七葉の密約
初めて授業をサボったあの日以来、ペパーくんはかつてのようにお喋りしてくれるようになった。
相棒のマフィティフ───月日の流れと共にオラチフから進化していたようで驚いたけれど───にも会わせてもらって、一緒に料理をして勉強をしてお出かけをして。互いの寂しさを埋め合うように笑い合って、独りぼっちの切なさを満たすように抱き合っていた。
さすがに共に寝るのはベッドの大きさ的にもペパーくん的にもNGらしく、眠る時は一人きりだったけれど。
たとえ仮初の関係であったとしても、傷の舐め合いだったとしても、傍から見れば依存していると思われても仕方がない状態だとしても。ふとした瞬間に誰かが傍に居てくれるというのは、ひどく安心した。
そんな日々が数ヶ月ほど続いた、とある夜のこと。
「ナマエ、ボクのことを覚えているだろうか」
純白の夢の中で、フトゥーさんの姿をした無表情な誰かが私の名前を口にした。ひどく懐かしい光景に目を細めながらも、それが本人でないことはすぐに分かった。
だってフトゥーさんはもっと仄かに神経質そうに笑うし、「僕」の言い方だってもう少し気障ったらしいんだもの。
「初めまして。あなたがフトゥーさんの作ったAIさん?」
「……成程。オリジナルから受け継いだ情報を更に修正する必要がありそうだな」
真剣に指先を顎に当てる様は、本当に本人そっくりだった。だからこそ友だち がいなくなってしまったことを痛感して虚しくなる。けれど、だからこそ。新たな友人が出来るかもしれない可能性にも賭けてみようと思った。
「あなたのことも、フトゥーさんって呼んでいいんでしょうか」
「いや。オリジナルのボクはどうやら、キミからフトゥーと呼ばれたかったようだ」
大真面目に研究発表するような顔で暴露された事実につい吹き出してしまう。やはり呆れるくらいに不器用なひとだった。異なる世界で生きていた私達を繋ぐだけの技術を持っていたのだから、記憶や感情を共有できるレベルのAIを開発できるのも納得だった。
「うん、分かりました。フトゥー、これからよろしくね」
「……ふむ。ああ、よろしく」
握手を交わした時の体温も、かつてと比べてだいぶ冷んやりとしていた。
「でも、どうして今になって私に会いに来てくれたんですか?」
「この空間を構築する準備に時間がかかってしまった、のが最大の理由だが。キミに協力してほしいことがあってね」
「そう、ですか……。私に出来ることであれば何でもしますけど」
「ああ。キミならばそう言ってくれることを、ボク達は分かっていたとも」
フトゥーさんよりも無機質な声で淡々と言葉を重ねていく様を、私はじっと見つめていた。一言一句聞き漏らさないように、耳をそばだてていく。
「ナマエ、ボクの研究に協力してほしい」
端から選択肢など無かった。元々、この世界における私の存在意義はそれだけしか無かったのだから。
フィールドワークを通じて見聞を広げたい。私が此処にやって来たのはそんな名目だった。決して嘘では無い。この理由でペパーくんだって納得するくらい、私はアカデミーでの授業を真面目に受けていたし、確かに全てのポケモン達を自分なりに愛していたから。
エリアゼロと呼ばれる壮観な空間。険しい崖、澄み渡る川、滝の飛沫に反射する虹、各地に点在する輝く結晶。人智が及ばぬ原始の自然と、人間が生み出した研究技術が融合する場所。事故で亡くなる直前まで、フトゥーさんはこの空間にてAIのフトゥーと共に研究を続けていたそうだ。
「ねえ、フトゥー」
「なんだい、ナマエ」
荘厳な景色の中に満ちた、神聖かつ重々しい空気を肺いっぱいに吸い込んでいく。
協力するのは構わないが一つ条件を出したい、そんな駆け引きをしたことを覚えているのだろう。フトゥーの顔を見ないまま、私は眼下の幻想的な光景を目に焼き付けた。
