09
今日は朝からサムがニヤニヤしていて、なんか面白いことでもあるのかと聞いてみても「秘密や」の一言。
朝練が終わるといつもなら真っ直ぐ教室へと行くのに、向かったところは体育館裏やった。
体育館裏は彼女と彼氏の待ち合わせ場所によく使われていて、俺の知らんうちにサムに彼女でもできたのかと思った。
ま、どうせこの間から仲の良いアイツなんやろな。
この間俺に告白したばっかのくせに。
一目見て嫌味の一つでも言ってやろうと思ってついていったのに、待ち合わせ場所にいたのは俺の好みど真ん中ストライクの女の子やった。
その子は俺のことを見るなりサムの腕を引っ張って走っていってしまい、そんな恥ずかしがり屋なところまで可愛くてあの子がサムの彼女だという事実に打ちのめされた。
ってかアイツはどうしたんや。
仲良くしてたのに他の子と付き合うとか最低なんちゃうか。
これは問い詰めてやらねばと昼休みにサムのクラスに行ったら、角名に「治なら屋上に行ったけど」と言われた。
いつもなら角名と食べるのにわざわざ屋上まで行ったということは、つまりはそういうことだろう。
むしゃくしゃして屋上の扉までいって小窓からのぞいたら、仲睦まじくご飯を食べる二人が目に入った。
時折楽しそうに笑うその様子にいくら俺でも邪魔したらアカンことだけはわかる。
仕方なしに教室に戻ろうと思った時、屋上にいるサムと目が合って「羨ましいやろ」と言わんばかりの顔でニヤリと笑われた。
なんやねん、別に羨ましくなんかあらへんし!!
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