それでよし

じゃダメなの?
そんなに俺が可哀想か?』

「そんなことなっ…『悲しまないでくれよ』

「……え?」

『俺のために、そんな顔しないでくれ……』


初めて聞いた、彼の弱々しい声。


「…………ごめ……………わかった。」


勢いで口に流し込んだワインは、
全くと言っていいほど 味がしなかった。






______
____



『さっきは、悪かった』


夜風にあたりながら
彼と向かい合って、座る


「……どうして、君が謝るの」

『感情的になって大きな声出しちゃって…その、ごめん』

「……どうして、謝らないで、」

『…』

「ねぇ、お願い。その3」

『……なに』

「わ、たしに……」

『……わたしに?』





「キス、して」

『……っ、な…』

「…………だめなの?」



そう呟くと、彼が近付いてきて
あっという間に目の前に。


「あの、その……やっぱりっ…」


彼の体をグイっと押し返してしまった


「あ、ご…ごめん、なさい
自分から言ったのに……」

『……寒いだろ。飲み物買ってくるから、ちょっと待ってて』


私の心の準備が整うのを待ってくれているんだろう。
本当に優しくて他人思いで
こんな自分勝手な奴にはもったいないよ。




『ん、おまたせ』


湯気の出た紙コップを渡してくれる。


「…ありがとう」

『あ、熱いからもうちょい待った方が…「あつっ!!!」

『ふはっ、だから言ったじゃん
ばーか』


って私の好きな笑顔を浮かべるんだ。


「ふん、君にはなんでもお見通しだね」

『当たり前じゃん、好きなんだし』

「ぶっ、…わ、あっつ!!!!!」

『うわ 何してんだよもう』

「え、えへ。もう飲めるもん、ほら」



『はー、もう。
それで?さっきの続きにしようか』

「さ、さっきって……」


彼が急に、真剣な顔をする。
彼の目から、視線が逸らせなくて。


『……俺の病気、どこまで知ってるの?』

「…………へ?」

『さっきの続きつったじゃん
ご飯の時この話したのにお前話題逸らしたろ?』

「え、あっ……あー!その話!そっちね!了解!」


何考えてんだろう、恥ずかしい!
顔をパタパタと手であおぐ。


『……なに、ちゅーされるとでも思った?』

「きらい、ばか!」

『なんだよ、拗ねることねーじゃん』


「君の病気はね、えーっと」

『うわ、スルーした』

「せんてんせいちゅうすうせい……」

『先天性中枢性肺胞低換気症候群』

「……長いよね、調べるの大変だった。」

『お医者さんが言ってたの覚えて調べたんだろ?すごいよ。』

「ざっくりとしたところしか知らないけどね」

『俺は眠ると?』








「…………









死んじゃうよ」










『ふっ、正解』


なんて
まるで私が
彼の出したなぞなぞの答えを出したかのように

普通に、微笑んでそう言った。


「眠たくなったって私が叩き起してやる……」

『ふは、そんなことできんの?』

「……っ、で、できる…よ」


あれ?なんでだろう
なんだか頭がクラクラして…


「あ、れ……なんで…」

『もう、思い残すことはないよ』


愛しい彼の、乾いた笑顔


「だ、め……君は私とずっと……」



『もう大丈夫だよ』


うっすらと視界がぼやけだす。


……そうか、飲み物に彼が睡眠薬でも仕込んだのだろう。


『俺を連れ回してくれて、ありがとう
ずっと誰かに連れ出して欲しかったんだよな。
生まれてからずっとあの中だと 退屈で退屈で。』

「……そんなこと…言わないでっ」

『君がこんなことしてくれなきゃ……

死ぬまで楽しいこと 知らないまんまだったよ、



本当にありがとう』

「……ありがとうなんて、そんな」

『俺は、呪われてるからさ』


悲しそうに、皮肉を込めて、
うっすら微笑んだ。


「呪い……」



『俺の病気、"オンディーヌの呪い"って言うんだって。』


確かにこんな変な病気、そんな言葉がぴったりかもしれない。


『俺のためにそんな無理しなくていいんだよ。
自分のせいで俺が死んだなんて思わないでくれ。
俺は俺の意思で君について行った。もう死ぬ覚悟はとっくに出来てる。
たまたま死ぬのが今日だった、それだけのことだよ。』

「そ、んなっ……あなたのためじゃなくてっ………
…っ、!

し、
シゲのためじゃなくて私はっ…」



"私がっ、シゲといたいから、"


伝えたかった言葉は、彼の唇へ飲み込まれた。

ゆっくりと彼の手で頬と後頭部を包まれる。
その手はまだ、温かくて。

その温かさから涙がぽろぽろこぼれだす。
ゆっくりと、確かめるように
彼は私にキスをした。






顔が離れ、視線が交わる



『名前、覚えてるんだ』

「そうだよ、シゲアキ。
加藤シゲアキ
私の愛した人だもん、忘れるはずなんて、ないよ…」



初めて私が、好きになった人
初めて私が、名前を覚えた人
初めて私が、キスをした人

愛していないわけがない、
加藤シゲアキ、あなたのこと。





『愛してるよ』

「うん、うん、私もだよ……」



涙を流しながら頷くしかできなくて

真剣な瞳に吸い込まれ



『ありがとう』

「私こそ、ありがとう
ごめんね……」



優しい腕に包まれて抱きしめられる



『……じゃあな、さよなら』




耳元で聴こえたその声に
私の意識は飛んでいった。








私の夢の中で君は
こう伝えてくれたんだ。




『もしも生まれ変わっても、きっと呪いは解けないだろうね
んー、多分呪いってそーゆーもんでしょ?』




ははは、って
目を細める。





『でも



俺はもう一度君に会いたいから

君ともう一度話がしたいから

君とまた笑い合いたいから

君からまだ、愛してるって言葉聞いてないから


だから

絶対に』




"探しに行くから、待っててな"













私の頭をポンポンと撫でて



背中を向けて歩いていった。






いくら追いかけても追いつけなくて

眩しい光がさして、




私は目が覚めた。














気付いた時にはもう
彼の目は閉じていて。

そしてそのまま二度と、開くことは無かった。




私の左手の薬指には、綺麗なダイヤがきらきらと輝いていて、

彼の左手の薬指にも、同じものが輝いていた。




「……お願い、3つじゃなくて4つだったよ、」



彼に笑いかけると、
彼の瞳から涙が一筋、頬をたどって。











「男でしょ、泣いてなんかいないでさ
絶対に、私を探しに来てよね

……約束だからね」




そう呟き、指輪をぎゅっと握りしめる。

この指輪が彼を連れてきてくれるはず……だよね。


だって彼は


約束を破ったりなんて
しない男だもん。



彼の頬を流れた涙にキスを落としたら


うっすらと彼が







微笑んでくれたような気がした。











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