「とりっくおあとりいと!」
「…………?」
当の忠勝はナマエをじッと見下ろしてキュイン?と首を傾げた。その様子に笑いを堪えながら、家康がナマエに問いかける。
「それは一体何の呪文なんだ?ナマエ殿」
「独眼竜さまから教わりました。お菓子をくれなきゃ悪戯します!って意味だそうです」
だから、とまた拙い南蛮の言葉で忠勝に迫る。困ったようにおろおろと視線を泳がせた忠勝は、縋るように家康を見た。戦国最強の名を欲しいままにしている彼にしては珍しい。頼りにされるのは嬉しかったが、しかし家康も持ち歩いている訳がなく。
「すまないな、忠勝。力になれそうも無い」
「…………!!」
「ならば、悪戯させて頂きますので……忠勝さま、屈んで下さいませ?」
別に従わずとも良いだろうに、実直な忠勝はナマエに言われた通りガシャン、と片膝をついた。ナマエは忠勝に近付き、まだ己の背より高い位置にある忠勝の頬へと手を伸ばす。
そして、家康が見守る中。
ちゅ。
「…………!!?」
可愛らしい音を立てて、唇が触れた。幼い頃より共に過ごしている家康ですら聞いた事が無い程、変な音を出しながら忠勝は驚いている。その原因であるナマエは、動きを止めてしまった忠勝を見て焦りだした。
「え、あ、どうしましょう……家康さま」
「おーい、忠勝!大丈夫か?」
「…………!!!!!」
「あっ、忠勝さま……!」
家康がぽん、と忠勝を叩けば、我に返ったかのように立ち上がる。その勢いのまま、飛行形態になると空の彼方へと飛んでいってしまった。
「やれやれ……困った奴だなあ」
「忠勝さま、怒ってしまったのでしょうか……」
「いや、大丈夫さ。照れているだけだから」
明るく笑う家康に、ナマエはほっと息を吐く。上空をびゅんびゅんと飛び回る忠勝を見上げて、暫く帰って来ないだろうな、と家康は内心で苦笑した。
警告、ただちに冷却せよ
冷めやらぬ、熱
(あ、忠勝さま、お帰りなさ……)
(…………!!)
(また行ってしまったな。ふふ……どうやら重症らしい)
(忠勝さま、ご病気なんですか!?)
3の花見エンド見てから忠勝がかなり可愛く思えてうっかり初夢。人外好き過ぎるだろう。
拙宅捏造設定では、元人間で今はほぼ機械。感情はあるけど、機械として生きる事を決めたから、恋愛は諦めてる30代(重要)。
真面目で不器用で初、っていう天倉得な感じになるかと。
この続きを切甘で書きたいけど、有言不実行な気はしてる。
2011/10/31
天倉(ハロウィンに寄せて)