07

美容院で髪をセットしてもらい、会場へと足を運んだ。
気合入りすぎかな?とも思ったけど、実際行ってみると私より派手な子はいっぱいいて安心した。

受付をしていたら高三の時のクラスメイトが「名字?お前めっちゃ綺麗になったな!」と話しかけてきて「久しぶり」と返したら親しげに肩に手をのせてきて「向こうにみんなおるで」と教えてくれた。

みんなのとこに行くまでず肩にのった手はそのままで「名字彼氏とかおるん?」とか聞かれて「おらんよ」と言えば「俺なんてどお?」と笑いかけられた。

「いやいや、久しぶりに会ったばっかやん」

「時間なんて関係ないやん、今やと思った時が攻め時やで」

にやりと笑ったクラスメイトに、そういやこいつ高校時代もチャラかったなと思い出し「恋はいつでもハリケーンなん?」と肩の手をはたき落として笑っといた。

みんなの集まっているところに行けば当時の話題で盛り上がっていた。

あの時私あいつのこと好きやったんよとか、そういう恋話。
お酒が入っているからか「もう時効だからええよね?」とかいって結構大胆なことも言っていて、そのノリが高校生に戻ったみたいで楽しかった。

「そういえば名前はもう侑に会った?」

その一言を聞いて、ぴたりと固まった。
みんなのワクワクした顔をみると忘れてたなんて口が裂けても言えなかった。

「まだ会っとらんよ」

平静を装ってサラッとこたえれば「えー、元カレの顔みんでええの?」「さっき会うたけど格好よさに磨きかかっとったで!」なんて余計な情報をいただいた。

「えー、そうなん?ほんなら探しにでも行こうかな」

これ以上ここにいるのは面倒だなと思い切り上げ、どこか心休まる場所はないかと会場を見渡したら端っこの方にスペースを見つけたのでそちらへと足をすすめる。

やっと落ち着けるとスマホを出して友人からのLINEを確認したら『侑くんおった!サインしてもらってくるから後で合流しよ』と来ていて、一緒におるんやなかったんかい!と心の中でつっこんだ。



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