02

朝起きると知らない天井でびっくりして飛び起きた。
時計を見ると朝7時。
眠い目を擦って伸びをするとだんだん意識がはっきりしてきて、昨日北さんに泊めてもらったことを思い出し、慌てて服を着替えた。

音のする方へ急いで迎えば、北さんと北さんのおばあちゃんがご飯を作っている。

「ごめんなさい!!!」

大きな声で謝れば「疲れとったんやろ。起きたんなら顔洗ってくるとええ。飯にするで」と言われ「手伝わせてください」と言えば「まずは身だしなみを整えるのが先や。そんなボサボサの頭で飯の支度なんかすんな」と正論パンチを食らった。

顔を洗い、髪の毛を直し台所へ戻るとそこには立派な朝ごはんが用意されてて申し訳なさで消えてなくなりたいと思った。

「いただきます」声を揃えて手を合わす。

北さんのおばあちゃんに「よく噛んで食べてな」と声をかけられ「はい」と返事をし、卵焼きを口に含む。

お母さんの卵焼きと同じで甘い卵焼き。
朝から懐かしさで泣きそうになった。

「俺はこの後畑にでるから、名前はそこらへんでも散歩しとくとええ。気分転換くらいにはなるやろ」

「え、でも泊まらせていただいたので役に立つかはわからへんけど…なんか手伝わせてください」

「死にそうな顔してそんなこと言われてもかなわんわ。今日くらいゆっくりしいや」

北さんの言葉に北さんのおばあちゃんも「お稲荷さんが近くにあるから、行ってみるとええよ。悩んでるならきっと導いてくれるはずや」と言ってくれたので、散歩にでかけることにした。

昨日からスマホの通知が鳴り止まないけれど、今日くらいはスマホを置いていってのんびりしよう。
いつか向き合わなければいけないけれど、まだその勇気はでないから。



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