頂を掴むためのノート
三年五組の教室にひょっこり顔を出した長身ハーフの後輩は、開口一番に透き通った大声を出した。
「苗字さんって、学年一位なんですか!?」
「灰羽、いきなり叫ばない」
「あ、すみません!」
ただでさえ人目につきやすいのに、お陰で周囲の同級生たちの視線を搔っ攫っていく。恐らくテストの結果が張り出された紙を見たんだろうけど。
振り返って教室内の皆に「ごめんね」と頭を下げつつ、一旦空気を切り替えるべく後輩の背中を押した。一緒に廊下に出る。
夜久がちょうど席を外していて良かった。もし教室内にいたらマジギレからの足技が炸裂していたことだろう。
と、安心したところで後方のドアが開く。ニヤニヤと愉快気に笑うクラスメイトの表情を見ていると、チームの主将だなんてとても思えないんだけど。
「だから言ったろ、リエーフ。うちのマネージャーは料理が凄腕な上に頭も超いい。ついでに全国模試もだいたい一桁」
いつの間にか、黒尾が私の隣に並んでいた。練習でも試合中でも時々見せる渾身のキメ顔をしていて若干腹立たしい。というか人の情報を勝手にあれこれ喋るな。
「すっげえ……! ノートもめっちゃ分かりやすかったし、教科ごとのヤマの張り方もバッチリ予想通りでビビりました!」
「うん、役に立ったなら良かった」
「苗字、教師ごとの話し方の癖とか逐一観察するもんな。ここさり気なく強調してたから、応用問題でこれ出るかも、が毎回ドンピシャリ」
「過去の経験から予測してるだけです。相手をじっくり粘り強く分析して攻略法を探すのは、音駒の王道スタイルでしょ」
「はー。これだから頭の回転が早いヤツは」
「私は単に勉強でそれなりに結果を出せるだけ。そういうのは孤爪に言ってください」
ようやく本来の目的であった、全教科分のノートを灰羽から受け取る。
二年前に書いていた時には、これがテストの度に大人気になるなんて思わなかった。バレー部員の手に渡りすぎて、かなりへたってきたなと一番上の国語をパラパラと捲りながら思う。
「いやでも、あの球彦が苗字さんヤバイってブツブツ呟いてたんで、マジで相当ヤバかったです!」
「その様子が見たかったんだけど」
一年生の中でも特に冷静沈着な手白は、孤爪とは違ったベクトルの頭脳派セッターだ。あのクールな顔が一瞬でも崩れるところを目撃できなかったとは残念すぎる。
「つーか、一年生は一緒に勉強会やってたのね」
「はい! と言っても四人だけですけど!」
新入生たちは、それぞれ性格は違うけど積極的にコミュニケーションをはかっているようで何よりだ。
「今年の有望株は仲良しでいいね。というか、勉強会でもいちいち喧嘩するうちの代が好戦的すぎるんでしょ」
「いやーだって苗字さん、あれはやっくんの方から仕掛けてくる訳でして」
「問答無用。喧嘩両成敗です」
「はあい、お姉ちゃん」
「私、黒尾の姉妹になれるなら妹派なんだけど」
「えっそれどういうこと!?」
だってその方が楽しそうだし、と黒尾に返しつつ、何やら言いたげな灰羽に目を向ける。
「でも苗字さん、こんなスゲーノートを俺たちに貸して良かったんですか?」
「なんか商品名みたいになってるね。何で?」
「だって苗字さんが頑張って作ったノートで、俺たちは点を取れた訳じゃないですか。成果を横取りされたみたいで嫌じゃないのかなーって」
この明るく自信家な後輩は、誰に対しても物怖じせず対等に接するし、人も自分も褒められる素直さがある。だからこそ皆の潤滑油になり得るんだろうなと笑った。
「そういう考え方もあるね。なら想像してほしいんだけどさ、灰羽。たとえば黒尾がレシーブやブロックのコツをまとめたノートを見て、次の日にそれ全部できるようになる?」
