07
家に帰ってから先程のやりとりを思い出すと顔から火が出るかと思った。
私は北先輩を好きで、北先輩も私を好き。
つまりは、両想い。
こんなに上手くいっていいのか?と思うくらいあっけなくて、狐につままれた気分だ。
とりあえず明日になったら告白の返事をしようと意気込んでいたら、インターホンが鳴ってこちらが出る前にドタバタと双子が乗り込んできた。
「「名前!!!!」」
「なんやねんうるさいで自分ら」
こっちが思い出に浸っているのに台無しではないか。
「北さんと何話したん!?」
「何もされなかったか!?」
「失礼なこと言わんといて。そんな人ちゃうのは自分らが一番わかっとるやろ」
しつこく詮索してくる双子をかわして飲み物を取りにキッチンへ行くと母が「あら、でも名前すごく嬉しそうよね」と余計なことを言ってきた。
「やっぱなんかあったんやろ!」
「白状せえ!!」
「名前が言わんなら北さんに聞くからな!」
どこのヤクザだとため息をついて、腹いせも含めてドヤ顔で言ってやった。
「北先輩に告白されたんや」
その瞬間の双子の顔は本当に真っ青で、ちょっと悪いことをしたかもしれないと反省した。
「さ、これ以上用ないんやったら家へ帰りいや。おばさんもご飯の用意しとるやろ」
何も喋らなくなった双子を玄関へと追いやり、靴を履かせ外へと放り出す。
「おやすみ」
その挨拶にすら返事はなくて、本当に大丈夫か不安になり家に入るところまで見届けた。
あんな元気のない二人は初めてだ。
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