07

放課後、いつも通っている美容院へ話はかほさ行くと担当のお姉さんが本当に予約内容があっているかを確認してきた。

そりゃ今まで「なるべく派手な色、パーマは絶対!長さは揃えるくらいにしてください」と頼んでいた私が「黒髪清楚系」と言ってきたら誰だって確認したくもなる。

「名前ちゃん、本当にええの…?」

「イメチェンしよかなと思って」

「…好きな男の子でもできたん?」

流石に話が早くて、私がいつもと180度違うオーダーをした理由もお見通しだった。

「自分じゃどういうのがええかわからへんからお姉さんに任せてもええですか?」

「髪の毛の長さはそのままにする感じ?」

「んー…切ってもええかな…」

「それなら肩下くらいまでバッサリいっても平気?」

「大丈夫です」

一体どうなるのか皆目検討もつかないけれど、3時間後には侑くん好みの女の子になれているんだろうか。

治くんが言った見た目が大事だという言葉だけを頼りに今までの自分を捨てるのは少し気が引けた。

でも「できた」というお姉さんの声に顔をあげてみると、自分で思っていたよりもずっと素敵な女の子が鏡には映っていた。

「名前ちゃん、これはモテる予感しかないで」

「ほんまですか?」

「うん、その男の子に可愛いって言ってもらえるとええな」

もうフラれてるんですけどね、なんて言葉を飲み込んで「言ってもらえたらうれしいですね」と笑えば「私が太鼓判押してあげる」と背中をポンと叩かれた。

不思議なもので、見た目が変われば気持ちもサッパリして明日からの学校生活が少しだけ楽しみになった。



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