「……絶対無理ですね」
黒尾も、絶ッッ対にプライドが許さない、と全力で言いたげな凄い顔をしている。うん、だよね。
「でしょ、私のノートもそれと同じ。見た人がそれをどう扱うか、自分のものに出来るかどうかはその人次第。つまり、点を取れたのは私のノートがあったからじゃなくて、灰羽が努力したお陰って訳。わかる?」
「分かります!!!!!」
「リエーフ、声が大きいぞー」
「あ。すみません」
途端にペコペコと頭を下げる。感情が昂ると素直に表に出ちゃう様を見ていると、日向くんを思い出して微笑ましくもあった。
「でも苗字さん、部活もやりながら勉強もしてて凄いですよね」
「その分、休みの日はゲームやったり他にも色々遊んでるけど」
「マジッスか!?」
「苗字の場合、ちゃんと時間決めてキッチリ息抜きとしてやってるだろ」
「さあ、どうでしょうねー」
それはそうなんだけど、それだけでもないし。と思いつつ別にひけらかすつもりもないから、曖昧にはぐらかす。黒尾は察しているんだろうけど。
「というか、苗字さんは何でそこまで全部頑張れるんですか!?」
灰羽からの問いが意外で、何度か瞬きをした。そこまで全部という訳でもないし、そもそも当たり前すぎて理由を改めて意識したことは無かったな、と思い至る。
そこまで頑張ってるつもりはないけど、と口に出すのは簡単だ。しかしそれは、同様に成果を出そうと努力している人達に対して失礼だろう。
「なにせ私、全国制覇する部のマネージャーだから。手の届く範囲の一位はガンガン取らなきゃね」
ピンと右手の人差し指を立てながら、更に続ける。
「それに私がノートをまとめるために使った時間で、皆の練習時間が増えるかもしれないでしょ。ボールに触る時間、試合の映像を見る時間、バレーに関わる時間が一分一秒でも増えるかもしれない。それってさ、私の努力がバレー部員の数だけ何倍もの力になって、私自身に返ってくるってことじゃん。皆は絶対に、最高の練習も最高の試合も見せてくれるから」
灰羽はポカンとしているし、黒尾はいつも通りニヤリと笑っている。皆といると安心してつい自分の考えを喋りすぎちゃうんだよな、と自分のクセに呆れつつ、自分の思いを託すように灰羽の胸に拳をポンと押し当てた。
「情けは人の為ならずってこと。だから頑張れ、未来のエース」
「は、……はいッ!!!!!」
「リエーフうるせえ!」
「え。夜久?」
背後から風を切るようにやってきた夜久が、灰羽に蹴りを喰らわせている。
「何度も苗字に迷惑かけてんじゃねえよ!」
「あっれー、やっくん。何度もって言うことは、さっきから俺たちの話聞いてたんですかァ?」
黒尾の言い方からして、完全に揶揄う君満々だし事実なんだろう。夜久もいつもなら威勢よく言い返すところを、グッと僅かに言い淀んでいるし。
「全部じゃねえよ、途中から!」
「にしてもさっきの夜久の顔、苗字にも見せたかったわー」
「気付いてたんなら聞くなよな!?」
いつも通りワイワイと言い争いを始めた黒尾と夜久を眺めた。相変わらず仲がいいなと笑う。
普段ならば放置しておくけど、今日は珍しく聞き捨てならないことがあったから、二人の間にヌっと顔を出した。
「黒尾さん。夜久はどんな顔してたの?」
「ッ! おい苗字!」
「俺も知りたいです!」
「リエーフ!!」
「お、聞きたいー? そうだなあ、一言で言うと。……こう、落ちたな、って感じの顔」
直球だなあと笑ってから肩をすくめる。黒尾はこちらを揶揄うつもりなんだろうけど、そんな顔はマネージャーになってからいくらでも見てきた。
「その落ちた顔ってヤツ、さ。黒尾もバレーやってる時に見せてくれるでしょ」
