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「名前ちゃん、今日は付き合うてくれてありがとな!もしよかったらまた行こうな!」

木兎選手のサインをもらえてホクホクの先輩は、本当に嬉しそうで見ているこっちまで嬉しくなる。

「あ、そうだ。先輩、おにぎり宮ってご存知ですか?」

「おに宮?侑選手の双子の治さんがやってるおにぎり屋さんのことやで。今日も出店しとったの見てへん?」

「あー…見てないです…」

「私は今日この後予定あるから行けへんけど、名前ちゃん暇やったら行ってみたらええよ。カウンターもあっておひとりさまでも歓迎してくれるとこやから」

先輩はそう言って自分のカバンを漁ると、一枚の名刺を私へと差し出した。

「これ、前食べた時に持ってきたおに宮の名刺。行き方とかも書いてあるからよかったらもらってや」

「大事なものでは…!?」

「あはは、また行った時にもらうからええねん。名前ちゃん、気になった時が行き時やで」

にこにこと笑う先輩に、まさか宮選手に夕飯をここで食べたらいいと言われたとも言えず「そうですよね」とだけ返した。

単身で乗り込むには少し心許ないけれど、行かないとずっと宮選手の言葉が気になったままになりそうで、私はおにぎり宮で夕飯を食べることを決めた。



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