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次の日から侑くんと話すことはなくなった。

お互い教室にいるのに、最初からいない人のように扱う。
友人たちもクラスの人たちも戸惑ったが、私たちの意思を尊重しそれに倣ってくれた。

私の恋心もこれでおしまい。
あとは時間が解決してくれるだろう。


そうやって過ごしてどれくらい経っただろう。

私たちは学年があがって、三年生になった。

侑くんとはクラスも違って、これでもう顔も見ることもない。
そう思ったら今度は同じクラスに治くんがいた。
なんでこうも運がないんだと嘆いたら、もっと運がなくて治くんと席が前後になった。

とはいえ、治くんは侑くんではないので関わらなければいいと無関心を示したら、逆にそれが引っかかったらしく頻繁に話しかけられるようになり、ついには侑くんの話までし始めた。

「名字さんて2年の頃ツムと仲良かったやんな?」

「急に話さなくなってしまったのなんでなん?」

「ツムしばらくポンコツでほんま使えへんかったんやで」

聞いてもいないのに話される情報に辟易して「治くん、私は侑くんとはもう関わりないんやからほっといてほしいんやけど」と伝えたら「俺の顔見るたびに一瞬悲しそうな顔するのにそんなこと言われてもなあ」と困った顔をされた。

「そ、そんな顔してたつもりはなかったんやけど…もししてたならごめん。でもほんまほっといてほしいねん」

「せやなあ…じゃああの時なんでツムと話さなくなったんか教えてくれたらええよ」

言われた言葉に驚いて目を見張れば「教室やと話しづらいやろ?昼にどっかでお話しようや」とにこりと笑われた。

これからもこの調子で絡まれるよりはいいかと諦めににた境地で頷けば「ほな昼休みに」と前を向いてくれた。



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