呼ばれて振り向けば、ナマエが困った顔で立っていた。どうした?と問いかけると、あのね、とおずおず話し出す。
「壊れちゃったみたいなの」
差し出されたのは、ナマエお気に入りの時計だった。確かに針が動いていない。貸してみ?と受け取り、様子を見てみる。
「直る?」
「んー、そうだな…」
ネジを緩めて中を確かめる。そう言えば、この時計の仕掛けには微妙なズレがあったのを思い出し、そこをちょいちょいっと直してやった。ついでに、時刻も合わせて、っと。
「これで、多分大丈夫だ」
「…あ、ほんとだ!」
チクタクと時を刻み始めた時計を見て、ナマエが嬉しそうに声を上げた。良かった、ナマエに笑顔が戻って。
「ありがとう、ウソップ!」
「まァな!これくらい、このウソップ様にかかればチョロいもんよ!」
ふふん、と笑えばナマエも笑う。ふと、何でおれに頼んだのだろうか、という疑問が過ぎった。手先の器用さで言えば、フランキーもなかなかだと言うのに。何故、そんな事が気になるのかは、分からねェが。
「何でウソップに頼んだのか、って?」
「おぉ。フランキーでも良かっただろ?」
「うん、でも…」
私、ウソップが好きだもん。
だからだよ、と笑うナマエ。へーそうかおれの事が好…好きだとォ!?
慌てふためくおれへ、追い討ちをかけるように。ナマエは可愛らしくちゅ、と頬にお礼のキスをくれた。
大好きなんだよ!
嘘吐きなあなたが!
ウソップ好き過ぎて、それ程間をおかずに2つ目。仄々可愛いのをこれからも書いていきたいです。
20110408
天倉