好きな人の、好きなもの





『あっちぃな……』


Tシャツの胸元で額の汗を拭いながら
そう漏らした。


「っ……////」


ちらりと見えるお腹は、男らしく、逞しくて。


『夏に公園デートなんて来るもんじゃないな』

「私は貴くんが一緒ならどこでもいいよ」

『……ふふ、』

「にしても、暑いねぇ……」

『あ、俺のみもん買ってくるから、影の方行って待ってて。』

「えっ、あ…ありがと……う」


最後までお礼を言う前に、走って行ってしまった。


「うーん。
あ、ここが涼しいかな?ここに座って待っとこう。」


汗だくになりながらも走る子供たちを見て


「元気だなぁ……こんなに暑いのに…」


ぴとっ


「っ、つめたい!!」

『ふふふ、いいね〜
〇〇ナイスリアクション(笑)』


なんて子供のように無邪気に笑う。


「びっ、くりしたよ…
あ、ジュースありがとう!」

『いえいえどういたしまして〜』


ぱき、と彼の開けたペットボトルが音を立てる


「あ、お金…」

『そんなのいいよ、男だもん』


当たり前じゃん、
なんてドヤ顔


「……あれ?」

『えっ、なに?どうしたの?』

「…どうして私がこのジュース好きって知ってるの?」


ごくりとひとくちジュースを飲み


『前に飲んでたでしょ?これ』

「そう、だけど……」


彼の前でそんなに飲んでたっけ?


『いつもこれじゃん、覚えてるよ
彼女のそーゆーところくらい』


さらっと口にした言葉に
いちいちきゅんとしてしまって


「あ、りがとぅ……」

『ひとくち頂戴』


はい、と渡すと少し口に含み
首をかしげる


『……やっぱあんま美味しくないね』

「えっ……そう?」

『それ克服するわ』

「別に無理して飲まなくても……(笑)」


"え〜、だって"


『〇〇の好きなもの全部、俺も好きになりたいじゃん』

「えっ、」

『ふふ、照れてる』

「うるさい、」


勢いでごくごくとジュースを飲む。


『……〇〇』

「ん?……っ、ん…」


突然に塞がれた唇に驚きを隠せないでいると


『ふふ、甘いね そのジュース。
もっと貰える?』


こくりと頷き
私の頬が、再び熱を帯びた。




*







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