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「私ね、東京の大学に行くんや」

卒業式の日に、初めて私の進路を話した。
長いこと付き合ってきたのに自分のことは話しても私のことを聞かない侑くんにずっと言えないでいた。

「東京行くって聞いてへんよ…?」

そう言った侑くんは珍しく泣きそうな顔をしていたのが印象的だった。

「言うてへんもん」

「いつ行くん?」

「明日」

「明日!?」

「うん、せやから侑くんとはこれでバイバイや」

自分でも冷たい言葉だったと思う。

でも遠恋なんて私には無理だし、これから侑くんはプロになる。
ファンだってできるし、もっと華やかな世界の人たちと知り合いにだってなる。

そうなった時に私がそれに耐えられないと思った。

私はただの大学生。
高望みなんかしないほうが幸せなんだと言い聞かせた。

「バイバイて…名前は俺のこと好きで付き合っとったんちゃうの?」

「好きやったよ?でもこれでおしまいやねん」

「遠恋だってええやろ…?」

なんで、どうして、そんな顔をしている侑くんに「私この後明日の準備せなあかんねん」と言って手を振った。

後ろも振り向かずに正門へと駆けて、小さな声でごめんねと謝った。



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