「私が提示する条件は一つだけ。研究に協力する前に、フトゥーさんのご遺体を探したいんだ」
「……ならば、エリアゼロの最深部まで行く羽目になる。未来からやって来た強力なパラドックスポケモンとも戦闘せざるを得ないが?」
「一番奥まで行けば良いんだね。分かった」
「だがキミはバトルを恐れていた筈だろう」
「怖がっていたのは……未知の経験だったから、でしかないの。だからもう大丈夫。身を守るための最低限の力は身に付けたから」
モンスターボールから、数ヶ月間を共に生きてきたラウドボーンを繰り出す。甘えるようにすり寄ってきた相棒の硬い顎先を撫でてから、改めて覚悟を固めるために何度か屈伸した。
「フトゥー、途中で休める場所はある?」
「最深部のラボへ行くまでに観測ユニットが三つある。その中のベッドを使えばキミもポケモン達も回復できるだろう」
「分かった、ありがとう。ラウドボーン、あなたには苦労させることになりそうだけど……一緒に来てくれる?」
しゃがみこんで相棒と目線を合わせた。予想通り、頼られて嬉しそうに元気に吠えてくれたこの子と一緒に、そっと微笑んでいく。
クラベル校長から譲り受けたホゲータちゃんはいつだって、出会った当初からずっと無邪気に笑ってくれた。いつの間にかこんなにも立派に成長する程の時間が経過していた事実が、どこか切なかったけれど。
足が棒のようになりながらも、私はエリアゼロを深く奥まで進んでいく。用意してきたキズぐすりとモンスターボールを多用しつつ、フトゥーの力を借りずに自力で目的地まで辿り着いた。何度か手助けしようかと提案されても全て断った。なけなしのプライドというよりも、それが私に与えられた役割だと感じたから。
ペパーくんに対して真実を口にしない罪は、自らの身体で贖わなければならないだろう。
正直へとへとで今すぐベッドで眠り込んでしまいたかったけれど、そんな訳にもいかないと奥歯を噛み締めながら私は探した。
フトゥーさんの死体はそれはもう、想定通り……見るも無惨な姿だった。研究途中の爆発によって亡くなったとは聞いていたから、ある程度は予想していたのに。
散らばったそれらを一つ一つ丁寧にかき集め、壁や床についた血の跡を拭って、何度も何度も嘔吐きながら持参した壺に仕舞い、静かに弔っていく。
いつかの未来、ペパーくんが正式にこの事実を知るまでは私が大切に預かっていこう。フトゥーさんの死をあの子にだけは最後まで秘密にすることも、私達の間で交わされた約束の一つだったから。
「……ナマエ」
「私のやりたかったことはこれでおしまい。それで何をお手伝いすればいいの?」
「その前に一つ尋ねたい」
「うん。どうしたの?」
AIなのに人の感情の機微を察しているのか、フトゥーは私が落ち着くまで無言のまま待機してくれていた。アカデミーの制服の袖で汗を拭いながら、ラウドボーンが労るようにぐるりと周囲を歩く姿に笑い、そっと頭を撫ぜていく。
「キミは、友が間違っていることを仕出かした時にどうする?」
「それは……私にとっては、フトゥーさんかペパーくんか同級生の子達ってことになるけど」
「だろうな」
「うーん……まずは理由を聞くかな。たとえこちらからは身勝手で欲に塗れたエゴに見えたとしても、本人にとっては何か譲れない信念があるかもしれないから。他人の価値観を無闇に否定するようなことはしたくないし」
「ふむ。ならば理由そのものが理不尽だったとして、それでもキミは相手を止めないのか」
「自ら命を絶とうとする以外は、基本的に止めないかな。本人がそれだけ考え抜いたことを止めるくらいなら……一緒に背負うか、打開策を考えるか、の二択を選ぶんじゃないかと」
「そうか」
