雪に
埋もれた

冷え込んだ外気を感じて、松永はすっと目覚めた。何度か瞬き、そしてむくりと起き上がる。少し乱れた髪を掻き上げてから、隣に眠るナマエを見やると、松永が起き上がった事で空いた隙間の所為か、身震いして布団の奥深くに潜ってしまった。



(寒いのは苦手だと言っていたな)



嫌がらせでもしてやろうかと布団を剥がそうとしたのだが、ナマエの幸せそうな寝顔を見ると興が殺がれて、松永はそっと布団を抜け出した。




「ふむ」



呟きと共に吐き出した息は白く溶けた。このままの寒さでは、ナマエが起きてこないだろう。それでは松永が愉しくない。早々に侍女でも呼んで、火鉢を持ってこさせるべきか、と彼は静かに部屋を横断した。




「……おや」




障子を開けると、うっすらと世界は白んでいた。整えられた庭の木々も、地面も、白銀に包まれている。




「……雪か。道理で冷え込む訳だ」




真白に染まる庭を眺め、松永はぽつり呟く。布団の中で未だもぞりと動くナマエが、この光景を見た時の喜ぶ姿を想像して、彼はくつりと笑みを浮かべた。




「起きたまえ、今日も良い朝だ」






雪に埋もれた声
小さな返事にまた笑う










ツイッタログプラスそのいち。
冬の松永さんでした。
普通に同衾している紳士です(笑)


title thanks:哀婉


12/02/04
天倉