ゼラニウム

「「北さんお誕生日おめでとうございます!!」」

部活後、双子の声と共に北先輩の誕生日パーティーが始まった。

今年はサプライズでやろうと侑が言い出して、みんなでちまちま作業して飾り付けもした。

北先輩が入ってくると同時にクラッカーを鳴らして、目の前にケーキを出せばいつもは無表情の北先輩も嬉しそうに笑ってくれた。

「なんや、盛大やな」

「そりゃ北さんの誕生日ですから!」

「おめでたいことは盛大にやらんとですよ!」

「ほら、時間もないし北のこと真ん中にしてケーキ持って写真撮るで」

赤木先輩の声にみんなぎゅうぎゅうにくっついて、写真を撮る。

「お、ええ写真撮れたな」

尾白先輩に見せてもらうと、みんなが笑顔で写っていて実にいい写真だった。

「北さんケーキ食べてください!」

「これ一人で食うんか?」

「ナイフないしみんなでフォークでそのまま食いましょ」

いただきます、とみんなで言い各々ケーキに手を伸ばす。

「今日はええ日やなあ」

幸せそうに目を細める北先輩に「先輩、これよかったらもらってください」と声をかけプレゼントを手渡す。

「お、なんやこれ?」

「誕生日プレゼントです」

「開けてもええ?」

「大したもんじゃないですけど」

「ブックカバーか!ええな、ありがとう。大事に使わしてもらうな」

「「北さん!俺らからもありますよ!」」

じゃーん!と出してきたのは大きな袋で「なんやなんや」と尾白先輩が身体を乗り出した。

「なんやこれ」

「ビーチボールです!」

「北さんに似てたんで買いました」

出てきたのは白いきつねのビーチボールで、たしかにどことなく北先輩に似ている。

「ウケる、北さんにビーチボールって」

倫太郎は笑いながら写真を撮ってるけど、北先輩とビーチボールは絵面がとても可愛い。

その後も各々北先輩にプレゼントを渡し、その都度北先輩は嬉しそうに笑ってくれた。

「みんな、ありがとうな」

北先輩のお礼に、みんな嬉しそうに笑った。



花言葉:真の友情


北さんお誕生日おめでとう!



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