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一通りのアトラクションは乗り終わって、集合の時間まであと少しになった。

最後に家族へのお土産を見ようとショップの方に歩いているけれど、こんないい雰囲気のまま何もなく終わっていいのだろうか。

せめて告白くらいはしたいし、できることなら名字さんの返事も聞きたい。

角名と佐伯さんは気を遣って少し遠くの方にいてくれてるし、言うなら今しかない気がする。

「名字さん…あの…」

「なぁに?治くん」

二人の視線が交差し、動いていた足が止まる。

「文化祭の時にも言うたけど、俺…名字さんのこと好きやねん。返事、聞かせてもらってもええ?」

「治くん、私…治くんのこと好きやで。多分、これからもずっと」

返された言葉は両想いを告げるものだったのに、名字さんは眉を下げて悲しそうに笑った。

「でもな、付き合うたりするんはできん。これは私なりの覚悟やから…ごめんな」

「なんでっ…」

「言えへんのや。もし、もし治くんが私のことを覚えてて、5年…10年後も私のこと好きでいたらその時は私と付き合うてくれる?」

「忘れるわけないやん!!」

「期待してるな」

言葉とは裏腹に寂しそうな顔をした名字さんに、それ以上のことは何も言えなかった。

「あ、お土産屋さんついたで。ほら、買いに行こ」

俺のことを置いて走る名字さんはそのままどこかへ消えてしまいそうなほどおぼろげで、一緒にいるこの瞬間すらも夢なのかもしれない。

もし夢だというのなら、ずっと醒めなければいいのに。



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