04

クッキーを渡してから早一週間。

3年生と2年生で学年は違う、部活も向こうはバレー部で私は帰宅部、接点は双子だけ。
しかしその双子も「「北さんはアカン」」と言って絶対に会わせてくれない。

バレー部の練習を見に行こうとすれば「今日は帰れ」「見に来たらアカン」と邪魔され、双子の部活が終わるまで待とうとしたら二人して「遅くなるからいい」「先に帰っとけ」とお断り。
今までは私が嫌がっても帰りを待っとけだの練習見に来いだの言ってきたくせに掌返しが酷い。

最悪なのは二人して休み時間になると私にずっとくっついてくるのである。
そこまでする！？という徹底っぷりに最早ため息しかでない。
おかげで呼び出しとかが全くなくなったのだが、同時に私の自由な時間も全くなくなった。

そしてこの一週間本当にまとわりつかれて我慢の限界がきて「いい加減にせえや！頼むから一人にさせて！」と怒ったら「そんなこと言って北さんに会いに行くんやろ」「絶対許さへん」と言ってくる始末。

その態度に堪忍袋の緒も切れて「今後1ヶ月私の行動を制限するようなことしたらもう二度と口聞かへんからな！！」と言えば二人は「それはもっとアカン！」と言って自分のクラスへと戻っていった。

「名前でもキレることあるんやな。しかし羨ましいわ〜」と言ったのは友人で、「代わってくれるなら喜んで代わるで」と言えば「あんなめんどいのに付き纏われとうない」と一言。

しかし、一週間ぶりに双子が視界からいなくなり開放感がすごい。
今日こそ放課後にバレー部の練習を見に行こうと心に誓った。