02
高三の卒業式の日、珍しく名前から呼び出されたと思ったら俺の顔も見んで東京へ行くことを告げられた。
今まで俺の進路については話していたけど、名前のことを聞いていないことにその時初めて気づいた。
冷たい声で「侑くんとはバイバイや」と言われ、もう名前は俺と別れることを決めているんだと思った。
それでも信じたくなくて遠恋でもと縋れば、明日の準備があるからと手を振られ駆けて行ってしまった。
ずっと名前が隣にいてくれて、俺のバレーを見ていてくれると思っとった。
手を伸ばしても名前には届かなくて、決して振り向かないその後ろ姿に絶望を覚えた。
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