特筆すべきこと無し。拙陋な見識を好まず広い視野を持てる己を志す。死ぬほどたい焼きが大好き。言葉も愛おしい。生まれるこころをままに、大切にしたい、そんな貪婪でどうしようもない頑固で、屈折し得ない誠義を持つひとひら。腕に抱えるえにしは悠遠には逃さない心積り。愛し、想い已まない人へただひとつの霞草を手向ける。傀儡師、社会人。二十と幾許か、知識は遍く。
太陽が彼女を頭上の雲の中心にひきずりこむ間際、雪のひとひらの耳にさいごにのこったものは、さながらあたりの天と空いちめんに玲瓏とひびきわたる、なつかしくもやさしいことばでした。──「ごくろうさまだった、小さな雪のひとひら。さあ、ようこそお帰り」