05
夏休みもついに明日へと迫った7月20日、教室にはどこか浮ついた雰囲気が漂っていた。
先生から返された成績表に一喜一憂しながら、夏休みの予定を各々楽しそうに話している。
「治くんはバレー部の練習?」
「せやな〜。合宿もあるしあんまり青春らしいことはできへんな」
「今日の夜は?」
「今日は早めに終わるから空いとるな」
「ほんならさ、今日の夜うちのお祭りに来おへん?」
名字さんからそんなお誘いが来るとは思わなかった。
普段放課後に遊びに誘っても門限があるからの一点張りで絶対に来ないし、休日に誘おうものなら家の手伝いがあるから無理と一蹴。
そんな名字さんからのお誘い、断るわけがない。
「ん?うちの?」
「うん、うちの家稲荷神社やねん。今日明日がお祭りやから治くんどうかなって思っとるんやけど」
「ええな。でも門限はええの?」
「家の中やからな。時間は関係あらへんのや」
「ほんなら部活終わったら連絡するわ。神社の前で待ち合わせにでもするか」
「わかった。じゃあまた後でね」
そう言って分かれたものの、誰が来るのかを聞き忘れたことに気づいて追いかけたが名字さんの姿はもう見えなかった。
ツムのせいで俺もチャラそうに見られることが多いが、バレーで忙しかったしお祭りとかそういうイベントを女子と一緒に行ったことはない。
浴衣で行った方がいいのか、ツムも誘った方がいいのか。
単純なものでただ祭りに誘われただけだというのに妙にソワソワした気持ちになった。
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