おはようからおやすみまで
なにこれ、どういうこと。
家に帰ったら、家が家じゃなかった。
うん、自分でも何言ってるかわからない。
だって、同じ顔が6つもいるんだよ?しかもこの辺りじゃ有名だって。初めて知った!
仕事帰って家着いて今日ごはん何作ろうとか考えて玄関開けたら知らない男とばったりなんて誰も信じないだろう。
もちろん向こうもここはわたしの家だと言われて信じてくれるはずもなく警察に行って調べてもらったけどそんな住所ないけどと言われて泣く泣くこの家に居候させてもらってる訳。
「刹那ー!暇なら遊ぼうぜー」
6つ子の長男おそ松がじゃれついてくる。
「うざいし暇じゃない」
デコピンかますと額をおさえて離れてった。
「そんなんじゃモテないぜー?」
「モテなくて結構」
仕事はなぜか今まで通りなので普通に起きてごはん食べて会社行って仕事して帰ってきての繰り返し。
違うのは、帰ってきたらご飯できてて、誰かしらにおかえり、って言われること。
「ただいま」
「おかえりー」
良いなぁ、一人暮らししてる時は返事すらなかった(あったら怖い!)しなぁ。
だからこのことだけでも、嬉しいとおもえる。わたしがいた世界ではないけどね。ここ。
「ご飯できているぞ、手を洗って早くおいで」
時々カラ松が玄関で待っていてくれて、声をかけてくれる。
カラ松は優しい。何かあった時わたしを一番に気遣ってくれる。
こんな彼氏欲しかったなあ。
欲しかったなあ…
………
「?!!」
飛び起きる。
寝ていたようだ。目の前に広がるは相変わらずのだだっ広い自分の部屋。
「何今の」
いやにリアルな夢だった。覚醒しない頭でもって考えてもぼーっとしてるだけなのでとりあえず起きてココアでも入れようとキッチンに向かう。
「?!」
キッチンに人影。待て待て、ここにはわたししかいないはず。
「おはよう、刹那」
「お…おは、よう…カラ松?」
そうだ、今まで夢に見ていたカラ松が実際にそこにいる。
「どうしたんだ、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして」
いや、待って。この状況理解できないんだけど。
「刹那は願ったんだろ、おかえりって言ってくれる人が欲しいと」
ん?
しばらくしてあっ、と気づいた。
今年の初詣、彼氏作って同棲したいって願い事したんだった。そしたらただいまとおかえりと言えるでしょ。
でもなぜそれをカラ松が知ってるの?
「フッ、大事な女の願い事だからなぁ?」
バーン、と指鉄砲で撃たれて素直にわたしはカラ松ガールになった。
何カラ松ガールって。わたしやっぱ変だ。
ていうかカラ松ってどこからきたんだ。
「それは聞かないお約束さァ?ほら朝ごはん冷めちまう」
ホカホカのトーストに目玉焼きに焼いたベーコン!
ミニサラダまでついてる!
なんか丸め込まれてうやむやになってるけど、まあいいか。この現実を受け入れようじゃないか。
(ん?なにこれ、デカパン監修異世界恋活マニュアル?)
(ノォーッ!刹那それは!!)
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