顎先を指でなぞる仕草はきっと、生前のフトゥーさんを真似しているのだろう。このどこかぎこちない例え話も、私の思考を把握しきっていないからだろうと薄ら悟った。あなたにとって友と呼べるであろう存在は、唯一触れ合っていた生みの親しか考えられないのに。
かつてフトゥーさんから聞かされた研究内容を脳内で反芻する。
タイムマシンを作ることで、現代のポケモンと未来のポケモンが共存する楽園を作りたい。たとえ未来からやって来たポケモン達が今を生きるポケモン達を脅かして、どれ程に生態系を揺らがしたとしても、それこそがきっと自然のあるべき姿なのだと。
そして、個人的な願いとして、───タイムマシンを通じてしか会えない……を一目で良いから見たいのだと。
たとえフトゥーさんの意思を継いでいるとはいえ、AIから見れば理不尽な理由と判断されても仕方が無いだろう。どちらが間違っている訳でも正しい訳でもない。
「フトゥーは、フトゥーさんを止めたいの?」
「……それは、いや。どうなんだろうか。まだ分からないな」
「そっか。ならこれからたくさんお話しして、一緒に結論を考えようよ。これだけ苦労させられたんだから、フトゥーさん にも子どもの反抗期くらい味あわせてあげないと」
意外そうに何度か瞬きしながら、私は他でもない、幼くあどけないフトゥーに向けて手を差し出した。
「私で良ければ、研究 のお手伝いくらいは出来るよ」
ゆっくりと重なった冷たい手のひらを、何度も上下に振った。この世界の中でもたった二人しか知らない、密やかな契約を交わしていく。
かつて、寂しさを表現する方法も人に甘える術さえも知らなかったペパーくんのように、目の前のフトゥーだって突然大事な存在に取り残されてしまったのだから。何をどうすればいいか分からないに決まっている。
だからこそ私は此処に来た。あなた達の不器用さを受け止めるためにやって来た。あなた達の幸せを模索するために身体に鞭を打ってきた。
ペパーくんが幸せになるのを見届けるまで。最後にせめて、フトゥーさんの哀傷だって受け止められるくらいの女になりたかったのだ。
相棒のマフィティフ───月日の流れと共にオラチフから進化していたようで驚いたけれど───にも会わせてもらって、一緒に料理をして勉強をしてお出かけをして。互いの寂しさを埋め合うように笑い合って、独りぼっちの切なさを満たすように抱き合っていた。
さすがに共に寝るのはベッドの大きさ的にもペパーくん的にもNGらしく、眠る時は一人きりだったけれど。
たとえ仮初の関係であったとしても、傷の舐め合いだったとしても、傍から見れば依存していると思われても仕方がない状態だとしても。ふとした瞬間に誰かが傍に居てくれるというのは、ひどく安心した。
そんな日々が数ヶ月ほど続いた、とある夜のこと。
「ナマエ、ボクのことを覚えているだろうか」
純白の夢の中で、フトゥーさんの姿をした無表情な誰かが私の名前を口にした。ひどく懐かしい光景に目を細めながらも、それが本人でないことはすぐに分かった。
だってフトゥーさんはもっと仄かに神経質そうに笑うし、「僕」の言い方だってもう少し気障ったらしいんだもの。
「初めまして。あなたがフトゥーさんの作ったAIさん?」
「……成程。オリジナルから受け継いだ情報を更に修正する必要がありそうだな」
真剣に指先を顎に当てる様は、本当に本人そっくりだった。だからこそ
「あなたのことも、フトゥーさんって呼んでいいんでしょうか」
「いや。オリジナルのボクはどうやら、キミからフトゥーと呼ばれたかったようだ」
大真面目に研究発表するような顔で暴露された事実につい吹き出してしまう。やはり呆れるくらいに不器用なひとだった。異なる世界で生きていた私達を繋ぐだけの技術を持っていたのだから、記憶や感情を共有できるレベルのAIを開発できるのも納得だった。
