02

案の定放課後にはフラれたのも気にしていない様子で他の男と楽しそうにはしゃいでいるのを見た。

視界に入るだけでも不快なのに、楽しそうなのを見ると胸がムカムカする。

「フった女のことなんか気にせんでもええやん」

「気にしとるわけとちゃうし」

「その割には目で追ってるんと違う?」

「はぁ!?なんで俺があんな女のこと見なアカンのや!」

サムの言葉に反論したら、自分で思ってたよりも大きな声がでた。
当然あの女も俺の声に驚いて振り向いたけれど、俺だとわかるなり顔を凄い勢いで顰めよった。

「図星さされて怒るとかないわ〜」

「アイツが俺の視界に入ってくんのが悪いんや」

「学校内なんやからどこおったって名字さんの勝手やろ」

「サムはなんでアイツの味方なん」

「名字さんええ子やもん。話したこともないのにあんなフり方するお前の味方なんか誰がするか」

フンと鼻を鳴らし顔を背けたサムに腹が立ち思いっきり蹴飛ばせば、向こうもやり返してきて取っ組み合いの喧嘩になった。

しばらくすると誰が連れてきたのか北さんが駆けてきて、喧嘩自体は収束したけれど腹の虫はどうしても収まらなくてその日一日はお互い何があっても話しかけたりはしなかった。

なんでアイツのせいで俺がサムと喧嘩せなアカンのや。



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