我らが主将が、不意を突かれたようにキョトンと目を丸くする顔は珍しい。
「大好きなものを見て、大好きなことをしてたら、そりゃ何度でもそれに落ちるよ。分かってるくせに」
黒尾は私の言葉を咀嚼するように、何度か瞬きをしていた。成程、こんなにいい反応をしてくれる相手ならば確かに、敢えて意表を突く言動をするのも面白いかもしれない。
「……こりゃ黒尾が一杯食わされたな」
「それはそれとして夜久、その落ちたなって感じの顔、私にも見せてよ」
「無意識なんだから、今やるのは無理だわ!」
「苗字さん、俺はその顔してる時あります!?」
「んー、灰羽のはまだ見たことないかな。その時になったら言うね」
「はい!」
そういえば、と思いつつ手元の腕時計に目を落とす。
「灰羽、そろそろ休憩時間も終わるけど」
「え、マジすか! なら俺帰ります! 苗字さん、本当にありがとうございました!」
「はーい。また部活でね」
陸上選手のごとく素早く走っていく姿に手を振った。そのまま、未だに呆けている様子の我らが主将の背中を軽く叩く。
「本気でバレーに落ちてる時の黒尾の顔、見ると私も元気出るからさ。これからも楽しみにしてる」
「はー……そうかい。うちのマネージャーさんは相ッ変わらず、人をやる気にさせるのが上手いなー」
「黒尾さんに言ってもらえるとは光栄です。夜久も帰ろ」
「おー」
夜久もまた黒尾の背中をポンと叩いてから、ぞろぞろと教室に戻っていく。うちの部員は本当に、揃いも揃って素直で可愛いなと笑ってしまった。
インターハイの東京予選はいよいよ来週に迫っている。試験のサポートは出来る限りやれたと自負しているし、残るは本番までどれだけ支えてあげれられるかの勝負だ。
頑張り甲斐がありすぎるなと背伸びをする。けれど放課後の部活よりも前に、今は目の前の授業に鋭く意識を向けていった。
「苗字さんって、学年一位なんですか!?」
「灰羽、いきなり叫ばない」
「あ、すみません!」
ただでさえ人目につきやすいのに、お陰で周囲の同級生たちの視線を搔っ攫っていく。恐らくテストの結果が張り出された紙を見たんだろうけど。
振り返って教室内の皆に「ごめんね」と頭を下げつつ、一旦空気を切り替えるべく後輩の背中を押した。一緒に廊下に出る。
夜久がちょうど席を外していて良かった。もし教室内にいたらマジギレからの足技が炸裂していたことだろう。
と、安心したところで後方のドアが開く。ニヤニヤと愉快気に笑うクラスメイトの表情を見ていると、チームの主将だなんてとても思えないんだけど。
「だから言ったろ、リエーフ。うちのマネージャーは料理が凄腕な上に頭も超いい。ついでに全国模試もだいたい一桁」
いつの間にか、黒尾が私の隣に並んでいた。練習でも試合中でも時々見せる渾身のキメ顔をしていて若干腹立たしい。というか人の情報を勝手にあれこれ喋るな。
「すっげえ……! ノートもめっちゃ分かりやすかったし、教科ごとのヤマの張り方もバッチリ予想通りでビビりました!」
「うん、役に立ったなら良かった」
「苗字、教師ごとの話し方の癖とか逐一観察するもんな。ここさり気なく強調してたから、応用問題でこれ出るかも、が毎回ドンピシャリ」
「過去の経験から予測してるだけです。相手をじっくり粘り強く分析して攻略法を探すのは、音駒の王道スタイルでしょ」
「はー。これだから頭の回転が早いヤツは」
「私は単に勉強でそれなりに結果を出せるだけ。そういうのは孤爪に言ってください」
ようやく本来の目的であった、全教科分のノートを灰羽から受け取る。