「うん、分かりました。フトゥー、これからよろしくね」
「……ふむ。ああ、よろしく」
握手を交わした時の体温も、かつてと比べてだいぶ冷んやりとしていた。
「でも、どうして今になって私に会いに来てくれたんですか?」
「この空間を構築する準備に時間がかかってしまった、のが最大の理由だが。キミに協力してほしいことがあってね」
「そう、ですか……。私に出来ることであれば何でもしますけど」
「ああ。キミならばそう言ってくれることを、ボク達は分かっていたとも」
フトゥーさんよりも無機質な声で淡々と言葉を重ねていく様を、私はじっと見つめていた。一言一句聞き漏らさないように、耳をそばだてていく。
「ナマエ、ボクの研究に協力してほしい」
端から選択肢など無かった。元々、この世界における私の存在意義はそれだけしか無かったのだから。
フィールドワークを通じて見聞を広げたい。私が此処にやって来たのはそんな名目だった。決して嘘では無い。この理由でペパーくんだって納得するくらい、私はアカデミーでの授業を真面目に受けていたし、確かに全てのポケモン達を自分なりに愛していたから。
エリアゼロと呼ばれる壮観な空間。険しい崖、澄み渡る川、滝の飛沫に反射する虹、各地に点在する輝く結晶。人智が及ばぬ原始の自然と、人間が生み出した研究技術が融合する場所。事故で亡くなる直前まで、フトゥーさんはこの空間にてAIのフトゥーと共に研究を続けていたそうだ。
「ねえ、フトゥー」
「なんだい、ナマエ」
荘厳な景色の中に満ちた、神聖かつ重々しい空気を肺いっぱいに吸い込んでいく。
協力するのは構わないが一つ条件を出したい、そんな駆け引きをしたことを覚えているのだろう。フトゥーの顔を見ないまま、私は眼下の幻想的な光景を目に焼き付けた。
「私が提示する条件は一つだけ。研究に協力する前に、フトゥーさんのご遺体を探したいんだ」
「……ならば、エリアゼロの最深部まで行く羽目になる。未来からやって来た強力なパラドックスポケモンとも戦闘せざるを得ないが?」
「一番奥まで行けば良いんだね。分かった」
「だがキミはバトルを恐れていた筈だろう」
「怖がっていたのは……未知の経験だったから、でしかないの。だからもう大丈夫。身を守るための最低限の力は身に付けたから」
モンスターボールから、数ヶ月間を共に生きてきたラウドボーンを繰り出す。甘えるようにすり寄ってきた相棒の硬い顎先を撫でてから、改めて覚悟を固めるために何度か屈伸した。
「フトゥー、途中で休める場所はある?」
「最深部のラボへ行くまでに観測ユニットが三つある。その中のベッドを使えばキミもポケモン達も回復できるだろう」
「分かった、ありがとう。ラウドボーン、あなたには苦労させることになりそうだけど……一緒に来てくれる?」
しゃがみこんで相棒と目線を合わせた。予想通り、頼られて嬉しそうに元気に吠えてくれたこの子と一緒に、そっと微笑んでいく。
クラベル校長から譲り受けたホゲータちゃんはいつだって、出会った当初からずっと無邪気に笑ってくれた。いつの間にかこんなにも立派に成長する程の時間が経過していた事実が、どこか切なかったけれど。
足が棒のようになりながらも、私はエリアゼロを深く奥まで進んでいく。用意してきたキズぐすりとモンスターボールを多用しつつ、フトゥーの力を借りずに自力で目的地まで辿り着いた。何度か手助けしようかと提案されても全て断った。なけなしのプライドというよりも、それが私に与えられた役割だと感じたから。
ペパーくんに対して真実を口にしない罪は、自らの身体で贖わなければならないだろう。
正直へとへとで今すぐベッドで眠り込んでしまいたかったけれど、そんな訳にもいかないと奥歯を噛み締めながら私は探した。
