3話






貴兄が本当にキスマークを付けたのか


「昨日の夜にはなかったし……そういうことだよね…」


祐也は私のことが好きなのか


「ちゅー、されたし」


頭の中にはもう
どうして小山くんに振られたのか

そんなことは頭から抜け落ちていて


「どうすればいいんだぁぁあ……」

『どうしたの?』

「えっ」


自分の部屋のベッドで頭を抱えていると


『何かあった?』


って優しく声をかけてくれた貴兄
だけど、脳裏をよぎるのは

私の首についたもの


「いや、その……」

『……気付いてくれた?』

「…へっ、?」

『ここのやつ』


って自分の首をとんとんする

……やっぱり、貴兄が付けたんだ…


「どうして…そんなこと?」

『どうしてってそりゃあ……〇〇は俺の…』


何かを言おうとしたけれど
貴兄は不自然に話を逸らした


『ねぇ、こっちのは?なに?』


私の首元を撫でながら
眉間に少し皺を寄せた


「こっち……?」

『これ俺がつけたやつじゃな……

あぁ、祐也か』


どうしてわかるんだろう。
兄弟ってそんなもんなのかな。


「ねぇ貴兄?
祐也って私の事好きなのかな、?」

『……え?』

「…やっぱり違うよね、義理とはいえ兄妹だし…
っひゃ?!」


気が付けば
お兄ちゃんに腕を押さえつけられて
私に跨っている状態で、


『鈍感なのも大概にしろよ?』


初めて聞く、貴兄の低い声。


「おに、いちゃ…」

『これでもわかんない?』


無理矢理唇を塞がれて


「んっ、んん!!」


ぬるっと舌が侵入してきて
頭は真っ白に。

乱暴な舌とは裏腹に
貴兄の腕は私を優しく包む。

抵抗しようと胸を押してもびくともしなくて
声を出しても、貴兄の中に消えてゆくだけで。


「……う、…んん…」


唇が離れたから貴兄を突き飛ばし
息を整える。


「…はぁ、…っは」

『…』

「ど、してっ……」

『わかんない?』

「や、だ」

『わかんないんでしょ?言ってあげるよ』

「やだ
やだ!!!」


その言葉を聞いてしまうと、
家族が、兄妹が、

私が壊れる気がして____


『俺たち二人ともね』

「いやっ……」



『〇〇のことが好きなんだよ、?』




私の抵抗も虚しく、
知りたくない事実を

受け止めるハメになってしまった。



『ねぇ、自分で気付いてないの?』

「……な、にが」

『最初から〇〇は慶一郎くんの事なんて好きじゃなかったよ。』

「なにがっ……わかるのよ!」

『……自覚ないんだね、胸に手を当てて


一晩、考えてみたら??』


ゆっくりと立ち上がった貴兄は
いつものように私の頭をぽんぽんして部屋を出て行った。


貴兄に何がわかるのよ…

でも、何より今、一番わからないのは


「なんでこんなに心臓バクバクしてるのよ……」



貴兄と、祐也

どちらかを選ばないと…いけないってこと……?




悩むことを諦めて、眠りについた。















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