二年前に書いていた時には、これがテストの度に大人気になるなんて思わなかった。バレー部員の手に渡りすぎて、かなりへたってきたなと一番上の国語をパラパラと捲りながら思う。
「いやでも、あの球彦が苗字さんヤバイってブツブツ呟いてたんで、マジで相当ヤバかったです!」
「その様子が見たかったんだけど」
一年生の中でも特に冷静沈着な手白は、孤爪とは違ったベクトルの頭脳派セッターだ。あのクールな顔が一瞬でも崩れるところを目撃できなかったとは残念すぎる。
「つーか、一年生は一緒に勉強会やってたのね」
「はい! と言っても四人だけですけど!」
新入生たちは、それぞれ性格は違うけど積極的にコミュニケーションをはかっているようで何よりだ。
「今年の有望株は仲良しでいいね。というか、勉強会でもいちいち喧嘩するうちの代が好戦的すぎるんでしょ」
「いやーだって苗字さん、あれはやっくんの方から仕掛けてくる訳でして」
「問答無用。喧嘩両成敗です」
「はあい、お姉ちゃん」
「私、黒尾の姉妹になれるなら妹派なんだけど」
「えっそれどういうこと!?」
だってその方が楽しそうだし、と黒尾に返しつつ、何やら言いたげな灰羽に目を向ける。
「でも苗字さん、こんなスゲーノートを俺たちに貸して良かったんですか?」
「なんか商品名みたいになってるね。何で?」
「だって苗字さんが頑張って作ったノートで、俺たちは点を取れた訳じゃないですか。成果を横取りされたみたいで嫌じゃないのかなーって」
この明るく自信家な後輩は、誰に対しても物怖じせず対等に接するし、人も自分も褒められる素直さがある。だからこそ皆の潤滑油になり得るんだろうなと笑った。
「そういう考え方もあるね。なら想像してほしいんだけどさ、灰羽。たとえば黒尾がレシーブやブロックのコツをまとめたノートを見て、次の日にそれ全部できるようになる?」
「……絶対無理ですね」
黒尾も、絶ッッ対にプライドが許さない、と全力で言いたげな凄い顔をしている。うん、だよね。
「でしょ、私のノートもそれと同じ。見た人がそれをどう扱うか、自分のものに出来るかどうかはその人次第。つまり、点を取れたのは私のノートがあったからじゃなくて、灰羽が努力したお陰って訳。わかる?」
「分かります!!!!!」
「リエーフ、声が大きいぞー」
「あ。すみません」
途端にペコペコと頭を下げる。感情が昂ると素直に表に出ちゃう様を見ていると、日向くんを思い出して微笑ましくもあった。
「でも苗字さん、部活もやりながら勉強もしてて凄いですよね」
「その分、休みの日はゲームやったり他にも色々遊んでるけど」
「マジッスか!?」
「苗字の場合、ちゃんと時間決めてキッチリ息抜きとしてやってるだろ」
「さあ、どうでしょうねー」
それはそうなんだけど、それだけでもないし。と思いつつ別にひけらかすつもりもないから、曖昧にはぐらかす。黒尾は察しているんだろうけど。
「というか、苗字さんは何でそこまで全部頑張れるんですか!?」
灰羽からの問いが意外で、何度か瞬きをした。そこまで全部という訳でもないし、そもそも当たり前すぎて理由を改めて意識したことは無かったな、と思い至る。
そこまで頑張ってるつもりはないけど、と口に出すのは簡単だ。しかしそれは、同様に成果を出そうと努力している人達に対して失礼だろう。
「なにせ私、全国制覇する部のマネージャーだから。手の届く範囲の一位はガンガン取らなきゃね」
ピンと右手の人差し指を立てながら、更に続ける。
「それに私がノートをまとめるために使った時間で、皆の練習時間が増えるかもしれないでしょ。ボールに触る時間、試合の映像を見る時間、バレーに関わる時間が一分一秒でも増えるかもしれない。それってさ、私の努力がバレー部員の数だけ何倍もの力になって、私自身に返ってくるってことじゃん。皆は絶対に、最高の練習も最高の試合も見せてくれるから」