フトゥーさんの死体はそれはもう、想定通り……見るも無惨な姿だった。研究途中の爆発によって亡くなったとは聞いていたから、ある程度は予想していたのに。
散らばったそれらを一つ一つ丁寧にかき集め、壁や床についた血の跡を拭って、何度も何度も嘔吐きながら持参した壺に仕舞い、静かに弔っていく。
いつかの未来、ペパーくんが正式にこの事実を知るまでは私が大切に預かっていこう。フトゥーさんの死をあの子にだけは最後まで秘密にすることも、私達の間で交わされた約束の一つだったから。
「……ナマエ」
「私のやりたかったことはこれでおしまい。それで何をお手伝いすればいいの?」
「その前に一つ尋ねたい」
「うん。どうしたの?」
AIなのに人の感情の機微を察しているのか、フトゥーは私が落ち着くまで無言のまま待機してくれていた。アカデミーの制服の袖で汗を拭いながら、ラウドボーンが労るようにぐるりと周囲を歩く姿に笑い、そっと頭を撫ぜていく。
「キミは、友が間違っていることを仕出かした時にどうする?」
「それは……私にとっては、フトゥーさんかペパーくんか同級生の子達ってことになるけど」
「だろうな」
「うーん……まずは理由を聞くかな。たとえこちらからは身勝手で欲に塗れたエゴに見えたとしても、本人にとっては何か譲れない信念があるかもしれないから。他人の価値観を無闇に否定するようなことはしたくないし」
「ふむ。ならば理由そのものが理不尽だったとして、それでもキミは相手を止めないのか」
「自ら命を絶とうとする以外は、基本的に止めないかな。本人がそれだけ考え抜いたことを止めるくらいなら……一緒に背負うか、打開策を考えるか、の二択を選ぶんじゃないかと」
「そうか」
顎先を指でなぞる仕草はきっと、生前のフトゥーさんを真似しているのだろう。このどこかぎこちない例え話も、私の思考を把握しきっていないからだろうと薄ら悟った。あなたにとって友と呼べるであろう存在は、唯一触れ合っていた生みの親しか考えられないのに。
かつてフトゥーさんから聞かされた研究内容を脳内で反芻する。
タイムマシンを作ることで、現代のポケモンと未来のポケモンが共存する楽園を作りたい。たとえ未来からやって来たポケモン達が今を生きるポケモン達を脅かして、どれ程に生態系を揺らがしたとしても、それこそがきっと自然のあるべき姿なのだと。
そして、個人的な願いとして、───タイムマシンを通じてしか会えない……を一目で良いから見たいのだと。
たとえフトゥーさんの意思を継いでいるとはいえ、AIから見れば理不尽な理由と判断されても仕方が無いだろう。どちらが間違っている訳でも正しい訳でもない。
「フトゥーは、フトゥーさんを止めたいの?」
「……それは、いや。どうなんだろうか。まだ分からないな」
「そっか。ならこれからたくさんお話しして、一緒に結論を考えようよ。これだけ苦労させられたんだから、
意外そうに何度か瞬きしながら、私は他でもない、幼くあどけないフトゥーに向けて手を差し出した。
「私で良ければ、
ゆっくりと重なった冷たい手のひらを、何度も上下に振った。この世界の中でもたった二人しか知らない、密やかな契約を交わしていく。
かつて、寂しさを表現する方法も人に甘える術さえも知らなかったペパーくんのように、目の前のフトゥーだって突然大事な存在に取り残されてしまったのだから。何をどうすればいいか分からないに決まっている。
だからこそ私は此処に来た。あなた達の不器用さを受け止めるためにやって来た。あなた達の幸せを模索するために身体に鞭を打ってきた。
ペパーくんが幸せになるのを見届けるまで。最後にせめて、フトゥーさんの哀傷だって受け止められるくらいの女になりたかったのだ。