身勝手ね









「うん!やっぱり決めた!ドミニクさんあたしを弟子にしてください‼︎」

「やなこった」

仲良くオタク用語で話し合っていたウィンリィーが決意を改めドミニクに弟子を願い出た…瞬殺で撃沈したが…
「ごめんね、うちの親父ガンコ者だからさあきらめてよ」
「「う〜」」
何度もお願いするがドミニクが了承することなく、エドとしても身長が伸びるオートメイルを作って欲しさでエドも説得したが“ミジンコ”と言われ怒っただけ

「おう!さっさと帰れ!」

「…帰れません」
ウィンリィーの願いが叶ったのか外は急な大雨と雷でとてもじゃないが帰れない状態に
「雨がやむまでうちでゆっくりして行きなさい」
リドルのご好意に甘えて、エド達はやむまでお邪魔することに…

エドはドミニクに軽いオートメイルをつけてもらえるよう頼んでるが無駄に終わるだろう…ウィンリィは両足がオートメイルのパニーニャと話していた




「……人の秘密を軽い気持ちで見るもんじゃないんじゃない?」

パニーニャの過去の話やドミニクに恩返しでスリをするパニーニャを止めるよう言うウィンリィーの話はまったく興味なかった令美だが、返しそびれたエドの銀時計の中身がなんなのかイタズラ心に火がついたウィンリィー達が中を見ようとしていたのには口を出した
「レイミ!大丈夫よ‼︎あのエドのことだもん〜」
試行錯誤して銀時計を開けようとするウィンリィーを令美がやめるよう忠告するがウィンリィー達は止まらなかった…

「…っと開いた!エドのお宝はいけー…ん…」

銀時計には何も入ってなかった…ただ…文字と数字が刻まれていた…

「『忘れるな 11年10月3日』…何これこんだけ?なんの事かさっぱり…」
パニーニャにはさっぱり分からないがウィンリィーは違った…そして静かに銀時計を閉じた

「…これ、エドに返しといて…」
「ウィンリィ?」

「だから言ったのに…軽い気持ちで見て勝手に傷つくなんて…身勝手ね」
「ちょっ!…そんな言い方‼︎」
令美は泣き出したウィンリィーに冷たく呆れた、冷たい令美にパニーニャは文句言ってやろうとしたがウィンリィーが止めた
「…うん、レイミの言う通り…ごめんなさい」
「…ウィンリィ…」

「も一回…も一回ドミニクさんに弟子入りお願いしてくる」
令美に謝ったウィンリィーは涙をふいてドミニクの元へ向かっていった

「…あんな言い方しなくてもいいんじゃない…」
「土足で人の大事なモノ荒らしたクセに甘えた事言ってんじゃないわよ」
ウィンリィーが出てからパニーニャは我慢ならず令美に文句を言ったが倍になって返ってきた

ウィンリィーの為なにか言い返したいがパニーニャには無理で、しかもウィンリィーの足音がこちらに近づいてきて…

「リドルさん大変‼︎奥さんが‼︎」
「⁉︎」



◇◆◇◆

「サテラ‼︎どうした大丈夫か⁉︎」

慌てたウィンリィーの様子に隣りの部屋に行けば、奥さんのサテラさんがお腹か痛く座り込んでいた…

「 陣痛 」が始まり赤ちゃんが生まれると…

急なことにパニーニャに呼ばれたドミニクや兄弟もリドルも…みんながパニック
「何してんの、早くベットに運びなさい…」
みんながオロオロと慌てて騒いでる中、令美だけが冷静にサテラをベットに運ぶのを指示をする

「…この雨の中街の病院まで連れてく訳にはいかんな俺がひとっ走り行って医者を連れて来よう」
「親父気をつけてな!」
雨はやむことなく、ドミニクが馬で街まで行く為カッパを着て出て行った…それまでなんとかして待とう…とリドルが言うが…

ドミニクはすぐに帰ってきた…唯一の道、橋が落雷により落ちてしまった…


「…運のない兄弟のせいね…」

エド達がドミニクと一緒に橋を見に行ったが、橋の長さを考えて錬金術では無理、この嵐の中令美のアリスでも難しいと令美は考えて…
「…そこのあんた、今すぐ大量のタオルとお湯用意して」
「は…何すんだよそんなので」
「いいから早く」
家に残ってるパニーニャに令美は命令する、混乱してるパニーニャは訳がわからないが先程の事もあり仕方なく言うことをきく

「(知識なんてほぼないけど…)」
サテラの部屋に行けば「破水」が始まっていた、大量のタオルを持ってきたパニーニャがパニックでうるさくなるが令美は冷静に行動する







アカシ-Tsukimi