灰羽はポカンとしているし、黒尾はいつも通りニヤリと笑っている。皆といると安心してつい自分の考えを喋りすぎちゃうんだよな、と自分のクセに呆れつつ、自分の思いを託すように灰羽の胸に拳をポンと押し当てた。
「情けは人の為ならずってこと。だから頑張れ、未来のエース」
「は、……はいッ!!!!!」
「リエーフうるせえ!」
「え。夜久?」
背後から風を切るようにやってきた夜久が、灰羽に蹴りを喰らわせている。
「何度も苗字に迷惑かけてんじゃねえよ!」
「あっれー、やっくん。何度もって言うことは、さっきから俺たちの話聞いてたんですかァ?」
黒尾の言い方からして、完全に揶揄う君満々だし事実なんだろう。夜久もいつもなら威勢よく言い返すところを、グッと僅かに言い淀んでいるし。
「全部じゃねえよ、途中から!」
「にしてもさっきの夜久の顔、苗字にも見せたかったわー」
「気付いてたんなら聞くなよな!?」
いつも通りワイワイと言い争いを始めた黒尾と夜久を眺めた。相変わらず仲がいいなと笑う。
普段ならば放置しておくけど、今日は珍しく聞き捨てならないことがあったから、二人の間にヌっと顔を出した。
「黒尾さん。夜久はどんな顔してたの?」
「ッ! おい苗字!」
「俺も知りたいです!」
「リエーフ!!」
「お、聞きたいー? そうだなあ、一言で言うと。……こう、落ちたな、って感じの顔」
直球だなあと笑ってから肩をすくめる。黒尾はこちらを揶揄うつもりなんだろうけど、そんな顔はマネージャーになってからいくらでも見てきた。
「その落ちた顔ってヤツ、さ。黒尾もバレーやってる時に見せてくれるでしょ」
我らが主将が、不意を突かれたようにキョトンと目を丸くする顔は珍しい。
「大好きなものを見て、大好きなことをしてたら、そりゃ何度でもそれに落ちるよ。分かってるくせに」
黒尾は私の言葉を咀嚼するように、何度か瞬きをしていた。成程、こんなにいい反応をしてくれる相手ならば確かに、敢えて意表を突く言動をするのも面白いかもしれない。
「……こりゃ黒尾が一杯食わされたな」
「それはそれとして夜久、その落ちたなって感じの顔、私にも見せてよ」
「無意識なんだから、今やるのは無理だわ!」
「苗字さん、俺はその顔してる時あります!?」
「んー、灰羽のはまだ見たことないかな。その時になったら言うね」
「はい!」
そういえば、と思いつつ手元の腕時計に目を落とす。
「灰羽、そろそろ休憩時間も終わるけど」
「え、マジすか! なら俺帰ります! 苗字さん、本当にありがとうございました!」
「はーい。また部活でね」
陸上選手のごとく素早く走っていく姿に手を振った。そのまま、未だに呆けている様子の我らが主将の背中を軽く叩く。
「本気でバレーに落ちてる時の黒尾の顔、見ると私も元気出るからさ。これからも楽しみにしてる」
「はー……そうかい。うちのマネージャーさんは相ッ変わらず、人をやる気にさせるのが上手いなー」
「黒尾さんに言ってもらえるとは光栄です。夜久も帰ろ」
「おー」
夜久もまた黒尾の背中をポンと叩いてから、ぞろぞろと教室に戻っていく。うちの部員は本当に、揃いも揃って素直で可愛いなと笑ってしまった。
インターハイの東京予選はいよいよ来週に迫っている。試験のサポートは出来る限りやれたと自負しているし、残るは本番までどれだけ支えてあげれられるかの勝負だ。
頑張り甲斐がありすぎるなと背伸びをする。けれど放課後の部活よりも前に、今は目の前の授業に鋭く意識を向けていった。