▽毎日が楽しいのは君のせい
ーNo sideー
(私の人生に栄純がいたことは幸運だったと思う
こんな私を追いかけて巻き込んで先に行く…
止まった私の手を引いて… )
気持ちのいいボールを弾いたバット音…飛んでいったボールは綺麗な曲線を描いて客席の方へ飛んでいった…数少ない観客の驚く声とチームメイトの喜びの声
中学最後のー
『試合終了ーー‼︎成嶋中学サヨナラ勝ち‼︎』
暑い夏が終わったー
「いやーそれにしても前代未聞の試合でしたなー」
数少ない客達が好き勝手に今日みた中学生野球の試合の感想を述べていく
「あぁ…負けたチームの投手が相手チーム全員にビンタだからな…」
「投手の暴投がなけりゃ“まさか”と思ったがなー」
「あの4番だろ⁉︎初球ホームラン‼︎しかも2打席連続‼︎‼︎」
「ありゃ敬遠されなきゃ次も打てたかもしれねぇぞ‼︎」
最後の大騒ぎがなければ今回の試合は意外と接戦で盛り上がっていた、騒ぎを起こしたチームの4番が中学生では中々見れないホームランを打った…ホームランを見た客はあの田舎の弱小校がもしかしたら勝つかも…と期待したが最後、投手の暴投でサヨナラ負け
「もったいねーなぁー…“男”だったら引くて数多だっただろうに〜」
「…双葉 千隼…さん…」
田舎の野球場にそぐわないメガネ美人の女性は今回の試合で大きな収穫を得た…それと悔しい思いもした
今まで見たホームランの中で1番美しいと思った…あれほどの才能を性別と言う壁で女性はスカウト出来ないのだから…
「…でも彼女なら他のスポーツでも全国レベル目指せるはず…なぜ野球を…
何者なの…彼女…」
ーNo side endー