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『よし、弁当食べ終わったし
次真尋化学だし。

返しに行くぞ〜』



……少し緊張しているのか
シゲの顔がこわばっていて



『なに緊張してんの?
真尋なら俺がなんとかするから』


「……うん、大丈夫」



そりゃそうだよな、自分のことが好きな人に
俺も頑張って告白するって言うんだもんな……




……あれ?真尋…俺に頑張るって言ってたっけ?(笑)


あいつ…すごいのかも……?(笑)




…………



真尋の教室へ辿り着き
クラスを見渡す




『あ、いた。

真尋〜!
教科書教科書!!』



俺たちを見た瞬間
笑顔でこちらに向かってくるから




ちゃんと目なんて見れなくて。




「ちゃんと昼休みに来たのね(笑)
加藤くんもわざわざありがとう。」



『んじゃ、俺は帰るから〜{emj_ip_0177}』



「うん、バイバ…「話があるんだ。」



えっ?
って真尋の声が後ろから聞こえたけど

振り向かずにスタスタと教室に戻る。




ーーーーーーー
ーーーー



真尋side




話がある、って言われて加藤くんについてきたら
人気のない階段の踊り場で彼が立ち止まる。




「あの、さ」


「うん?」



告白の返事はもらったし…
他に私に言うことなんてあるのかな?



「真尋ちゃんも、頑張ったから

俺も見習わないと。って思って」




……少し、嫌な予感。











「俺さ、好きな人に告白しようと思う。」




彼の、真っ直ぐな目。




「……どうして、私に?」




私に報告せずに告白すればよかったのに。




なんて思ったけど

彼はきっと、真面目で他人思いの優しい人。



だから私の気持ちも考えてくれて
そうしたんだ。




「ううん、なんでもないや」




ふふっ、って笑って見せたけど
……私うまく笑えてたかな?





「あ!いつ告白するの?
相手は教えなくていいからそれだけ教えて!お願い!」



手を顔の前で合わせてお願いする



「えっ、あ、えと……まだ、決めてない…」




片手で口を覆ったり、頭を掻いたりして
あたふたしてる彼の顔は真っ赤で。




「(……え、そんな顔…するの……?)」




加藤くんのこんな顔初めて見た。


なんだか嬉しくて、





悲しくて。



「えー、そーなの?早めにしようよ!
今日連絡しちゃえ!」



明るく振舞って見せた。




「……そう?じゃあ今日の夜、連絡してみるよ。

でも告白するのは直接がいいかな(笑)」


「へぇ、加藤くんって誠実な人なんだね!手越くんとは違って(笑)」


「ん〜〜〜?なんで手越の話〜〜〜?」



なんてニヤニヤする加藤くん

やばいよ、今の顔。



超きゅんとしちゃった。




「も、もう!加藤くん意地悪!」


「でも手越もちゃんと直接会ってじゃない?
電話とかLINEで告白されたことある?」


「えっ、」



そんなの考えたことなかった……



「そーいえば……ない…かも」



「あいつも誠実だし、好きになってあげれば?」



「うんそーだね……ってそれは別でしょ!!」




あははは!って大きな口を開いて笑う彼。




「はー、真尋ちゃん面白いわ(笑)
ごめんねこんなところまで、教室戻ろっか。」




こくんと頷き、私に出来ることは

彼の後ろを黙って歩くことと




ぐっと涙を堪えることしかなかった。














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